【市況】注目銘柄ダイジェスト(前場):INPEX、オリンパス、Ineなど
富士フイルム <日足> 「株探」多機能チャートより
富士フイルム<4901>:8377円(+431円)
大幅反発。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は522億円で前年同期比5.4%増となり、市場予想並みの着地になっている。ただ、バイオCDMO/ライフサイエンスで約50億円の評価減計上など一過性費用が発生しており、実質的には上振れとみられる。CDMO関連企業の業績悪化も意識されていたため、買い安心感へとつながっているようだ。通期予想は2900億円で前期比6.2%増を据え置き、イメージング事業などは上方修正に。
ソニーG<6758>:12425円(-560円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は2530億円で前年同期比30.6%減となり、コンセンサス水準をやや上回る着地になったとみられる。通期予想は1兆1700億円、前期比10.2%減を据え置き、スマホ回復の遅れでI&SS事業が下方修正された一方、音楽などが上方修正されている。大きなサプライズはなかったとみられるが、I&SSの回復の遅れ、PS5販売台数の下振れなどをマイナス視する動きが先行へ。
ホンダ<7267>:4640円(+229円)
大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は3944億円で前年同期比77.5%増となり、3300億円程度の市場予想を大幅に上回っている。二輪事業は値上げやコスト削減などで利益率が高まり大幅増益、四輪も生産正常化に伴って収益が急回復している。会社側では第1四半期を3000億円程度と想定していたようだが、経費の発生が後ろ倒しになっているとして通期予想は据え置いている。
オリンパス<7733>:1994円(-256.5円)
大幅続落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は225億円で前年同期比49.5%減となり、300億円強の市場コンセンサスを大幅に下振れ。内視鏡や治療機器などの売上が伸び悩んだほか、先行投資などの費用も先行しているようだ。通期予想の1630億円、前期比12.7%減は据え置いているが、計画達成への不透明感は高まる形に。株式市場では円安メリットなどへの期待もあったとみられる。
INPEX<1605>:2119.5円(+305円)
大幅反発。前日に上半期の決算を発表、純利益は2542億円で前年同期比38.1%増となり、従来計画の2180億円を上振れる着地になっている。通期予想は従来の3000億円から3200億円、前期比30.6%減に上方修正。為替の前提を円安方向に見直したことなどが主因。また、年間配当金は64円計画から74円に引き上げ、さらに発行済み株式数の6.12%に当たる8000万株、1000億円を上限とする自己株式の取得も発表している。
トリドリ<9337>:2970円(+341円)
一時ストップ高。23年12月期第2四半期累計(23年1-6月)の営業損益を0.39億円の黒字と発表している。説明資料によると、前年同期実績は2.97億円の赤字。インフルエンサーと顧客をつなげるプラットフォームサービス「toridori base」が販売代理店の活用で伸長し、四半期ベースで初の黒字化を達成した。通期予想は1.00億円の黒字(前期実績は3.70億円の赤字)で据え置いた。
Ine<4933>:3150円(+460円)
一時ストップ高。23年12月期の営業利益予想を従来の40.00億円から43.00億円(前期実績32.35億円)に上方修正している。ヘアケア系、美容家電、スキンケア他の各カテゴリが好調に推移しているため。第2四半期累計(23年1-6月)の営業利益は前年同期比0.6%増の19.19億円で着地した。販売が想定を上回ったことに加え、一部商品の価格改定で売上総利益率が向上したことから会社計画(13.50億円)を超過達成した。
日本電解<5759>:1848円(+150円)
大幅に3日ぶり反発。24年3月期第1四半期(23年4-6月)の営業損益を2.41億円の赤字(前年同期実績3.37億円の赤字)と発表している。車載電池用銅箔の販売が堅調に推移し、赤字が縮小した。通期予想は6.00億円の赤字で据え置いた。また、為替差益3.33億円を営業外収益に計上したことから純損益が0.22億円の赤字(同2.94億円の赤字)に改善した。通期予想は11.00億円の赤字で変更はない。
《ST》
提供:フィスコ