【通貨】ユーロ週間見通し:下げ渋りか、株価安定なら円買い後退も
ユーロ/円 <日足> 「株探」多機能チャートより
■上げ渋り、米大幅利下げ観測は後退
今週のユーロ・ドルは上げ渋り。米国経済の大幅減速が警戒され、ユーロ・ドルは一時1.1008ドルまで買われたが、ユーロ圏経済の停滞が再び意識されたことや米雇用情勢の悪化に対する懸念が緩和されたことでユーロ買いは縮小。米国の大幅利下げ観測は後退したこともユーロの上昇を抑える一因となった。取引レンジ:1.0882ドル-1.1008ドル。
■もみ合いか、1.10ドル付近で利食い売りが増える可能性
来週のユーロ・ドルはもみ合いか。直近におけるユーロ圏の経済指標は強弱まちまちで、欧州中央銀行(ECB)の今後の政策方針を見極める展開。明確なユーロ買い材料が乏しいなか、節目の1.10ドル付近では利食い売りが増えるとみられる。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内複数回の利下げが想定されており、ユーロ買い・米ドル売りが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。
予想レンジ:1.0750ドル-1.1050ドル
■もみ合い、リスク回避のユーロ売りは縮小
今週のユーロ・円はもみ合い。米ドル安・円高の急速な進行を受けてユーロ・円は一時154円台半ば近辺まで下落したが、日本銀行内田副総裁の発言を受けて早期追加利上げ観測は後退し、日欧金利差の縮小を想定したユーロ売り・円買いは後退。欧州中央銀行(ECB)による追加利下げは年内1回にとどまるとの見方もリスク回避のユーロ売り・円買いを抑制する一因となった。取引レンジ:154円42銭-161円44銭。
■下げ渋りか、株価安定なら円買い後退も
来週のユーロ・円は下げ渋りか。日本銀行の金融正常化プロセスに不透明感が増し、日欧金利差縮小を意識したユーロ売り・円買いは抑制される見通し。欧州中央銀行(ECB)による追加利下げの思惑は消えていないが、アジアや欧米の株式市場の混乱が収束すれば、リスク回避の円買いは後退する可能性が高い。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日(水):4-6月期域内総生産改定値(速報値:前年比+0.6%)
予想レンジ:158円50銭-162円00銭
《FA》
提供:フィスコ