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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):山陽鋼、FPG、ファナック

山陽鋼 <日足> 「株探」多機能チャートより
■山陽特殊製鋼 <5481>  2,104円  +129 円 (+6.5%)  本日終値
 山陽特殊製鋼<5481>が3日続伸。午後1時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、営業利益が24億5600万円(前年同期比55.3%減)と大幅減益となったものの、株価は直近で下落していたこともあり、アク抜け感から買われたようだ。売上高は885億1800万円(同11.4%減)だった。販売価格の改定によるマージン改善があったものの、新たに発生した自動車の生産・出荷停止の影響などで売り上げ数量が減少した。また、24年3月期に発生したスウェーデン子会社OVAKOの一過性増益の影響の縮小などもあり大幅減益となった。なお、25年3月期通期業績予想は、売上高3450億円(前期比2.5%減)は従来見通しを据え置いたが、営業利益は第1四半期の実績を踏まえ、124億円から123億円(同8.2%増)へ下方修正した。

■ゼンリン <9474>  973円  +53 円 (+5.8%)  本日終値
 ゼンリン<9474>が大幅続伸し年初来高値を更新。29日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高141億3000万円(前年同期比10.4%増)、営業損益2億7400万円の赤字(前年同期13億4400万円の赤字)、最終利益900万円(前年同期9億8900万円の赤字)となり、最終損益が黒字転換したことが好感された。オートモーティブ関連でカーナビゲーション用データライセンスが増加したことに加えて、IoT関連でAPIサービスが堅調に推移したことが寄与した。ベースアップの影響などにより人件費が増加したものの、売上構成の変化などにより各利益が改善したほか、子会社株式売却益の計上もあり、最終黒字を果たした。25年3月期通期業績予想は、売上高643億円(前期比4.8%増)、営業利益36億円(同81.7%増)、純利益25億円(同20.3%増)の従来見通しを据え置いている。

■FPG <7148>  2,490円  +105 円 (+4.4%)  本日終値
 FPG<7148>が続伸している。29日の取引終了後、24年9月期の連結業績予想について、売上高を782億円から995億円(前期比39.8%増)へ、営業利益を208億円から256億円(同40.2%増)へ、純利益を150億円から180億円(同44.4%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を49円25銭から67円10銭へ引き上げ、年間配当予想を105円85銭(前期73円)にした。リースファンド事業で、第3四半期もCO2削減に関連したトランジション・ファイナンスに係る大型船舶案件を主体に積極的な組成と出資金販売を継続した結果、販売額が第3四半期累計期間として過去最高を更新する見通しとなったことが要因。また、国内不動産ファンド事業で不動産小口化商品の組成と販売の好循環を加速させた結果、第3四半期累計期間の販売額が、過去最高だった前期通期実績を超過する見通しとなったことも寄与する。

■アストロHD <186A>  716円  +28 円 (+4.1%)  本日終値
 アストロスケールホールディングス<186A>が続伸。午後2時ごろ、子会社アストロスケールが、今年2月に開始した商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ)」のミッションにおいて、観測対象のデブリの周回観測に成功したと発表しており、好材料視された。本物のデブリの周囲を飛行する運用に成功したのは世界初であり、軌道上サービスの提供に向けて更にRPO(ランデブ・近傍運用)の実績を積むことができたとしている。

■大阪製鐵 <5449>  2,460円  +77 円 (+3.2%)  本日終値
 大阪製鐵<5449>が続伸している。午後1時ごろ、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、売上高は600億円(前年同期比4.2%増)の従来見通しを据え置きつつ、営業利益を30億円から34億円(同5.9%減)へ、純利益を19億円から26億円(同14.1%増)へ上方修正したことが好感された。販売価格改定効果に加えて、足もとで主原料価格が想定を下回る水準で推移していることや、為替差益の計上が予想されることが利益を押し上げる。なお、25年3月期通期業績予想は、売上高1200億円(前期比2.5%増)、営業利益59億円(同15.9%減)、純利益44億円(同41.0%増)の従来見通しを据え置いている。同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高316億2600万円(前年同期比2.4%増)、営業利益21億5100万円(同22.4%減)、純利益23億1700万円(同15.0%増)だった。

■平和不動産 <8803>  4,320円  +130 円 (+3.1%)  本日終値
 平和不動産<8803>が大幅高で4連騰、前日は買い人気が増幅され一時4200円台に乗せたが、きょうは一段と上げ足を加速し4590円まで上昇、4月末につけた年初来高値4375円を一気に更新した。旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンスが29日付で提出した大量保有報告書によると、シティインデックスイレブンスと共同保有者の平和不株式保有比率が5.05%となり、新たに5%を超えたことが判明した。アクティビストの大株主浮上に伴い、株式価値の向上に対する思惑から短期筋の買いを呼び込む格好となっている。なお、保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。

■大同特殊鋼 <5471>  1,450.5円  +42.5 円 (+3.0%)  本日終値
 大同特殊鋼<5471>が続伸。29日の取引終了後、25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上収益は前年同期比0.1%増の1420億9400万円、営業利益は同15.2%増の100億6700万円、最終利益は同3.8%増の67億7600万円となった。営業利益が2ケタの伸びとなった同社の株価は、PBR(株価純資産倍率)が0.7倍台と1倍を下回っている。配当利回りは3%台とまずまずの水準で、買い安心感が広がったようだ。自動車関連の特殊鋼の受注は減少したものの、ステンレス鋼の受注は堅調に推移した。自由鍛造品は航空機産業やエネルギー産業での需要が増加し、受注が大幅に拡大した。清算手続き中の中国磁石子会社で追加費用が発生しながらも、営業増益につなげた。

■ファナック <6954>  4,387円  +125 円 (+2.9%)  本日終値
 ファナック<6954>が大幅高で3日続伸。29日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、売上高を7464億円から7843億円(前期比1.4%減)へ、営業利益を1210億円から1430億円(同0.8%増)へ、純利益を1073億円から1253億円(同5.9%減)へ上方修正したことが好感された。第1四半期(4~6月)において自動車関連向けロボットが欧米、国内で堅調だったほか、ロボマシン部門で中国向けロボショット(電動射出成形機)の需要が伸びたことなどを反映させた。なお、第1四半期決算は、売上高1951億円(前年同期比3.3%減)、営業利益329億5800万円(同1.1%増)、純利益288億300万円(同5.0%減)だった。FA部門で工作機械業界の需要が国内を含む世界各国で低調に推移したほか、中国向けロボットで好調だったEV関連向けが下降気味となり、インフラ関係と電子産業向けも低調だった。

■スタンレー電気 <6923>  2,925円  +76.5 円 (+2.7%)  本日終値
 スタンレー電気<6923>が3日続伸し年初来高値を更新。29日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高1214億4100万円(前年同期比8.7%増)、営業利益95億3500万円(同2.6倍)、純利益58億2400万円(同2.5倍)と大幅増益となったことが好感された。自動車機器事業で持ち分法適用関連会社だったタイ・スタンレー・エレクトリックの連結子会社化や為替によるプラスの影響があったほか、米州向け自動車用ランプの販売が堅調だった。また、生産革新による合理化効果や、前年同期に計上した過去の品質問題にかかわる費用の剥落の影響なども利益にプラスに働いた。25年3月期通期業績予想は、売上高5000億円(前期比5.8%増)、営業利益500億円(同39.5%増)、純利益311億円(同17.4%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を1300万株(発行済み株数の8.11%)、または300億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は8月13日から来年3月31日までで、株主還元の充実及び資本効率の向上を図ることが目的という。あわせて、8月9日付で自社株370万株(発行済み株数の2.16%)を消却するとした。

■BIPROGY <8056>  4,657円  +88 円 (+1.9%)  本日終値
 BIPROGY<8056>が続伸し、1999年につけた上場来高値に接近した。29日の取引終了後、25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。売上収益は前年同期比10.6%増の883億5200万円、最終利益は同12.1%増の48億9200万円となった。また、30日朝の東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において、前日終値4569円で取得総数300万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.0%)、取得総額137億700万円を上限に自社株買いを実施するほか、自社株900万株について8月30日に消却する。増収増益を確保したことに加えて、資本効率の向上に向けた取り組みへの評価もあり、買い安心感が広がったようだ。4~6月期はDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の需要が旺盛となるなかで、アウトソーシングや製品販売を中心に増収となり、基幹システムの刷新などの一過性コストによる影響をカバーした。自社株買いは、三井物産<8031>が保有するビプロジーの株式の売却による需給面への影響を緩和することなどが目的。東証の自己株式立会外買付取引情報によると、ビプロジーは30日、244万8500株について1株4569円で買い付けを行った。

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