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【特集】割安成長株、高配当と値上がり益の"いいとこ取り"作戦で資産4倍化に貢献
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 浅川夏樹さんの場合-第1回
■浅川夏樹さん(仮名・50代・女性)のプロフィール:
銀座高級クラブのホステスなどを経て、現在はお茶屋バーを経営する兼業投資家。主な投資対象は日本株で、配当重視の長期投資を軸に4億円を運用している。元々は国内外の株式や債券に幅広く投資をしてきたが、人生設計の変化などを踏まえ2010年代に現在の日本株中心の戦略へとシフトした。著書に『夜の銀座の資本論』(中央公論新社)、『ETF 世界を舞台にした金融商品』(パンローリング)などがある。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
銀座ホステス時代に国内外の株式や債券に投資をしていた浅川夏樹さん(仮名)は現在、銀座でバー経営をしながら日本株を主力に運用している。
日本株の比重を強めた主な理由は、海外生活を諦めて日本に根を下ろし、円資産を増やすことにしたため。株式を中心とした運用資産は2022年夏に1億円を突破し、足元では4倍の4億円に膨らんでいる。これに投資用不動産の1億円を加えた5億円が、現在の投資資産になる。
株式の資産拡大をもたらした基本戦略は、
コアでは、配当重視の中小型・割安成長株への投資
サテライトでは、キャピタルゲイン重視のイベント・テーマ投資
――になる。これらを2回に分けて紹介する。1回目はコアの配当重視の戦略を見ていく。
拡大の原動力は、マンション販売のLAホールディングス
コア戦略で配当のある中小型・割安成長株をターゲットにするのは、いいとこ取りを狙うため。株価の下値リスクと減配リスクを抑えながら、業績の成長による株価と配当の伸びを長期目線で期待している。
この戦略で、最近の資産拡大に最も貢献した銘柄は、新築・中古マンション販売のLAホールディングス<2986>だ。
5年ほど前に取得を開始してから、足元では6万2500株を保有する。時価評価額は3億円ほどになり、投資資産ポートフォリオの60%程度を占めている。足元の株価4470円は、取得単価の2倍近い水準だ。
■LAHDの月足チャート(2018年8月~)
■浅川さんの投資資産のポートフォリオ
浅川さんがLAHD株を買い増してきたのは、まずはほぼ右肩上がりで伸びてきた売上高の実績がある。今期計画(2024年12月期)の330億円を達成すれば、6期連続で過去最高を更新することになる。
収益性も高く、売上高営業利益率は17%を計画し、同業他社の日本エスコン<8892>の15%、サムティ<3244>の10%、コスモスイニシア<8844>の5%を上回る。
またLAHDの今期予想ROE(自己資本利益率)は23%と、コスモスイニシアの9%を上回っている。
浅川さんが重視する配当も、今期のLAHDは8期連続の増配となる1株220円を予定。配当性向は20年12月期から30%以上で推移している。
足元の配当利回りは5%に迫る水準だが、浅川さんの購入価格では8%台で、直近1年間の配当収入は1250万円に上る。
■LAHDの売上高と1株当たり配当金、売上高営業利益率、ROEの推移
割安水準で買い進める
株を取得する際は、割安になっているタイミングを狙う。浅川さんが判断基準としているのは、無料サイトが公開している理論株価のレンジだ。
そのサイトでは、実績BPS(1株当たり純資産)と直近75日間のPBR(株価純資産倍率)の推移を用いた統計処理によって、株価の上値と下値のメドを算定している。
浅川さんがBPSないしPBRを利用するのは、純資産を用いることから基本的に算出不能に陥りにくいことがある。PER(株価収益率)の場合、利益予想の未公表や赤字転落などで計算できなくなり、長期で水準を比較するのに向かないと考えている。
浅川さんの取得単価は2460円。これは足元の株価の半値に近い水準で、大きな含み益をもたらしている。そうなっているのは、BPSを基にした安値付近やコロナショックで一時的に大きく下落した際に買い進めたことが奏効した。
"一極集中"の配分をすぐに見直さない理由
LAHDの運用額がポートフォリオの6割程度と一極集中の状態となってしまっていることは、浅川さんも意識している。
だが、現時点ではリバランス(資産配分の調整)に、直ちに取り掛かる予定はない。同社の業績成長および増配、そして株価の上昇は「当面は堅い」と見ているためだ。そう考えるポイントは3つある。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
LAHD<2986> |
取材・文/真弓重孝、高山英聖(株探編集部)
イラスト:福島由恵
銀座高級クラブのホステスなどを経て、現在はお茶屋バーを経営する兼業投資家。主な投資対象は日本株で、配当重視の長期投資を軸に4億円を運用している。元々は国内外の株式や債券に幅広く投資をしてきたが、人生設計の変化などを踏まえ2010年代に現在の日本株中心の戦略へとシフトした。著書に『夜の銀座の資本論』(中央公論新社)、『ETF 世界を舞台にした金融商品』(パンローリング)などがある。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
銀座ホステス時代に国内外の株式や債券に投資をしていた浅川夏樹さん(仮名)は現在、銀座でバー経営をしながら日本株を主力に運用している。
日本株の比重を強めた主な理由は、海外生活を諦めて日本に根を下ろし、円資産を増やすことにしたため。株式を中心とした運用資産は2022年夏に1億円を突破し、足元では4倍の4億円に膨らんでいる。これに投資用不動産の1億円を加えた5億円が、現在の投資資産になる。
株式の資産拡大をもたらした基本戦略は、
コアでは、配当重視の中小型・割安成長株への投資
サテライトでは、キャピタルゲイン重視のイベント・テーマ投資
――になる。これらを2回に分けて紹介する。1回目はコアの配当重視の戦略を見ていく。
拡大の原動力は、マンション販売のLAホールディングス
コア戦略で配当のある中小型・割安成長株をターゲットにするのは、いいとこ取りを狙うため。株価の下値リスクと減配リスクを抑えながら、業績の成長による株価と配当の伸びを長期目線で期待している。
この戦略で、最近の資産拡大に最も貢献した銘柄は、新築・中古マンション販売のLAホールディングス<2986>だ。
5年ほど前に取得を開始してから、足元では6万2500株を保有する。時価評価額は3億円ほどになり、投資資産ポートフォリオの60%程度を占めている。足元の株価4470円は、取得単価の2倍近い水準だ。
■LAHDの月足チャート(2018年8月~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
■浅川さんの投資資産のポートフォリオ
浅川さんがLAHD株を買い増してきたのは、まずはほぼ右肩上がりで伸びてきた売上高の実績がある。今期計画(2024年12月期)の330億円を達成すれば、6期連続で過去最高を更新することになる。
収益性も高く、売上高営業利益率は17%を計画し、同業他社の日本エスコン<8892>の15%、サムティ<3244>の10%、コスモスイニシア<8844>の5%を上回る。
またLAHDの今期予想ROE(自己資本利益率)は23%と、コスモスイニシアの9%を上回っている。
浅川さんが重視する配当も、今期のLAHDは8期連続の増配となる1株220円を予定。配当性向は20年12月期から30%以上で推移している。
足元の配当利回りは5%に迫る水準だが、浅川さんの購入価格では8%台で、直近1年間の配当収入は1250万円に上る。
■LAHDの売上高と1株当たり配当金、売上高営業利益率、ROEの推移
割安水準で買い進める
株を取得する際は、割安になっているタイミングを狙う。浅川さんが判断基準としているのは、無料サイトが公開している理論株価のレンジだ。
そのサイトでは、実績BPS(1株当たり純資産)と直近75日間のPBR(株価純資産倍率)の推移を用いた統計処理によって、株価の上値と下値のメドを算定している。
浅川さんがBPSないしPBRを利用するのは、純資産を用いることから基本的に算出不能に陥りにくいことがある。PER(株価収益率)の場合、利益予想の未公表や赤字転落などで計算できなくなり、長期で水準を比較するのに向かないと考えている。
浅川さんの取得単価は2460円。これは足元の株価の半値に近い水準で、大きな含み益をもたらしている。そうなっているのは、BPSを基にした安値付近やコロナショックで一時的に大きく下落した際に買い進めたことが奏効した。
"一極集中"の配分をすぐに見直さない理由
LAHDの運用額がポートフォリオの6割程度と一極集中の状態となってしまっていることは、浅川さんも意識している。
だが、現時点ではリバランス(資産配分の調整)に、直ちに取り掛かる予定はない。同社の業績成長および増配、そして株価の上昇は「当面は堅い」と見ているためだ。そう考えるポイントは3つある。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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