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【市況】重要イベントを前にリバランスの動き/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 15日の日本株市場は、売り一巡後は底堅さが意識されそうだ。14日の米国市場は、NYダウが137ドル安、ナスダックは49ポイント安だった。2月の卸売物価指数(PPI)が予想を上回り、インフレ長期化が示唆されたため、利下げ期待が後退した。また、小売企業の決算から消費鈍化を懸念した売りも上値を抑制。さらに、米長期金利の上昇が重荷となり、エヌビディアなど人工知能(AI)関連セクターの利益確定売りが続き、終日軟調となった。シカゴ日経225先物(6月限)清算値は大阪比300円安の38290円、円相場は1ドル148円30銭台で推移している。

 日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まりそうだ。ただし、予想を上回ったPPIの結果については、予想されていたため、売り一巡後は押し目待ち狙いの買いが入りやすい面はありそうだ。エヌビディアなど半導体株が売られたことで、東エレク<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となりそうだが、円相場は1ドル=148円台前半で推移するなか、輸出関連には買いが向かいやすいだろう。

 また、日経225先物はナイトセッションで一時38080円まで下げたものの、引き続き38000円接近での底堅さがみられていた。来週のFOMCのほか、日銀の金融政策決定会合ではマイナス金利解除を議論するとみられるが、積極的な売買は手控えられやすいだろう。ただし、日経平均株価は週初に大きく下落するなか、金利差縮小を想定した先回り的な動きも入ったと考えられる。来週の重要イベントを前に、いったんリバランスの動きをみせてくる可能性もあるため、ショートカバーに向かわせる場面もあるだろう。

 そのため、売り一巡後は押し目待ち狙いの買いも意識されるなか、全体としては底堅さがみられそうだ。物色の流れとしては、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の売り一巡後の底堅さを見極めつつ、為替の落ち着きから輸出関連への資金流入。また、商品相場が上昇していることから、昨日上昇が目立っていた資源株などへの物色も意識されそうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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