【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ファンケル、コプロHD、インフォR
ファンケル <日足> 「株探」多機能チャートより
ファンケル<4921>が急騰。前週末14日の取引終了後、キリンホールディングス<2503>がファンケルに対し、完全子会社化を目的に株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け価格は1株2690円で、ファンケルの株価はTOB価格にサヤ寄せする格好となっている。買い付け予定数の下限は4111万7700株で、上限は設定しない。買い付け期間は17日から7月29日まで。TOB成立後、所定の手続きを経て、ファンケルの株式は上場廃止となる見込み。東京証券取引所はファンケルを監理銘柄(確認中)に指定した。
■コプロHD <7059> 1,655円 +90 円 (+5.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
コプロ・ホールディングス<7059>が7連騰。前週末14日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を60万株(発行済み株数の3.09%)、または8億円としており、取得期間は6月17日から8月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するために実施するという。
■INFORICH <9338> 3,685円 +105 円 (+2.9%) 本日終値
INFORICH<9338>が3日続伸した。SBI証券が前週末14日、インフォRについて、目標株価1万円で新規にカバレッジを開始した。投資判断は「買い」とする。スマートフォンの充電器貸し出しサービスを手掛ける同社について、先行者メリットが大きい事業のため実質的な参入障壁は高く、競争激化リスクは小さいと分析。現代社会で必要性の高いサービスであり、高成長が続くと想定する。同証券は26年12月期のインフォRの営業利益が47億7200万円になると予想する。
■リョー菱HD <167A> 3,070円 +71 円 (+2.4%) 本日終値
リョーサン菱洋ホールディングス<167A>が3日続伸。前週末14日の取引終了後、25年3月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、好材料視された。毎年3月31日時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて2000~6000円相当のギフト商品を贈呈する。
■江崎グリコ <2206> 4,206円 +39 円 (+0.9%) 本日終値
江崎グリコ<2206>はしっかり。午前11時30分ごろ、生産子会社グリコマニュファクチャリングジャパンの岐阜工場(岐阜県安八町)敷地内にある粉ミルク新工場を稼働させ、出荷を開始したと発表しており、好材料視された。新工場は、乳幼児用粉ミルク「アイクレオ」ブランドを生産する拠点で、最新設備での製造により、従来に比べて粉ミルクをお湯に溶かす際にダマになりにくく、溶けやすさを高めたという。これに伴い、「アイクレオ」ブランドの粉ミルク7品について、溶けるまでの平均撹拌時間を従来品と比べ半減した製品にリニューアルし、6月24日から全国で順次販売開始するとしている。
■ギフトホールディングス <9279> 2,626円 -350 円 (-11.8%) 一時ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率3位
ギフトホールディングス<9279>はストップ安の水準となる前営業日比500円安の2476円に売られる場面があった。同社は前週末14日の取引終了後、24年10月期第2四半期累計(23年11月~24年4月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想の修正を発表した。売上高予想を9億円増額して285億円(前期比24.0%増)、最終利益予想を2億1000万円増額して19億6000万円(同22.7%増)に上方修正した。ただ市場の期待する水準には届かず、物足りないと受け止めた投資家の売りが膨らんだようだ。同社はラーメン店「町田商店」を展開する。国内の直営店舗の売り上げが好調に推移し、第2四半期累計の業績が予想を上振れして着地することとなった。足もとの状況なども踏まえて、業績予想を見直したという。
■KADOKAWA <9468> 2,851.5円 -293.5 円 (-9.3%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
KADOKAWA<9468>が反落。14日、8日に発生したシステム障害の現状について発表した。出版事業で受注システムなどの停止により出荷数量が減少しているほか、Webサービス事業で「ニコニコ動画」など関連サービスの停止、MD事業で運営するオンラインショップの商品の受注不能などが発生。更に経理システムにも影響が及び、取引先への支払いに遅延が生じる可能性があるという。個人情報・クレジットカード情報などの漏洩は現時点で確認されていないとした。今後の見通しについて、6月末をメドに安全なネットワーク、サーバ環境の構築と基幹システムの復旧を目指す。「ニコニコ」の復旧は1カ月以上かかる見込みで、再開できるサービスから順次再開していくという。この発表を受け、業績への影響を懸念した売りが出ている。
■カゴメ <2811> 3,340円 -301 円 (-8.3%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
カゴメ<2811>が大幅反落。前週末14日の取引終了後、自社株の処分による652万1800株の売り出しと、オーバーアロットメントによる上限97万8200株の売り出しを実施すると発表しており、需給悪化を懸念した売りが出たようだ。売出価格は7月1~4日に決定する予定で、調達資金(上限)253億1890万円は、1月26日に実施した米インゴマー・パッキング社の株式追加取得に係るブリッジローンの返済原資の一部に充当する。あわせて、自社株48万株(発行済み株数の0.51%)を7月31日付で消却すると発表した。消却後の発行済み株数は9388万6944株となる。
■エイチ・アイ・エス <9603> 1,685円 -126 円 (-7.0%) 本日終値
エイチ・アイ・エス<9603>が大幅続落。前週末14日の取引終了後、24年10月期の連結業績予想について、売上高を3500億円から3600億円(前期比42.9%増)へ、営業利益を100億円から110億円(同7.9倍)へ上方修正したが、上期の営業利益の上振れ着地に対して下期営業利益を下方修正しており、これを嫌気した売りが出たようだ。下期において日本発海外旅行需要の回復に遅れがみられることが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(23年11月~24年4月)決算は、売上高1611億7300万円(前年同期比56.6%増)、営業利益57億5900万円(前年同期33億5800万円の赤字)となり、従来予想の営業利益33億円を大きく上回って着地した。日本における旅行事業で3、4月の積み上げが良化したことに加えて、海外旅行事業で特にヨーロッパ地域の業績が予想を上回ったことが牽引した。また、訪日旅行者が増加している日本でホテル事業の客室単価が上昇し収益性が向上したことも寄与した。
■日経レバ <1570> 27,120円 -1,115 円 (-4.0%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が1200円を超える急落をみせ、2万7000円大台を一気に割り込んだ。日経平均株価に連動するように組成されたETFで、全体相場のボラティリティが高まると個人投資家の参戦が活発化する傾向が強い。週明けの東京市場では先物主導の売り仕掛けによって日経平均株価が25日・75日移動平均線を一気に下放れるリスクオフの地合いとなっており、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定された日経レバはそれに輪をかけて下げ足を強めている。市場関係者は「欧州株全面安を嫌気しているとしても、米国で(リスクオフの流れは)止めたようにも見えた。とすれば、国内だが明確な売り材料が見当たらない。日銀の金融政策決定会合が玉虫色の内容だったことで、これを嫌気している可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)とする。
株探ニュース