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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):村田製、HOYA、トヨタ

村田製 <日足> 「株探」多機能チャートより
■村田製作所 <6981>  8,163円  +117 円 (+1.5%)  本日終値
 村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、TDK<6762>、京セラ<6971>など電子部品株が総じて堅調な値動きを示している。米アップル<AAPL>の最新機種である「iPhone15」が9月に発売される見通しにあるが、アップルは現地時間12日からカリフォルニア州にある本社で特別イベントを開催することを発表、ここで新型iPhone関連の発表が行われることが予想されており、関連銘柄の株価を刺激している。そのなか、日本の大手電子部品メーカーは村田製を筆頭にアップルの有力サプライヤーとしてマーケットでも注目度が高い。

■HOYA <7741>  16,125円  +195 円 (+1.2%)  本日終値
 HOYA<7741>が反発。29日の取引終了後、中国に白内障用眼内レンズの製造・販売を行う子会社を設立すると発表しており、好材料視された。中国では高齢化の進展や医療消費の高度化に伴い、白内障手術が増えており、新会社は今後も成長が見込まれる中国市場における製造体制を構築することを目的に設立する。なお、同件による24年3月期業績への影響は軽微としている。

■トヨタ自動車 <7203>  2,456.5円  +25 円 (+1.0%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が反発した。生産指示システムの不具合を受け、同社は前日に国内の車両14工場の稼働を停止した。その後、30日1直の生産に関して、国内12工場で生産を再開すると発表。2直以降は全工場での稼働を再開する見込みとした。加えて、中部経済新聞は30日、トヨタの9~11月の生産計画に関し、世界生産台数は前年同期比10%増の274万台程度に設定し、うち国内生産は26%増の94万台程度と大幅に増やす、と報じた。工場の稼働再開に加え、今後の増産による収益へのプラス効果が意識される形となり、買い戻しを誘ったようだ。トヨタを主要取引先とするデンソー<6902>や豊田自動織機<6201>、フタバ産業<7241>なども堅調に推移している。

■レーザーテック <6920>  22,385円  +185 円 (+0.8%)  本日終値
 レーザーテック<6920>が反発。前日は朝高後に値を消したが、引き続き上値期待が根強くボックス圏上限の2万2000円台後半を指向する展開となっている。また、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連の主力株は総じて買いが先行している。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が4%超に買われたほか半導体セクターに投資資金が流入し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅高で3日続伸した。東京市場でもこれに追随し、半導体製造装置関連株物色の動きにつながっている。生成AI市場の拡大を背景とした半導体需要の増大が大手メーカーの設備投資意欲を喚起するとの読みが働いているもようだ。

■ダイフク <6383>  2,691円  +20.5 円 (+0.8%)  本日終値
 ダイフク<6383>が小幅高でしっかり。29日取引終了後、合計約600億円のユーロ円建転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行することを発表し、需給関係の悪化が警戒されたが、同時に自社株買いを発表したこともあり、下値には買いが流入し底堅く推移している。同CBは満期償還日が28年9月の5年債と30年9月の7年債の2本立て。発行額はそれぞれ約300億円。転換価格は5年債が前日終値を32.48%上回る3538円、7年債が同29.98%上回る3471円で決まった。潜在株式による希薄化率は4.53%となる。調達資金は、国内と海外の工場生産設備の維持と増強に向けた設備投資資金と自己株取得資金に充てる。また、この日の午前8時45分、748万9200株(200億円相当)を東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)において1株2670.5円で買い付けることを明らかにしている。

■味の素 <2802>  6,096円  +44 円 (+0.7%)  本日終値
 味の素<2802>が反発。29日の取引終了後、自社株836万7300株(発行済み株数の1.58%)を9月25日付で消却すると発表しており、好材料視された。消却後の発行済み株数は5億2143万854株となる予定だ。

■INPEX <1605>  2,039.5円  +8.5 円 (+0.4%)  本日終値
 INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>が高い。29日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比1.06ドル高の1バレル=81.16ドルと上昇した。大型のハリケーンが30日にも米フロリダ州に上陸する見通しであり、石油生産に影響することが警戒されている。この米原油高を受け、INPEXなどが堅調な値動きとなっている。

■日本ペHD <4612>  1,128円  +2.5 円 (+0.2%)  本日終値
 日本ペイントホールディングス<4612>が3日続伸。29日の取引終了後、インドの塗料メーカー2社の株式を取得し、子会社化すると発表した。同社は親会社であるシンガポールのウットラムグループに2021年に、インドの事業会社2社を売却していた。今回の2社の買い戻しによりインド市場に対して再参入をする格好となり、中期的な業績の押し上げ効果を期待した買いが入ったようだ。ウットラムグループに属するIsaac Newton Corporationに株式を譲渡した際の基本合意に基づき、建築用塗料などを手掛けるNippon Paint(India)と、自動車用塗料事業を担うBerger Nippon Paint Automotive Coatingsについて、買い戻す権利(コールオプション)を行使する。取得価格は合計約145億円。2社の事業が好転し、今後大規模な費用投入がなくても持続的な成長が可能であると判断した。

■CCT <4371>  2,975円  -360 円 (-10.8%)  本日終値
 コアコンセプト・テクノロジー<4371>は急反落。29日の取引終了後、既存株主による株式売り出しを実施すると発表。需給悪化を懸念した売りが出た。売り出し株数は238万6000株で、需要状況に応じて上限35万株のオーバーアロットメントによる売り出しを行う。売り出し価格は9月6日から11日までのいずれかの日に決定する。あわせて、売り出しに伴う株式需給への影響を緩和する観点から、自社株買いを実施すると発表した。取得上限は40万株(自己株式を除く発行済み株数の2.30%)、または10億円。期間は売り出しの受渡期日の翌営業日から来年3月31日まで。

■ライフネット生命保険 <7157>  1,015円  -84 円 (-7.6%)  本日終値
 ライフネット生命保険<7157>が急反落。日本経済新聞電子版が29日夜、「ライフネット生命保険が近く資本を増強し、三井住友カードなどが出資することが複数の関係者への取材で分かった」と報じた。ライフネットは30日、資本政策に関する一部報道に関して「2023年8月30日の当社取締役会に付議する予定」とするコメントを開示した。報道では公募増資を通じた資金調達についても触れられており、1株利益の希薄化を警戒した売りが優勢となった。記事によると、資本増強は100億円規模で、このうち30億円前後を三井住友カードが引き受ける。筆頭株主のauフィナンシャルホールディングス(FH)にも20億円前後割り当てる方針で、残りを公募増資などで調達する方向。三井住友カードは出資比率4%前後の大株主となる見込みとしている。ライフネットは三井住友カードの顧客網を生かし、個人保険の拡販につなげるとしている。

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