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【市況】半期末の需給要因から不安定な相場展開【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

29日の日経平均は小幅続落。14.90円安の31857.62円(出来高概算18億8000万株)で取引を終えた。米ハイテク株高を受け、半導体や電子部品関連株などを中心に買いが先行。日経平均は32000円台を回復して始まり、直後には32027.46円まで水準を切り上げた。ただ、米連邦政府機関の閉鎖が警戒されるなか、買いは続かなかったほか、機関投資家による月末調整売りや日経平均の構成銘柄入れ替えに伴う売りを見越した動きなどから、日経平均は後場中盤にかけ下げ幅を広げ、31717.74まで下落した。しかし、心理的な節目の32000円を割り込んだ水準では、長期目線の資金が入るとされ、大引けにかけては戻り歩調に転じていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、その他製品と精密機器を除く31業種が下落し、海運、鉄鋼、鉱業、電気ガス、石油石炭の下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、TDK<6762>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、デンソー<6902>、ホンダ<7267>、第一三共<4568>、トヨタ<7203>は軟化した。

前日の米国市場は、米金利や原油市況の上昇が一服したことから過度な警戒感が後退し、主要株価指数は上昇。東京市場もこの流れが波及し、日経平均は心理的な節目の32000円台を回復して始まった。ただ、値がさハイテク株が買われる半面、海運や鉄鋼などのバリュー株には利食い売りなどが増加する展開だった。また、日経平均の構成銘柄入れ替えについては、新規採用銘柄の購入資金を捻出するため、他の指数採用銘柄に対して売りが出たほか、上半期末に伴う機関投資家の持ち高調整売りが警戒されていた。

来週は名実ともに今年度下期相場入りする。月替わりに伴う新規資金配分などから月初の株高アノマリーは今年2月以降今月まで8カ月連続で続いている。ただ、米国のインフレ高止まりによる利上げ長期化懸念や中国の不動産問題など懸念材料は多く、目先的には不安定な動きが続く可能性がある。

《CS》

 提供:フィスコ

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