【材料】本日の注目個別銘柄:ベネ・ワン、Bガレジ、パソナなど
オリジナル設 <日足> 「株探」多機能チャートより
<4642> オリジナル設 1128 +150
ストップ高比例配分。23年12月末の株主より、株主優待制度を導入すると前日に発表している。400株以上保有する株主が対象となり、新設する株主専用WEBサイト「オリジナル設計プレミアム優待倶楽部」の優待ポイントを保有株数に応じて贈呈するようだ。食品、電化製品、及び体験ギフトなど5000種類以上の商品から、ポイント数に応じて交換可能となる。優待利回り妙味などが意識される形になっている。
<2412> ベネ・ワン 1912 +400
ストップ高。同社に対して現在エムスリーが1株1600円でTOBを実施中であるが、新たに第一生命HDでもTOBの実施を発表。TOB価格は1株1800円以上としており、エムスリーによるTOB価格を上回る。また、TOBで株式約49%を取得した後、将来的には完全子会社化する計画。TOBは同社や親会社のパソナグループの同意を前提とするとしているが、いずれにせよTOBプレミアムの高まりが意識された。
<3180> Bガレジ 2008 -349
急落。前日に上半期決算を発表、営業利益は7.7億円で前年同期比50.3%増となり、従来予想の6.5億円を上回った。その他周辺ソリューション事業の成長による利益率の改善、スケールメリット創出や各種コスト抑制による販管費の圧縮などが上振れ決算の背景に。ただ、第1四半期実績3.8億円、同49.9%増から、好決算とは言えサプライズは大きくなく、通期予想据え置きもあって、目先の好材料出尽くしたようだ。
<2168> パソナ 2805 +500
ストップ高比例配分。第一生命が新たにベネフィットワンの買収提案を発表しており、ベネ・ワンの親会社である同社株への買いニーズも強まる展開に。TOB価格はエムスリーの提示価格より200円以上高まることになるほか、将来的には完全子会社化を目指していることで、同社にとっては保有株の全株売却も可能となる。売却資金による特別配当や自社株買いなどの株主還元拡充を期待する動きが一段と強まる形に。
<2871> ニチレイ 3502 +203
大幅反発。前日にスモールミーティングが開催されているもよう。加工食品事業の足元の販売状況は堅調で、家庭用冷凍食品は10-11月販売数量が前年比5%の伸長、業務用販売数量も11月単月では前年並みに回復のようだ。また、来期営業利益計画は中計目標値370億円をベースに組み立てる計画としているほか、次期中計の基本方針として海外事業への資源配分を優先させるとしていることも評価材料につながったようだ。
<7182> ゆうちょ銀行 1487 +33
大幅続伸。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に、目標株価も1420円から1700円に引き上げた。市場はまだ同行の利益成長に十分に確信を持っていないと考えるが、24年以降は、米利下げによる外貨調達コストの減少、円金利上昇場面での国債シフトによる収益向上が期待できると分析。増益基調が続けば中期的に資本活用フェーズに入る可能性も高いとみている。
<6963> ローム 2844 +167.5
大幅反発。東芝とパワー半導体を共同生産することが分かったと伝わった。両社それぞれの工場で分担して生産し、互いに生産した半導体を融通することを目指すとされている。同社は電力効率に優れる炭化ケイ素を使ったパワー半導体に強みを持ち、東芝はシリコンを使う従来型の製品に強く、製品開発や販路開拓などでも相乗効果を見込んでいるもよう。市場拡大期待が高いパワー半導体分野での立ち位置が一層強化されると。
<2670> ABCマート 2567 +61.5
大幅反発。SMBC日興証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価は2900円を継続している。足元の株価は年初来で横ばい水準であり、東証小売株指数を17ptアンダーパフォームしているが、一方で、既存店売上は前年水準が高いながらも堅調に推移していると指摘。8月修正済みの会社計画の上振れ、コンセンサスの上昇が今後カタリストとなって、株価の水準訂正が強まると期待しているもよう。
<7203> トヨタ自 2680.5 -114
大幅続落。為替市場での急速なドル安円高進行を受けて、円安メリットの大きい自動車株には逆風となる展開に。とりわけ、同社や系列部品メーカの下げが目立つ状況になっている。前日のNY市場ではドル円相場が一時141円台後半にまで下落し、現在でも142円台での推移となっている。米国の早期利下げ転換期待が高まる一方で、日銀の金融緩和策に対する早期修正観測なども急速に高まってきているもよう。
<1928> 積水ハウス 2988.5 -131.5
大幅続落。前日に第3四半期決算を発表。8-10月期営業利益は618億円で前年同期比10.2%増となり、市場コンセンサス線上で着地した。米国戸建住宅、コミュニティ開発の回復、豪州での開発案件など国際事業がけん引する形に。通期予想は2650億円を据え置き。上振れ確度は一段高まったが、コンセンサスも会社計画を上回る水準。株価が高値圏にある中、想定通りの決算による材料出尽くし感が先行する形に。
《ST》
提供:フィスコ