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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「卯年の師走、跳ねて締めるか」

株式評論家 富田隆弥

◆早いもので2023年も間もなく師走を迎える。クリスマスが近づくにつれ世間は年末商戦で活気づき、高揚感に包まれる。株式市場にも「師走相場」「クリスマスラリー」「掉尾の一振(とうびのいっしん)」といった言葉があり、師走は株価が上昇して「良い年を迎える」のが当たり前のような時もあった。

◆だが、いつの頃からかそれが当たり前ではなくなった。過去10年間の12月相場を見ると、日経平均株価が上昇して高値圏で終えたのは2013年、2016年、2019年、2020年で、あとは横ばい(2014年、2017年、2021年)、もしくは下落(2015年、2018年、2022年)で終えている。4勝3敗3分である。

◆12月相場が冴えない要因には、「先物」の影響と年末に節税対策の売りが出ることがある。ちなみに、今年12月のメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出日)は日本が8日、米国は15日であり、年末相場を占うポイントになろう。また、為替(ドル円)が150円台を割り込み円高方向へ転換した流れも注意点である。日経平均株価が下振れた場合、11月22日につけた安値3万3182円や25日移動平均線(22日時点3万2125円)が下値ポイントになる。

◆ただ、2016年や2019年、2020年のように上昇で終える年もある。本年の日経平均株価は11月に大きく切り返して、20日に3万3853円を付けて6月のバブル崩壊後高値3万3772円を抜いた。およそ5カ月にわたった踊り場を明確に上放れるなら、週足チャートは二段上げとなり、「3万7000円」から1989年の史上最高値「3万8957円」を目指すことになる。

◆11月20日の上ヒゲ高値3万3853円の後のスピード調整は、チャートのセオリーであり悪くはない。22日の安値3万3182円を下値ポイントとして、それを維持しているなら「買い」で動いてみたい。日経平均株価は年内まだ乱高下するだろうが、「卯年」だけにピョン、ピョンッと跳ねて今年を締めるなら、迎える「辰年」への期待が膨らむ。

(11月23日 記、次回更新は12月2日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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