【市況】後場に注目すべき3つのポイント~半導体株弱いも内需株しっかりで底堅い展開に
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反落、半導体株弱いも内需株しっかりで底堅い展開に
・ドル・円は上げ渋り、150円を挟んだ水準で推移
・値下り寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は反落、半導体株弱いも内需株しっかりで底堅い展開に
日経平均は反落。前営業日比121.65円安(-0.32%)の38365.59円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。
16日の米国市場は反落。ダウ平均は145.13ドル安(-0.37%)の38627.99ドル、ナスダックは130.52ポイント安(-0.82%)の15775.66で、S&P500は24.16ポイント安(-0.48%)の5005.57で取引を終了した。1月生産者物価指数(PPI)が消費者物価指数(CPI)に続き予想を上回ったため、インフレ長期化が警戒され、寄り付き後は下落。その後、2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受けて次の行動が利下げであることを確認し相場は下げ止まった。ただ、長期金利の上昇が引き続き重しとなり、上値を抑制しマイナス圏で終了。
米国株安を受けて、東京市場はやや売り優勢で取引を開始した。寄付き後の日経平均は切り返す場面も見られたが、値がさ半導体銘柄の一角が売られたことから前営業日比マイナス圏での推移となった。ただ、先週末同様、金融や建設など内需関連銘柄がしっかりとした動きを見せたことで、日経平均は下げ渋る展開に。押し目買いや出遅れ銘柄への物色が入り、日経平均は38300円台で前場の取引を終えた。
日経平均採用銘柄では、家庭用ゲーム機の「ニンテンドースイッチ」の後継機が25年1-3月期に後ずれすると報じられた任天堂<7974>が大幅続落。また、アドバンテスト<6857>、スクリーンHD<7735>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、東エレク<8035>など半導体関連も弱い。このほか、荏原製作所<6361>、ミネベアミツミ<6479>、ブリヂストン<5108>が売られた。
一方、インドで日本車販売網を構築と報じられた三菱商事<8058>が買われたほか、昨年来安値からのテクニカルリバウンドなどであおぞら銀行<8304>も上昇。また、H3ロケットの打ち上げ成功が材料視されて三菱重<7011>も買われた。このほか、大林組<1802>、横浜ゴム<5101>、清水建設<1803>が上昇。
セクターでは、その他製品、ゴム製品、電気機器、空運業、不動産業が下落した一方、水産・農林業、卸売業、鉱業、その他金融業、鉄鋼などが上昇した。
後場の東京市場は、米国市場の休場を受けて売買代金は伸び悩むと想定する。取引再開した上海総合指数がプラス圏で推移していることから、アジア市場に対する過度な警戒感は後退か。東証プライム市場の6割ほどの銘柄が上昇しており、TOPIXは前営業日比プラス圏で推移するなど東京市場はしっかり。後場の日経平均は引き続き底堅く推移し、38300円から38400円ほどの狭いレンジでのもみ合いとなりそうだ。
■ドル・円は上げ渋り、150円を挟んだ水準で推移
19日午前の東京市場でドル・円は上げ渋り。150円28銭から149円88銭まで弱含み。149円80銭以下には顧客筋などからのドル買い注文が入っているが、150円50銭以上には顧客筋などのドル売り注文が残されており、ドル・円は150円を挟んだ水準での取引がしばらく続く可能性が高いとみられる。
ここまでの取引レンジは149円88銭-150円28銭、ユーロ・ドルは上げ渋り。1.0773ドル-1.0789ドルで推移。ユーロ・円は上げ渋り。161円92銭から161円61銭の範囲内で推移。
■後場のチェック銘柄
・フォーサイド<2330>、セック<3741>など、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップはアドバンテスト<6857>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・12月コア機械受注:前月比+2.7%(予想:+2.7%、11月:-4.9%)
【要人発言】
・林官房長官
「経済復興支援会議でウクライナ支援の国際機運盛り上げる」
<国内>
特になし
<海外>
・米国休場(プレジデンツデー)
《CS》
提供:フィスコ