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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日本株まだ好転せず、燻る需給懸念」

株式評論家 富田隆弥

◆22日(日本時間23日早朝)、世界が注目した米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算は、ご承知の通り、またも市場の期待を上回るものだった。2-4月期の売上高が前年同期比3.6倍、純利益は同7.3倍の148億8100万ドル(約2兆3300億円)というのだから、想像を絶する好調ぶりだ。それだけ、いま世界の関心は「AI(人工知能)」「データセンター」「半導体」に集中しており、この流れはまだしばらく続くということだろう。

◆23日にエヌビディアの株価は、大きく窓を空けて1000ドルの大台に乗せた。目先的にはスピード調整を挟む可能性はあるが、3月に900ドル台で描いたダブルトップを突破したチャートは、新たな展開に移行したことを強く予感させる。

◆さて、日本株だが、23日は半導体関連株が上昇して、日経平均株価も486円高の3万9103円と3日ぶりに反発した。この調子で3月につけた史上最高値の4万1087円奪回に向かうことを期待したいところだが、5月20日に付けた戻り高値の3万9437円を抜けずにいる。日足チャートが好転を確認するには、4月12日高値の3万9774円突破が必要だ。

◆個別株に目を向けると、このところ値下がりが目立ち、騰落レシオは22日に92.94%まで軟化した。早急に100%(値上がりと値下がりが同数)を回復しないと、4兆6837億円(5月17日申し込み時点)と高水準にある信用買い残の採算がジワジワと悪化してくる。信用買い残の評価損益率は17日時点で-6.44%と、3月22日時点の-2.55%から悪化傾向にある。

◆4月安値から回復途上にある東京市場に需給懸念が忍び寄っているということだ。それを払拭するためにも、日経平均株価には早く4万円大台を回復してほしいところだが、逆に軟調が続くと二段下げに向かうリスクが生じてくる。どちらに動くかは「相場に聞く」ことになる。投資家としてはどちらに振れても良いように心構えをしておきたい。

(5月23日 記、次回更新は6月1日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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