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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「史上最高値に向け好スタートだが、ここからは調整待ちか」

株式評論家 富田隆弥

◆新年の株式市場は上々のスタートを切った。1月11日時点で日経平均株価は4日続伸し3万5000円台に乗せ、週足チャートは昨年来の厚い節目であった3万3800円台を明確に上抜き、「二段上げ」に動き出した。こうなると、昨年前半の上げ幅と10月安値の値幅から予測した上値の「V波(倍返し)3万7057円」や「N波3万8598円」、そして1989年の史上最高値「3万8957円」達成の可能性も高まる。

◆新年相場に対する期待は一気に高まり、新NISA(少額投資非課税制度)効果、国内企業の好業績観測、外国人投資家の買い(中国マネーの流入を含む)など好材料もさまざまと浮上するが、4日間で1761円幅(5.29%)の急騰はややでき過ぎであり、目先スピード調整を挟むことは想定しておきたい。

◆急騰の背景には、「買い戻し」という特殊要因もあった。年末年始の休日を控えたリスク回避や、元旦に生じた能登半島地震などで株式市場にはヘッジ(売り)が溜まっていた。そして、12日のオプションSQ(特別清算指数算出日)を前に株価が上昇したことで、ショートカバー(買い戻し)が加速し、日経平均先物とともに値がさ株や大型主力株を大きく上昇させたといえる。

◆相場は折に触れ調整を挟むものだが、日足のテクニカル指標(11日時点)でサイコロジカルライン8勝4敗やRCI・RSIの高値圏接近、新高値銘柄244(プライム市場)、空売り比率の低下(37.5%)など注意接近の信号が多く灯っていることも見逃せない。

◆節を抜いた後に初押し(プルバック)を入れるのはチャートのセオリーで、節目であった3万3800円台に向けての押しはスピード調整の域である。日柄で2週間程度の調整もあり得ることから、ここからの新規買いは慌てることなく、「調整待ち、押し目狙い」の姿勢も一策になると思われる。

(1月11日 記、次回更新は1月20日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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