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【注目】ボルティモアの橋に衝突したコンテナ船、過去にもトラブル

 ボルティモアの大型連絡橋に衝突し橋を崩落させたコンテナ船は、過去にもトラブルを起こしていた。衝突事故が過去にも1度あり、推進装置関連の不安も抱えていたという。コンテナ船「ダリ号」がボルティモアの「フランシス・スコット・キー・ブリッジ」に衝突した理由はまだ明らかになっていないが、ビデオ映像によると衝突直前にダリ号のほぼ全ての照明が消えていた。

 米東海岸で有数の混み合う港で起きた今回の事故により海上運送は混乱し、ボルティモアを取り囲むように走る主要環状道路が切断されたため陸上交通にも支障が出ている。

 2015年に建造されたダリ号は、翌年にベルギー・アントワープ港で錨を揚げて出港に向けて動き出したところで停泊地の岸壁に激突。船尾部分が損傷したが、沈没は免れた。船はその後に修理された。

 同船は機械面の懸念も指摘されていた。安全な航海を推進する公益財団・東京MOUによると、ダリ号はチリのサンアントニオで昨年6月に定期安全検査を受けた際、推進装置と補助機械の計器や検温器の一部に問題が見つかった。ただ、この問題で運航が停止されることはなく、問題の具体的な内容も明らかにされていない。

 シンガポール政府は発表文で、ボルティモアでの事故当時にダリ号の構造や機器機能に問題がなかったことを記録や法定上の証明書が示していると主張。船は昨年6月と9月にも、出港前に燃料圧力計の不具合を修理したことがあったが、別々の外国港の検査に合格したという。

 ダリ号はシンガポールのシナジー・マリンが管理・運航し、事故当時はデンマークの海運大手APモラー・マースクがチャーターしていた。

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