市場ニュース

戻る
 

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「想定された乱高下、9月終盤に好機待つ」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は荒い展開を見せている。9月15日に3万3634円の高値をつけ、チャートは8月1日の戻り高値3万3488円を抜いて、6月の年初来高値3万3772円突破を目指す構えを見せた。だが、その後は3日続落し3万2550円まで押し戻され(21日時点)、25日移動平均線や13週線(3万2500円前後)に迫り、一転して調整リスクが漂う。

◆日経平均株価は8月18日の安値3万1275円から9月15日まで堅調に推移した。その間、9月7日にアクティブETFの上場、8日にメジャーSQ(先物・オプション特別清算指数算出日)、13日に内閣改造、14日にアーム<ARM>のナスダック上場などがあり、そして15日の東京市場では出来高23億9054万株、売買代金5兆6708億円(ともに東証プライム)と商いが大きく膨れた。

◆つまり、9月前半の相場は買いに片寄り、9月中間配当取りの動きも活発だった。サイコロジカルラインの11勝1敗(9月6日)、騰落レシオの132.8%(9月19日)などテクニカル指標にも過熱感がうかがえた。ならば、その過熱に対する反動は自然なことで、ここでの調整は相場のセオリーでもある。

◆米国では15日にメジャーSQ、19-20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)があり、21-22日には日本で日銀金融政策決定会合が開催された。これらの重要イベントを踏まえて、「お彼岸」頃までマーケットの乱高下は想定していたことだ。

◆28日に配当権利落ちがあり、日経平均株価は25日線と13週線を割り込むリスクはある。その場合、8月18日安値の3万1275円や26週線(21日時点3万1316円)が次の下値の節目となる。しかし、岸田首相は「資産運用立国」の実現を政策に掲げ、海外からの投資マネーも流入しており、9月終盤は「押し目買いの好機」になると思われる。

(9月21日 記、次回更新は9月30日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均