市場ニュース

戻る
 

【通貨】為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、米インフレ関連指標が手掛かり材料に

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

 

【今週の概況】
■ドル強含み、米追加利上げの可能性残る

今週のドル・円は強含み。9月19-20日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の据え置きが予想通り決定されたが、将来的な追加利上げの可能性は残されており、米ドル買い・円売りが活発となった。21日の東京市場で一時148円46銭まで米ドル高・円安が進行した。日本銀行は21-22日開催の金融政策決定会合で現行の金融緩和策を維持することを決定し、22日に行われた日本銀行植田総裁の会見内容を受けて日米金利差縮小の思惑は後退したことも米ドル買い・円売りを促す一因となった。

22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、147円96銭まで下落後、148円42銭まで反発した。この日発表された米9月サービス業PMI速報値、同総合PMI速報値は市場予想を下回り、ポジション調整的な米ドル売り・円買いが広がった。しかしながら、米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事「インフレ2%達成には数回の追加利上げが必要となる可能性が高い」との見方を伝えたことを受けて、日米金利差拡大観測に伴う米ドル買い・円売りが活発となった。ドル・円は148円38銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:147円32銭-148円46銭。

【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、米インフレ関連指標が手掛かり材料に

来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げへの期待は持続しているが、米インフレ指標は鈍化しつつあるため、金利上昇を意識したドル買い・円売りが一段と強まる可能性は低いとみられる。FRBは9月19-20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げを予想通り見送ったものの、年内利上げの可能性を示唆。英国やスイスなど主要中央銀行による利上げ終了の思惑で、ドル選好地合いは失われていないようだ。

来週発表予定のユーロ圏9月消費者物価指数でインフレ緩和が確認された場合、ユーロ売り・ドル買いに振れドル・円の押し上げ要因になりやすい。ただ、来週発表の米経済指標は強弱まちまちの見通し。9月CB消費者信頼感指数の大幅な改善は期待できないため、市場予想と一致してもドル買い材料にはなりにくい。また、8月コアPCE価格指数の上昇率は鈍化が見込まれ、引き締め観測を弱める手がかりに。なお、日本政府は一段のドル高・円安の進行を警戒しており、閣僚などからけん制発言が相次ぐ。日本銀行は金融政策の現状維持を決定したが、将来的な緩和修正観測は後退していないため、一段のドル高を抑える手がかりとなりそうだ。

【米・9月CB消費者信頼感指数】(26日発表予定)
26日発表の米9月消費者信頼感指数は105.9と、8月の106.1をやや下回る見込み。ただし、市場予想をしっかりと上回った場合、年内追加利上げ観測は後退せず、ドル買い要因になりやすい。

【米・8月コアPCE価格指数】(29日発表予定)
29日発表の米8月コアPCE価格指数は前年比+3.9%と、前回の+4.2%から伸びが鈍化する見通し。インフレ抑止が示されれば金利安・ドル安要因となろう。

予想レンジ:146円00銭-150円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均