【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンケン、カバー、ワークマン
サンケン <日足> 「株探」多機能チャートより
サンケン電気<6707>が急騰。半導体素子を製造販売し、主にパワー半導体分野をフィールドとしている。足もとの業績は苦戦しており、25年3月期は営業利益段階で前期比3割減益を見込み、年間配当は無配(前期は15円)を計画している。そうしたなか、19日取引終了後、旧村上ファンド系投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが同社の株式保有比率を従来の19.16%から20.18%に高めたことが、同日に関東財務局に提出された変更報告書で明らかとなった。保有目的は「純投資」としている。エフィッシモの買い増しを受けて、株式価値向上に向けた動きが会社側から打ち出される可能性に期待した買いを呼び込んだ。
■カバー <5253> 1,978円 +187 円 (+10.4%) 本日終値
カバー<5253>が続騰。同社は19日、英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」において、新ユニットを設立しメンバー4人がデビューすると発表。今後の収益貢献を期待した買いを集めたようだ。新ユニット名は「hololive English -Justice-」で、日本時間22日に新メンバー4人がデビューする。YouTubeチャンネルと公式Xは19日より順次公開される。
■ワークマン <7564> 3,680円 +220 円 (+6.4%) 本日終値
ワークマン<7564>が大幅高。フクダ電子<6960>や上村工業<4966>、東映アニメーション<4816>など、東証スタンダード上場の主要銘柄の上げが目立っている。東京証券取引所が19日の取引終了後、TOPIXの見直し案を公表した。現行のTOPIXは、新市場区分再編時にプライム以外の市場を選択した銘柄を除き、基本的にはプライム市場に上場する銘柄を選定対象としていたが、次期TOPIXについてはスタンダード市場とグロース市場も対象とし、流動性基準をもとに銘柄を定期入れ替えする案となっている。これを受け、スタンダード市場のなかで比較的時価総額の大きい銘柄を物色する動きが強まったようだ。セリア<2782>や日本マクドナルドホールディングス<2702>が堅調推移。PKSHA Technology<3993>やMCJ<6670>が急伸した。
■ワコールHD <3591> 4,515円 +143 円 (+3.3%) 本日終値
ワコールホールディングス<3591>が続急伸し、上場来高値を更新した。シンガポールの投資会社である3Dインベストメント・パートナーズがワコールHDの株式の買い増しに動いたことが19日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。同日、関東財務局に提出された変更報告書によると、3Dインベストメント・パートナーズの保有割合は5.13%から6.19%に上昇した。報告義務発生日は12日。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。
■コメ兵ホールディングス <2780> 4,385円 +115 円 (+2.7%) 本日終値
コメ兵ホールディングス<2780>が続伸。20日午後2時、ブランド・ファッション事業の5月度の月次売上高が109億9000万円となったと発表した。4月度の101億4400万円を上回る水準となり、株価の支援材料となったようだ。5月度の個人買取額は62億8100万円(4月度は57億1800万円)だった。国内では買取専門店が2店舗、海外では販売店1店舗を新規に出店した。売上高、個人買取額ともに計画比で順調に推移したとしている。
■タキロンシーアイ <4215> 720円 +14 円 (+2.0%) 本日終値
タキロンシーアイ<4215>は後場に強含みで推移。20日午後2時、東証プライム市場の上場基準について、2024年3月末時点ですべて適合したと発表。指数連動型のパッシブ系資金の流入が継続するとの見方から買いが入ったようだ。23年3月末時点で流通株式比率に関する基準に適合していない状況だったが、当初の計画期間より1年前倒しで基準の適合につなげた。
■三菱ケミカルグループ <4188> 850.7円 +13.7 円 (+1.6%) 本日終値
三菱ケミカルグループ<4188>が堅調。SMBC日興証券が19日、三菱ケミGの投資評価を「2」から「1」に引き上げた。目標株価は960円から1000円に増額修正している。新経営体制による業績の改善や再成長に期待できるとしたうえで、石油化学関連では外部環境の改善や経営施策による業績のアップサイドが大きいとの見方を示す。同証券は三菱ケミGの26年3月期営業利益予想をこれまでの3030億円から3050億円に見直している。
■HENNGE <4475> 928円 +13 円 (+1.4%) 本日終値
HENNGE<4475>が3日ぶりに反発した。20日、同社のクラウドセキュリティーサービス「HENNGE One」に関し、イスラエル企業のウィックス・ドット・コム<WIX>が提供する大企業向けウェブ制作ソリューション「Wixエンタープライズ」に対応したと発表。サービスの利用拡大を期待した買いが株価を押し上げたようだ。HENNGE Oneの利用者はWixエンタープライズへのシングルサインオンが可能となり、利便性の向上につながる。IP制限やデバイス証明書などアクセス制御機能により、安全にWixエンタープライズを利用できるようになるという。
■デジタルアーツ <2326> 3,905円 +40 円 (+1.0%) 本日終値
デジタルアーツ<2326>は堅調。米ブラックロック<BLK>日本法人のブラックロック・ジャパンが19日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、共同保有分を含むデジアーツ株の保有割合が5.04%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入った。保有目的は「純投資」としている。報告義務発生日は6月14日。
■ダイセキ <9793> 3,350円 +25 円 (+0.8%) 本日終値
ダイセキ<9793>が反発。日本経済新聞電子版が20日、「産業廃液などの処理を手掛けるダイセキは、2025年2月期中に北海道と東北に工場用地を取得する」と報じ、買いを誘う格好となったようだ。投資額は10億円程度という。北海道ではラピダス(東京都千代田区)が半導体工場の建設を進め、宮城県では台湾の力晶積成電子製造(PSMC)などによる工場新設計画があるなか、半導体企業からの廃液処理需要の拡大を見込み、将来の工場の新設に備えるとしている。
株探ニュース