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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 4月21日版

本年の日経平均は5月に上昇する公算か
1. 4月に日経平均が大きく下げた年の5月の展開
 図1は、4月と5月の 日経平均株価の値動きです。「〇」は月足が陽線引けした年、「●」は月足が陰線引けした年になります。
 「上昇幅」は始値から高値までの値幅、「下降幅」が始値から安値までの値幅です。上昇幅が短く、下降幅が長い年は、月初の値位置からあまり上昇せずに、積極的に下げる動きが表れていることを示しています。
図1 日経平均株価の4月と5月の値動き
【タイトル】
 1990年から2023年の期間で、上昇幅が短く、下降幅の長くなっている年は、1990年、1992年、1998年、2000年、2005年、2014年、2016年、2021年、2022年が挙げられます。
 上げやすい4月に上値を抑えられる動きになる年は、「年初から積極的に上昇し、4月を前にその時点での上値の重い場所を確認する作業を経過して、4月の価格が下げている」、「年間の強弱にかかわらず、価格が下げにくい1月から4月の時期に積極的な下げの流れを作っている。そのような年は、3月頃まで期間で、その時点での下値の限界を試す動きになる傾向があるので、その弱さを引きずる格好で、4月が大きく下げる」というパターンのどちらかになっています。
 本年は、1月から4月の期間で大きく上昇して、3月22日の高値4万1087円が戻り高値となって下げの流れへ入っているので、前者のパターンとなっています。1998年、2000年、2005年、2021年が前者のパターンです。
 1998年は、3月上旬頃までに上値の重さを確認した後、6月頃までジグザグに戻せば売られる動きを経過して、1月の安値水準まで下げる動きになっています。
 2000年は、4月中旬に戻り高値をつけた後、5月中旬頃までの期間で一気に下げる動きとなっています。
 2005年は、3月上旬頃までに上値の重さを確認して、4月にそれまでの上げ分の全てを押し戻す下げを経過して、4月下旬から5月中旬にかけて下値を確認する作業を経過しています。
 2021年は、2月中旬頃に戻り高値をつけた後、8月下旬頃までの期間でジグザグに戻せば売られる展開を経過して、1月の安値以下へ下げています。
 過去の経験則を考慮すると、今後は4月中、または5月中旬頃までの期間で一気に下値の目安になる地点まで下げるか、ジグザグに長く下降を継続する展開になるかのどちらかになると推測できます。
 なお、4月に大きく下げた9回の中で、5月の月足が陰線引けしている年は2000年と2021年の2回しかありません。その他の年は、5月の月足が陽線引けしています。
 2000年と2021年は、5月が月初に大きく下げてすぐに値を戻す動きになりますが、月初の下げ分が大きく、結果として月足が陰線で引けています。
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