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【市況】株価指数先物【寄り前】 3万8000円から-1σを意識したロング対応に


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 37960 +410 (+1.09%)
TOPIX先物 2682.0 +18.0 (+0.67%)
シカゴ日経平均先物 37915 +365
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 23日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。4月のS&P購買担当者景気指数(PMI)は、総合指数が前月比1.2ポイント低下の50.9だった。昨年8月以来の大幅低下となり、インフレ再加速への懸念を高めなかったことで米長期金利の上昇が一服し、値頃感から買いが入った。また、中東情勢を巡る過度な警戒感が和らぐなか、幅広い銘柄に買いが入った。S&P500業種別指数は素材、食品・生活必需品小売の2セクターが下落した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディア、電気通信サービス、医薬品・バイオテクノロジーの上昇が目立った。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比365円高の3万7915円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円高の3万7580円で始まり、その後は3万7530円~3万7690円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にレンジを上放れると、一気に3万7900円を回復した。その後も3万7850円~3万7960円辺りでの高値保ち合いが続き、3万7960円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い先行で始まりそうだ。日経225先物は前日の日中取引で上値を抑えられていた75日移動平均線(3万7890円)を突破してきたことで、節目の3万8000円からボリンジャーバンドの-1σ(3万8240円)辺りが目先的なターゲットとして意識されてきそうだ。米国市場は経済指標の結果に振られやすい状況であり、楽観視はできないものの、ロング優勢の展開が期待されよう。

 また、エヌビディア<NVDA>やマイクロン・テクノロジー<MU>が続伸し、前週末の下落分を埋める動きを見せてきたほか、マイクロソフト<MSFT>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アップル<AAPL>など大型テック株も買われている。足もとで弱い値動きが続いている東京エレクトロン <8035> [東証P]など、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。

 そのほか、取引終了後にテスラ<TSLA>が発表した2024年1-3月期決算は、市場予想を下回る内容だったが、時間外取引では10%ほど上昇する場面もみられており、アク抜け期待に向かわせそうである。国内ではニデック <6594> [東証P]が昨夕発表した2025年3月期予想は増収増益を見込むものの、市場予想には届かなかった。ただし、PTS(私設取引)での初動は4%ほど下落していたが、その後下落幅を縮めていた。ADR(米預託証券)では0.7%ほどの下げにとどまっており、アク抜けにつながりそうだ。

 もっとも、本格化する決算を迎えるなかでは、積極的なロングの動きは限られる可能性もある。75日線での攻防から、節目の3万8000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。為替介入への思惑なども積極的な売買を手控えさせる要因となるため、リバウンドを意識しつつも、スキャルピング中心のトレードとなりそうだ。

 そのため、オプション権利行使価格の3万8000円を中心とした上下の権利行使価格3万7750円から3万8250円辺りのレンジを想定する。75日線を下回る水準では、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 23日のVIX指数は15.69(前日は16.94)に低下した。+1σを割り込み、25日線が位置する15.33に接近してきたことで、リスク回避姿勢は後退した。調整一巡感が意識されやすいところだが、25日線を割り込んでくるようだと、ショートカバーを強めてくる展開になりそうだ。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.09倍(前日は14.05倍)に上昇した。前日に一時13.97倍まで低下し、1月に付けた安値の13.91倍に接近したこともあり、いったんはリバランスが入りやすいところであった。ただし、NTショートを巻き戻す動きは強まっていない。米ハイテク株が買われ、日経平均型優位の展開が見込まれるが、200日線が位置する14.17倍辺りを意識したトレンドをみせられないと、NTショートに振れやすい需給状況が続く可能性がある。

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