【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、ドル買い継続も介入ゾーンに警戒
米ドル/円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより
29日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。強い米経済指標を背景に引き締め的政策の長期化が見込まれ、ドル買い基調は継続の見通し。ただ、157円台は日本の為替介入ゾーンとみられ、引き続き上値の重さが意識される。
前日発表された米国の消費者信頼感指数も予想外に強く、引き締め的な金融政策方針を後押し。連邦準備制度理事会(FRB)当局者による相次ぐタカ派的な見解で金利高・ドル高に振れ、ユーロ・ドルは1.0850ドル台に下げ、ドル・円は157円10銭台に浮上。本日アジア市場でドル買いは継続し、主要通貨は対ドルで下押しされる展開に。ドル・円は小じっかりだが、日本の為替介入ゾーンとみられる水準で上値が重い。
この後の海外市場は米金利にらみ。今週発表の1-3月期国内総生産(GDP)改定値は下方修正、コアPCE価格指数は高止まりが予想され、経済指標を見極める展開に。FRB議長は一段の利上げに慎重だが、他の当局者は引き締めの必要性を主張しており、早期利下げ観測はさらに後退。一方、ドル・円は157円台で日本の為替に警戒感が広がりやすくドル買い・円売りは小幅にとどまる。日米金利差も上げ渋る展開が続くとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・4月マネーサプライM3(前年比予想:+1.3%、3月:+0.9%)
・21:00 独・5月消費者物価指数速報値(前年比予想:+2.4%、4月:+2.2%)
・23:00 米・5月リッチモンド連銀製造業指数(予想:-6、4月:-7)
・02:00 米財務省・7年債入札
・02:45 ウィリアムズNY連銀総裁討論会参加
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
《CS》
提供:フィスコ