【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:さくらネット、プロネクサス、レーザーテク
さくらネット <日足> 「株探」多機能チャートより
さくらインターネット<3778>が強烈な上昇波動を形成、株価は7連騰を記録しているが、日々の上げ幅の大きさが際立っており、きょうは700円高はストップ高となる4295円まで駆け上がる場面があった。経済産業省からクラウド基盤の整備を目的とした「クラウドプログラム」の供給確保計画で認定を受け、生成AI開発の基盤づくりで活躍が期待されている。政府クラウドを巡っても、デジタル庁が新しい提供事業者として同社を選定したことで、株式市場でもにわかに注目度が高まった経緯がある。更に、米国株市場で生成AI関連のシンボルストックとなっている半導体大手エヌビディア<NVDA>が、データセンター向けGPUの供給でさくらネットと連携する方針を示しており、さくらネットの今後の業容拡大への期待が投資マネーを呼び込んでいる。市場では「半導体関連株に続いてAI関連株にも短期資金が流れ込んでいる。同社株はその象徴で(今の株価は)ファンダメンタルズからは説明がつきにくいが、モメンタム重視の買いに弾みがついた状態」(ネット証券マーケットアナリスト)という。直近信用倍率は1.56倍と買い長ながら取組妙味が意識され、日証金では貸借倍率0.45倍と逆日歩こそついていないものの貸株が融資を大きく上回る状況にある。
■プロネクサス <7893> 1,379円 +123 円 (+9.8%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
プロネクサス<7893>やTAKARA & COMPANY<7921>が急反発している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「東京証券取引所は2025年3月からプライム市場に上場する全約1600社に重要情報の英文開示を義務づける」と報じられたことを受けて、上場企業向けディスクロージャーを手掛ける両社が関連銘柄として物色されているようだ。記事によると、まず決算情報などを対象とし、日本文と英文の同時開示を求めるという。海外投資家が判断しやすい環境を整えるのが狙いとしており、両社のほか翻訳事業大手の翻訳センター<2483>、自動翻訳サービスのメタリアル<6182>なども買われている。
■レーザーテック <6920> 36,130円 +1,430 円 (+4.1%) 11:30現在
レーザーテック<6920>が買い優勢。ここ上値の重い展開ながら右肩上がりの25日移動平均線に沿った底堅い動きをみせていたが、足もとで再浮上の兆しをみせている。前日の米国株市場ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>がバークレイズの目標株価引き上げを受け大幅高に買われたほか、エヌビディア<NVDA>など半導体主力株が高く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇、終値で昨年末以来となる4100台を回復した。これを受けて東京市場でも半導体製造装置関連株全般に買いを誘導している。そのなか、売買代金で常に群を抜く同社株は個人投資家の注目度も高く、直近16日付でモルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断をオーバーウェイトで新規カバレッジしていることも買い人気を後押ししている。
■サワイGHD <4887> 5,644円 +222 円 (+4.1%) 11:30現在
サワイグループホールディングス<4887>が急伸。2020年6月以来の高値圏で推移している。17日の取引開始前に、事業ポートフォリオと資本政策の見直しに関して発表。これを好感した資金が流入し、ショートカバーを誘発したようだ。同社はPBR(株価純資産倍率)がプライム市場平均に達していない状況が続いていることを踏まえ、収益力が資本コストを下回る状況にある米国事業から原則的に撤退し、収益力向上が期待できる国内ジェネリック事業への優先投資を行う方針を示した。政策投資株式の半減に向けた取り組みと旧本社・大阪工場跡地など遊休資産の売却も進める。株主還元と配当方針については、毎期の連結業績などを総合的に勘案しながら、配当性向30%をメドとする新たな方針を加えた。あわせてサワイGHDは、米国事業の持ち株会社であるSawai America Holdings(SAH)の全株式と、その傘下企業の持ち分を、SAHが80%出資するSawai America(SAL)の共同出資者である住友商事<8053>のグループ会社と、Bora Pharmaceutical Holdingsに売却すると公表した。サワイGHDは持ち分の売却代金約227億円とともに、アーンアウト条件達成時の11億円を受け取る予定。加えて57億円相当をSALが100%出資するUpsher-Smith Laboratoriesから配当または自己株式の取得により受領する。
■トヨタ自動車 <7203> 2,889円 +34.5 円 (+1.2%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>は上値追いに弾みがつき、昨年9月20日につけた上場来高値2911円50銭を約4カ月ぶりに更新した。足もと外国為替市場では1ドル=147円台前半まで一段と円安が進行しており、同社株を筆頭に為替感応度が高い自動車株には追い風が強い。同社の24年3月期通期想定レートは1ドル=141円で実勢よりも6円以上円高で設定されており、輸出採算改善による収益押し上げ効果が期待できる状況にある。トヨタは対ドル1円の円安で営業利益が約450億円上乗せされると試算されており、期末が近いとはいえここにきての円安進行で業績上振れに対する思惑が醸成されている。
■日本郵船 <9101> 5,092円 +50 円 (+1.0%) 11:30現在
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手海運株が売り物をこなし上値指向を継続、昨年来高値圏で頑強な値動きを続けている。ここ中東の地政学リスクが海運市況にも影響を与えており、運賃上昇の思惑が海運株が買われる背景となっている。そうしたなか、郵船が16日にイエメン沖の緊迫化を受け、紅海を経由するすべての船舶の航行を一時的に停止したことを明らかにしたと伝わった。安全な海域で待機し、航路変更を検討していることが報じられており、これによる一段の運賃上昇の可能性が意識され、海運セクターの株価押し上げ要因となっている。
■TDK <6762> 7,143円 +11 円 (+0.2%) 11:30現在
TDK<6762>が反発している。同社は16日、車載A2B用アプリケーションに使用される積層工法のインダクタ(コイル)「KLZ2012-Aシリーズ」を開発し、1月から量産を開始したと発表しており、好材料視されている。A2B(オートモーティブ・オーディオ・バス)とは、アナログ・デバイセズ<ADI>が開発した車載インフォテインメント(情報+娯楽)のオーディオ用ハーネスの軽量化(低燃費化)・低コスト化を目的に開発された新技術。今回開発された「KLZ2012-Aシリーズ」は、高温環境下でのアプリケーションを考慮し150度での動作環境に対応したのが特徴で、更に外部電極の導電性樹脂で機械的ストレスと熱衝撃に対する耐性を向上させたという。同社では当初月産500万個を予定しているという。
■ヤマエGHD <7130> 3,635円 -620 円 (-14.6%) 11:30現在 東証プライム 下落率2位
ヤマエグループホールディングス<7130>がウリ気配スタート。16日の取引終了後に公募増資の実施を発表した。1株利益の希薄化や株式の短期的な流動性悪化を懸念した売りが出たようだ。新たに400万株を発行する。発行価格は24日から29日までのいずれかの日に決める。需給状況に応じ上限60万株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う予定。同社は手取り概算で最大約168億円を調達し、コンフェックスホールディングスの子会社化に関する借入金の一部返済資金や、設備投資資金の一部に充当する予定。
■ホギメディカル <3593> 3,345円 -160 円 (-4.6%) 11:30現在 東証プライム 下落率10位
ホギメディカル<3593>は大幅続落している。16日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を408億9000万円から392億円(前期比0.6%増)へ、営業利益を47億2000万円から40億4000万円(同39.1%減)へ下方修正したことが嫌気されている。従来予想では事業環境が概ね回復基調に推移し、新規販売が拡大するとの前提で計画していたものの、第3四半期までの実績でキット製品の販売数量が想定を下回っていることから売上高予想を減額した。また、売り上げ不足による工場の稼働不足や円安の影響などにより、第3四半期時点で売上原価が予想を上回ったことも響くとしている。なお、第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高297億5400万円(前年同期比0.7%増)、営業利益34億8700万円(同31.1%減)だった。
■アミタホールディングス <2195> 644円 +100 円 (+18.4%) ストップ高 11:30現在
アミタホールディングス<2195>がストップ高の水準となる前営業日比100円高の644円に買われた。同社が代表幹事を務めるジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ(J-CEP)において、プロジェクトメンバーとして参画していた2つの実証が完了したと16日に発表した。実証結果を通じ、同社のコミュニティー型資源回収ステーション「MEGURU STATION」がプラスチック資源循環モデルの構築に寄与することが明らかとなったといい、手掛かり視されたようだ。実証のうち1つ目は、異物や汚れの少ないペットボトルキャップを確保する回収・再生スキームの構築を目的としたもので、市民協力によってリサイクル工程の環境負荷の低減とコスト低減、再生材としての品質担保が示されたという。2つ目は、欧州で導入が進むデジタル製品パスポート(DPP)の対応に向け、トレーサビリティーシステムの体験利用を通じて課題の把握を目指す実証で、原材料調達や再生材含有率などを可視化することで、品質保証が可能になり、「MEGURU STATION」で回収したプラスチック資源の産業活用の促進につながるといった知見を得られたとしている。
■松尾電機 <6969> 651円 +100 円 (+18.2%) ストップ高 11:30現在
松尾電機<6969>が急反発しストップ高の651円に買われている。16日の取引終了後、27年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、営業利益8億円(24年3月期予想5億5000万円)を目指すとしたことが好感されている。回路保護素子事業でCASE対応自動車の需要拡大に対応して車載用製品の販売網を拡大するほか、タンタルコンデンサ事業では導電性高分子タンタルコンデンサの新製品の開発などにより、車載用及び海外民生用向けの売上高及び利益を確保する方針という。また、期間中の復配を目指すとしており、株主還元への前向きな姿勢も評価されているようだ。
■アウンコンサルティング <2459> 268円 +40 円 (+17.5%) 11:30現在
アウンコンサルティング<2459>が急速人気化、カイ気配スタートで大きく切り返す展開となっている。同社はSEOコンサルティングなど広告マーケティングサービスを展開するが、16日取引終了後、海外コンサルティング・市場調査やグローバル人材事業を展開するシンガポールのGLOBAL ANGLEと業務提携契約を締結したことを発表。海外デジタルマーケティングの現地ローカル人材活用を拡大させる方針で、これを材料視する買いが集中した。時価総額20億円前後の小型株だが、日々の出来高は高水準で流動性の高さが特徴。値ごろ感からロットを利かせた個人投資家の買いが活発となっている。
■サイネックス <2376> 919円 +118 円 (+14.7%) 11:30現在
サイネックス<2376>がカイ気配スタートで大幅続伸、売り物薄のなか75日移動平均線を足場に急浮上し前日比135円高の936円まで買われる場面があった。同社は地方創生支援ビジネスを幅広く展開するが、ICT事業に注力しており、生成AI関連株の一角にも位置付けられる。さくらインターネット<3778>の物色人気化を受け、足もと株式市場では生成AI関連株に物色の矛先が向く状況で同社株にも投資資金が流れ込む形に。自治体向けでは住民の質問に人工知能(AI)が自動応答する総合案内サービス「AIチャットボット」の導入を進め、契約締結につなげている。業績も好調で、24年3月期営業利益は前期比7%増の5億2000万円予想と増益基調を堅持、PBR0.6倍台と割安なことも水準訂正高への期待を募らせている。
■ハークスレイ <7561> 958円 +73 円 (+8.3%) 11:30現在
ハークスレイ<7561>が4連騰し連日の昨年来高値更新となっている。16日の取引終了後に、24年3月期の期末配当予想を9円から15円に増額修正したことが好感されている。なお、年間配当予想は24円(前期18円)となる。
■協立電機 <6874> 3,705円 +270 円 (+7.9%) 11:30現在
協立電機<6874>が急伸。16日の取引終了後、経済産業省の「DX認定事業者」に認定されたと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する自主的な取り組みを促すのを目的とする認定制度で、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といったデジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応する企業として認定されたという。認定期間は1月1日から2年間。
●ストップ高銘柄
ブレインズテクノロジー <4075> 679円 +100 円 (+17.3%) ストップ高買い気配 11:30現在
日創プロニティ <3440> 1,044円 +150 円 (+16.8%) ストップ高 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
データセクション <3905> 565円 -100 円 (-15.0%) ストップ安 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース