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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

帝人 <日足> 「株探」多機能チャートより

■帝人 <3401>  1,519円 (-89円、-5.5%)

 帝人 <3401> [東証P]が3日ぶり急反落。SMBC日興証券が28日付で投資評価を「1」から「2」とし、目標株価を1850円から1600円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では従来、同社の構造改革やアラミドの成長に期待をして、投資評価を「1」としていたが、前者については想定より時間を要しており、仮に実行されたとしても、経営陣への評価が大きく変わる可能性は低下したと指摘。アラミドについては、価格下落により、同証券の従来想定に対して25年3月期の利益率が大幅に悪化する見通しとしている。

■三菱電 <6503>  2,698.5円 (-128.5円、-4.6%)

 三菱電機 <6503> [東証P]が大幅反落。29日午前11時ごろに発表した経営戦略に関する開示資料で、2025年度(26年3月期)に向けた中期経営計画の財務目標を下方修正した。営業利益率を10%から8%超(23年度実績は6.2%)へ、ROEを10%から9%(同8.2%)へ見直しており、これが売り材料視されたようだ。FAや空調の事業環境が足もとで大幅に悪化しており、24年度以降は回復基調も短期的には中期計画の想定水準には及ばないという。売上高目標については5兆円超とする従来想定を据え置いた。

■小林製薬 <4967>  5,401円 (-232円、-4.1%)

 小林製薬 <4967> [東証P]が大幅安で3日続落。同社の機能性表示食品による健康被害問題に関し、厚生労働省が28日、原因究明調査の途中経過を公表し、プベルル酸が動物実験で腎臓組織に毒性があることが確認されたほか、紅麹配合サプリメントからプベルル酸以外の2種の化合物が検出されたことを明らかにしたと伝わっている。同日に小林製薬は「のどぬ~るスプレー」やカイロ製品の値上げの実施を発表しているが、紅麹問題の動向を懸念した売りが優勢となったようだ。

■三菱重 <7011>  1,308円 (-49円、-3.6%)

 三菱重工業 <7011> [東証P]が続落。同社は28日、27年3月期を最終年度とする新たな3カ年の中期経営計画を発表した。27年3月期に本業のもうけを示す事業利益で4500億円以上を目標に掲げ、これは前期実績比で6割以上の伸びとなる。高効率の発電プラント(GTCC)のほか、原子力、防衛の3事業に力を注ぎ成長を目指す方針。ただ、中期計画の最終年度まで今期を含め3期あり、利益成長率としてはサプライズ感が乏しいという見方もある。同社は防衛省との取引額で群を抜いており、防衛関連の中核銘柄として株式市場の期待も強いだけにハードルも高く、目先持ち高調整の売りが優勢となったようだ。

■日本国土開発 <1887>  481円 (-18円、-3.6%)

 日本国土開発 <1887> [東証P]が続落。28日の取引終了後、24年5月期の連結業績予想について、売上高を1390億円から1350億円(前期比12.5%減)へ、営業損益を56億円の赤字から95億円の赤字(前の期44億8700万円の黒字)へ、最終損益を38億円の赤字から79億円の赤字(同32億9100万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。土木事業で、天候不順などにより大型工事の進捗に遅れが生じたことや新規工事の受注時期が遅れたことなどが要因。また、土木事業における特定大型造成現場や建築事業における不採算現場で、竣工が迫るなか工程遅延を回避するための突貫工事が発生し、予想以上の費用が発生したことも響いたとしている。

■旭化成 <3407>  1,028円 (-22円、-2.1%)

 旭化成 <3407> [東証P]が反落。28日の取引終了後、スウェーデンの製薬企業であるキャリディタス・セラピューティクス <CALT> を買収すると発表した。完全子会社化を目的に、1株208スウェーデン・クローネ(約3076円)で株式公開買い付け(TOB)を実施する。買付総額は約118億スウェーデン・クローネ(約1739億円)を見込む。株式市場ではヘルスケア領域での中期的な成長期待よりも、買収に伴う短期的な費用負担への懸念が上回る格好となったようだ。旭化成は買収によりヘルスケア領域で腎疾患および自己免疫疾患における販売体制を拡充するとともに、欧州と米国市場でのプレゼンスの確立を目指す。新たな医薬品や開発パイプラインの導入機会の拡大を狙う。

※29日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

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