【市況】株価指数先物【引け後】 25日線突破を意識したロングを誘う可能性
大阪6月限
日経225先物 38240 +200 (+0.52%)
TOPIX先物 2729.0 +19.5 (+0.71%)
日経225先物(6月限)は前日比200円高の3万8240円で取引を終了。寄り付きは3万8450円と、シカゴ日経平均先物の清算値(3万8435円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。その後はロングが強まり、前場中盤にかけて3万8770円まで買われた。ただし、前場中盤以降は急速に軟化。いったんは3万8300円辺りで強弱感が対立する動きとなったが、前場終盤にかけてロングを解消する動きが強まり、前場引け直後には3万8130円まで上げ幅を縮めた。前場の急伸後の失速で短期的なトレードは一巡したとみられ、後場は3万8130円~3万8300円辺りで保ち合い、3万8240円で取引を終えた。
5月限オプションSQ(特別清算指数算出)に絡んだ商いが買い越しだった需給面の影響もあった。SQ値は3万8509.47円と節目の3万8500円を上回った。日経平均株価は寄り付き後ほどなくして3万8500円を回復しSQ値を上回ったことで、ショートカバーが強まったようだ。さらに、日経225先物は抵抗線として機能していた25日移動平均線(3万8550円)を上回ったことで、ショートカバーに勢いが増し、一気にオプション権利行使価格の3万8750円を超える場面もあった。
ただし、前場中盤には25日線での攻防となり、これをキープできなかったことで、その後の持ち高調整の動きが強まった。後場は東京エレクトロン <8035> [東証P]の決算を見極めたいとのムードも強まりやすく、膠着感の強い展開となった。
なお、取引終了後に発表した東エレクの2024年3月期業績は、営業利益が予想を上回る着地となった。また、配当の増額修正のほか、自社株買いを発表した。今期見通しはコンセンサス水準でサプライズはないものの、今週は決算警戒により弱い値動きだったこともあり、アク抜けが意識されそうだ。
指数インパクトの大きい東エレクがリバウンドをみせてくるようだと、日経225先物は75日線辺りを支持線に、3万8500円辺りまで下がってきた25日線突破を意識したロングを誘う可能性がありそうだ。
25日、75日線とのカイ離が縮小し、両線を挟んだ値動きを続けている日経225先物は煮詰まり感が意識されている。来週は前半で決算発表が一巡することもあり、トレンドが出やすくなるだろう。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.01倍に低下した。14.09倍まで上昇する場面も見られたが、その後はNTショートが入りやすい需給状況となり、一時13.99倍と14.00倍を下回った。14.00倍割れで、いったんはNTショートを巻き戻す動きが入りやすいほか、東エレクが切り返すようだと、NTロングを組成する動きもみられそうだ。
手口面(立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万1395枚、ソシエテジェネラル証券が1万8814枚、サスケハナ・ホンコンが6824枚、SBI証券が5289枚、バークレイズ証券が3080枚、日産証券が2819枚、JPモルガン証券が2623枚、野村証券が1805枚、auカブコム証券が1437枚、ビーオブエー証券が1405枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万3646枚、ソシエテジェネラル証券が1万8747枚、JPモルガン証券が5219枚、バークレイズ証券が3870枚、モルガンMUFG証券が3865枚、ビーオブエー証券が3423枚、サスケハナ・ホンコンが3322枚、野村証券が2491枚、ゴールドマン証券が2288枚、シティグループ証券が1358枚だった。
株探ニュース