【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):フルヤ金属、トリドール、森六
フルヤ金属 <日足> 「株探」多機能チャートより
フルヤ金属<7826>が続伸。同社は5日、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS、川崎市幸区)と、グリーン水素の製造で注目を集めるPEM(プロトン交換膜)水電解装置の中核部材に使用されるイリジウムの安定供給網構築に向けた事業提携を検討することで覚書を締結したと発表。これが材料視されたようだ。同社は、イリジウムの高純度化・加工・合金化の技術に強みを持ち、イリジウムの取扱量は世界屈指を誇っている。同社は東芝ESSが技術開発したスパッタリング(一般的に半導体や電子デバイスを製造するなかで極薄膜を形成する技術)方式を用いて省イリジウム化を実現した膜電極接合体の普及を支えるとしている。
■トリドール <3397> 3,600円 +45 円 (+1.3%) 本日終値
トリドールホールディングス<3397>は続伸。5日に発表した9月度の月次売上高で、主力の丸亀製麺の既存店売上高が前年同月比7.3%増と25カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数は同1.0%減となったものの、客単価が同8.4%増と上昇した。
■森六ホールディングス <4249> 2,224円 +26 円 (+1.2%) 本日終値
森六ホールディングス<4249>が続伸。午前10時ごろ、ヘルスケア企業であるKINS(東京都目黒区)への出資を実施したと発表しており、好材料視された。KINSは、人の体に存在する常在菌(細菌・真菌・ウイルス)をケアし、研究・開発・商品販売までを一気通貫で行う「マイクロバイオーム」に特化したヘルスケア企業。森六ではKINSへの出資を通してパートナーシップを構築し、ヘルスケア事業の拡大や事業領域の更なる拡充に取り組むとしている。
■ispace <9348> 1,298円 +14 円 (+1.1%) 本日終値
ispace<9348>は小動き。同社はこの日、インド初の民間開発ロケットの宇宙空間到達を成功させたSkyroot Aerospace、キューブサットや小型衛星向けコンポーネントの供給に実績を持つオーストラリアのHex20の2社との間で覚書を締結したと発表した。将来的な月周回衛星ミッションの需要創出に向けて協力していく。会社側では、今回の覚書を通して各社が保有する知見、ネットワークを組み合わせることにより、インド太平洋地域で月周回衛星ミッションを検討している顧客の開拓や、顧客へのサービス提供を加速することが可能となると見込んでいる。
■協和キリン <4151> 2,567円 +23 円 (+0.9%) 本日終値
協和キリン<4151>が7営業日ぶりに反発。同社は5日取引終了後、24年3月末までに英バイオ医薬品企業のオーチャード・セラピューティクスの全株式を取得し、子会社化すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。株式の取得金額は約573億円としているが、治療薬候補の進展に応じて最大で約707億円になる見通し。同社は自社のバイオ医薬品に対する強みと、オーチャードが持つ細胞遺伝子治療研究に関する強みをあわせることで、いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズを満たす医薬品の開発及び生活を変えるような価値の創出を目指すとしている。
■サカイ引越センター <9039> 2,477円 +21 円 (+0.9%) 本日終値
サカイ引越センター<9039>が続伸した。5日の取引終了後、株主優待制度の変更について発表しており、個人投資家の買いを誘う要因となったようだ。これまでは3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に「岩手県産ひとめぼれ5kg」または「堺市世界遺産保全活用推進基金への寄付」を選択してもらう形としていたが、新たな制度では「QUOカード2000円相当」を優待内容に追加し、選べるようにする。3月末と9月末に300株以上保有する株主に対する年2回の優待に関しても、中間期と期末のそれぞれで「QUOカード2000円相当」を選択できる形とした。
■ユー・エス・エス <4732> 2,495円 +18 円 (+0.7%) 本日終値
ユー・エス・エス<4732>が続伸。5日の取引終了後に24年3月期第2四半期(7~9月)の中古車オークション実績の速報を発表。成約台数は前年同期比4.8%増となった。第1四半期(4~6月)に続き増加基調を継続しており、株価の支援材料となった。出品台数は同14.6%増。成約率は64.3%(前年同期は70.3%)だった。4~9月の6カ月間では成約台数は同4.6%増、出品台数は同13.1%増、成約率は62.0%(同67.0%)となった。
■OSG <6136> 1,740.5円 +7.5 円 (+0.4%) 本日終値
OSG<6136>が朝安後切り返す展開。5日の取引終了後、23年11月期第3四半期累計(22年12月~23年8月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。営業利益の見通しはこれまでの240億円から190億円(前期比13.2%減)に引き下げた。増益予想から一転して営業減益となる見込みとなったことを嫌気した売りが先行し、年初来安値を更新した。一方、ねじ切り工具のタップで世界トップシェアの同社はプライム上場銘柄ながらPBR(株価純資産倍率)は1倍を下回っている。割安感の強まったグローバルニッチトップ銘柄としての投資妙味を意識する向きもあり、今後の業況の底入れを期待した買いが入ったようだ。中華圏における景気後退や原価率の高騰による影響を業績予想に反映した。円安効果を支えに売上高の見通しは1450億円(同1.7%増)で据え置いた。第3四半期累計の売上高は前年同期比4.1%増の1077億3100万円、営業利益は同6.3%減の140億8500万円だった。
■王将フードサービス <9936> 6,940円 +20 円 (+0.3%) 本日終値
王将フードサービス<9936>は根強い買いが続き小幅ながら4日続伸。75日移動平均線を足場に切り返す動きとなっている。同社は中華料理店「餃子の王将」を直営店中心に全国展開するが、6日付でグランドメニューのうち7商品について今月17日から値上げすることを発表した。同社では昨年11月に一部商品の値上げを行ったが、それに続く価格改定となる。原材料価格や人件費の高騰に対応したもので、これによる収益改善効果を見込んだ買いを引き寄せている。
■オンワード <8016> 495円 -27 円 (-5.2%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
オンワードホールディングス<8016>が急反落。5日の取引終了後、24年2月期の連結業績予想について、売上高を1888億円から1892億1100万円(前期比7.5%増)へ、営業利益を100億円から110億2200万円(同2.1倍)へ、純利益を50億円から54億6200万円(同78.4%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を期末一括16円から17円(前期12円)へ引き上げたが、好業績は織り込み済みとの見方が強く、材料出尽くし感から利益確定売りに押される展開となった。OMOサービス「クリック&トライ」の利用拡大や、SNSを活用したマーケティング施策の精度が上がったことなどから、リアル店舗及びオンラインストアへの来客数が着実に増加したことが要因。また、グローバル事業構造改革の成果が顕著に表れたことや、商品サプライチェーンの効率化が進んだことで売上総利益率が上昇していることも寄与する。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高904億1100万円(前年同期比10.0%増)、営業利益50億2200万円(同26.0倍)、純利益28億6200万円(同6.0倍)だった。23区、ペットパラダイスなどの主力ブランドが好調に推移したほか、KASHIYAMA(カシヤマ)、UNFILO(アンフィーロ)などの新規ブランドも大きく伸長した。
株探ニュース