【市況】19日の米国市場ダイジェスト:NYダウは377ドル安、世界システム障害による混乱を警戒
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは377ドル安、世界システム障害による混乱を警戒
米国株式市場は続落。ダウ平均は377.49ドル安の40,287.53ドル、ナスダックは144.28ポイント安の17,726.94で取引を終了した。
システム障害で世界の経済活動に混乱がもたらされるとの警戒感に売られ、寄り付き後、下落。ハイテク企業の来週の決算を控えた手仕舞い売りも見られ、相場のさらなる重しとなった。システム復旧に連れ、相場は下げ止まったが、終日軟調に推移し、終了。セクター別では、ヘルス機器・サービスが小幅上昇した一方、半導体・同製造装置、自動車・自動車部品が下落した。
製薬会社のイーライリリー(LLY)は同社開発の糖尿病治療薬「マンジャロ」(チルゼパチド)を中国政府が承認したため、上昇。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は物言う投資家のエリオットマネジメントが大量の同社株式を購入したことが明らかになり、上昇した。
地銀のフィフス・サード(FITB)は第2四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り、堅調。サイバーセキュリティ会社のクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は、同社のソフトウエア「ファルコン」に不具合が生じ、マイクロソフト(MSFT)のウィンドウズ端末で障害が起こったことを声明で明らかにし、大幅安。ソフトウエア会社のマイクロソフト(MSFT)も売られた。競合とされるパロアルト・ネットワークス(PANW)や携帯端末のアップル(AAPL)はそれぞれ上昇。クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレス(AXP)は第2四半期決算でカード利用額の伸び減速で、内容が予想を下回り、下落した。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は3カ月ぶりの高水準となる17.19まで上昇した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:質への逃避や米長期金利上昇でドル続伸
19日のニューヨーク外為市場でドル・円は157円70銭まで上昇後、157円27銭へ反落し、157円48銭で引けた。世界的なシステム障害による混乱を警戒し質への逃避のドル買いや、長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となったが、根強い利下げ観測を受けた売りに上値も限定的となった。
ユーロ・ドルは1.0894ドルから1.0876ドルまで下落し、1.0882ドルで引けた。ユーロ・円は、171円72銭から171円21銭まで下落。リスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.2929ドルから1.2907ドルまで下落した。英国の弱い小売売上高を受け、英中銀の早期利下げ観測に伴うポンド売りに押された。ドル・スイスは0.8900フランから0.8881フランまで反落。安全通貨としてのフラン買いが優勢となった。
■NY原油:下落、79ドルを下回る
NYMEX原油9月限終値:78.64 ↓2.66
19日のNY原油先物9月限は下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比-2.66ドル(-3.27%)の78.64ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは78.59ドル-81.34ドル。ロンドン市場で81.34ドルまで買われたが、需要減少の思惑で売りが強まり、米国市場の後半にかけて節目の80ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引で78.59ドルまで一段安となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 42.90ドル -0.11ドル(-0.25%)
モルガン・スタンレー(MS) 102.09ドル -2.72ドル(-2.59%)
ゴールドマン・サックス(GS)484.93ドル -1.28ドル(-0.26%)
インテル(INTC) 32.98ドル -1.89ドル(-5.42%)
アップル(AAPL) 224.31ドル +0.13ドル(+0.05%)
アルファベット(GOOG) 179.39ドル +0.17ドル(+0.09%)
メタ(META) 476.79ドル +0.94ドル(+0.19%)
キャタピラー(CAT) 347.63ドル -8.40ドル(-2.35%)
アルコア(AA) 34.92ドル -0.73ドル(-2.04%)
ウォルマート(WMT) 70.75ドル -0.07ドル(-0.09%)
《ST》
提供:フィスコ