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【特集】鈴木英之氏【後場波乱展開、戻り一巡後の相場を展望する】(2) <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)

―暴落からの3分の2戻し後に値を崩す、揺らぐ先高期待―

 19日の東京市場は主力株中心に利益確定売りに押された。前週末まで日経平均株価は5連騰と上げ足を強め、この間に3200円あまりも水準を切り上げたが、その流れが一巡した。今月5日に4451円という歴代1位の下げ幅で3万1000円台半ばまで売り込まれたものの、そこからのリバウンドは前週末時点で6600円強に達し、俗にいう3分の2戻しを達成していた。だが、3万8000円を割り込み再び強弱観が対立している。ここからの相場展望について、経験豊富な市場関係者2人に意見を求めた。

●「戻り一巡で足場固め後に再上昇基調も」

鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)

 日経平均株価は8月初旬の急落後、反騰局面となった。チャート的にも25日移動平均線を奪還し、日足では8月1日と2日の間の「窓埋め」も達成してきている。ただ、節目に到達してきたことで、足もとでは戻り一巡で売りが出やすい水準にあるとみている。大きく下げた後だけに二番底も警戒されるところだ。

 今後は22~24日の米ジャクソンホール会議や9月発表の米雇用統計、消費者物価指数(CPI)、そして9月17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)などが焦点となる。

 今回の株価急落は、日米金融政策の方向感の違いが円高を生み、そこへ更に米経済指標が悪化したことが全体相場の下落に拍車をかけた面があると思う。直近の米経済指標は底堅く、過度の警戒感は後退している。しかし、やはり米景気動向には気をつける必要がある。9月FOMCでは、0.5%の利下げは前のめり過ぎで、やはり0.25%程度にとどまるとみている。

 9月末頃までを視野に入れた場合の日経平均株価の予想レンジは、3万5000~3万9000円前後を見込む。いったん下値を試すが、足場を固めた後は再び値を戻す展開を想定している。

 個別では、AI投資に絡んだデータセンターやサーバー需要などに関連する銘柄や好業績銘柄などが注目される。SWCC <5805> [東証P]など電線株や電力工事関連株などが面白そうだ。電力関連では、日立製作所 <6501> [東証P]はコア銘柄として注目したい。また、アドバンテスト <6857> [東証P]など半導体関連株は押し目買いでいいと思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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