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【市況】NY連銀調査 学生ローン支払い再開による米経済への影響は軽微

 NY連銀の研究者の調査によると、今月からの学生ローンの支払い再開は米経済にとって大きな問題にはならないと指摘している。数百万人の学生ローン利用者が支払いを再開する際に、消費支出の抑制は月平均56ドル程度に留まるという。また、学生ローンの借り手2800万人全体では、月に約16億ドルの消費支出の縮小になるとも試算している。

 NY連銀の研究者、チャクラバルティ氏、マングラム氏、トーマス氏、クラウー氏はブログへの投稿で「調査結果では支払い再開が消費に与える影響は比較的小さく、8月の総支出から0.1%ポイント減少する程度であることを示唆している」と述べた。

 米政府は2020年のパンデミック初期に、連邦政府の学生ローンの支払いを一時停止した。43カ月間の支払い停止により、借り手は2600億ドル以上の支払いを延期され、他の消費に回したり、銀行口座に貯蓄したりすることができた。

 投稿によると、米連邦政府の所得連動型返済プラン(借り手の所得に応じて毎月のローン返済額を減らすことができる)に関する新ルールと貯蓄が、毎月の支払いにおける痛みを幾分和らげるだろうと指摘している。

 NY連銀の研究者たちはまた、「支出への反応にほとんどばらつきは見られなかったが、低所得者、女性、学士号未満の者、パンデミック前に返済途中でなかった者は、ローンの返済が滞る可能性が最も高いことがわかった」とも述べている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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