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【市況】株価指数先物【寄り前】 自律反発は想定内、SQ値突破を見極め


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 32520 +320 (+0.99%)
TOPIX先物 2336.5 +18.5 (+0.79%)
シカゴ日経平均先物 32520 +320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダック の主要な株価指数が上昇。11月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比19万9000人増となり、市場予想の18万5000人増程度を上回った。失業率は前月から低下し、平均時給が予想を上回るなど総じて強い内容だった。これを受けて米長期金利は上昇し売りが先行したものの、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを長期化させるほどではないとの見方により、売り一巡後は買い優勢の流れとなった。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置、銀行が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービス、運輸が下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比320円高の3万2520円だった。日経225先物(3月限)は日中比50円高の3万2250円で始まり、直後に軟化し3万2140円まで下げたが、売り一巡後に切り返し、3万2300円を挟んだ狭いレンジで推移。米国市場の取引開始後には3万2180円まで軟化する場面も見られたが、上昇に転じると、終盤にかけて一時3万2550円まで買われ、3万2520円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開が見込まれる。日経225先物は先週末の大幅な下落によってボリンジャーバンドの-1σを割り込み、75日移動平均線までの調整を見せた。いったんは急ピッチの下落に対する自律反発が意識されやすい水準であり、予想の範囲内のリバウンドといった見方に向かわせよう。ナイトセッションで-1σまで戻してきたため、まずは同水準を突破できるかが注目されそうだ。

 同水準をクリアしてくるようだと、SQ値の3万2639.57円を目先的なターゲットとしたトレンド形成が期待されやすく、ロング優勢の流れになろう。一方で、SQ値接近で戻りの鈍さがみられるようだと、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況に向かう可能性がある。今週は12~13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、FOMC通過後の米国市場の動向を見極めたいとする姿勢が強まりやすく、ポジションを傾けてくる動きは限られよう。

 先週は植田和男日銀総裁が金融政策の運営について「一段とチャレンジングになる」と述べたことがきっかけとなり、日米金利差を狙ったポジションを解消する流れが強まったとみられる。やや過剰な反応とみられ、リバランスの動きが強まる可能性はあろうが、来週には日銀の金融政策決定会合を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられそうだ。

 そのため、オプション権利行使価格の3万2500円を中心とした上下の権利行使価格3万2250円から3万2750円辺りの狭いレンジを想定しておきたい。SQ値を捉えてくるリバウンドをみせてくるようであれば、3万2500円から3万3000円辺にレンジを切り上げてきそうである。

 先週末のVIX指数は12.35に低下した。ボトム圏での保ち合いを下放れてきており、ショートカバーを誘い込みやすい。2020年1月につけた12.10倍が射程に入ってきており、米国市場に資金がシフトしやすい需給状況であろう。

 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.89倍に低下した。日米金利差を狙ったポジションを解消する流れが強まるなか、-2σに接近する格好だった。米ハイテク株が買われた流れから本日のところはNTロングでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。

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