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【市況】米国株式市場見通し:CPIとPPIに注目


 

FRBの年内の利上げ軌道を確認していく上で重要なインフレ指標となる7月消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が発表予定で注目だ。8月は市場参加者が限られることや季節的に下落する確率が高く、警戒感から上値の重い展開になるだろう。

FRBは7月連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25ポイントの利上げ再開を決定。インフレ鈍化の基調が続くものの、ペースは鈍く、またFRBのインフレ目標達成には程遠いとの見方から今後の利上げの可能性を除外しなかった。パウエル議長は「労働市場は依然力強いが、一部では鈍化の兆しが見られる」と、タカ派色を弱め、一部では利上げ打ち止め期待が広がった。9月FOMCでは正当化されれば追加利上げ、されなければ金利を据え置くと、データ次第で政策を決定する方針を明確化しており、コアCPIの動向が鍵を握るだろう。市場予想では前年比4.8%増と6月と同水準の伸びを維持すると見られている。

パウエル議長は6月のCPIの予想以上の鈍化を歓迎すると同時に、1カ月だけの結果で判断はできず、鈍化が継続することが重要だと強調した。もし、2カ月連続で予想以上に伸びの鈍化が見られた場合、FRBの利上げ終了への期待が一段と強まり、相場を支えるだろう。

経済指標では、6月貿易収支、6月卸売売上高(8日)、7月消費者物価指数(CPI)、週次新規失業保険申請件数(10日)、7月卸売物価指数(PPI)、8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値(11日)、などが予定されている。

主要企業決算では著名投資家バフェット氏が運営する保険のバークシャー・ハサウェイ(5日)、貨物運送会社のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、製薬会社のイーライリリー、カジノ経営のウィン・リゾーツ(8日)、エンターテインメント会社のウォルト・ディズニー(9日)、高級衣料ブランドのラルフローレン(10日)、などの発表が予定されている。

ウォルト・ディズニーは動画配信サービスのディズニープラスの加入者数やテーマパークの入場者数について、依然低迷しているかどうかに注目だ。宇宙旅行会社のヴァージン・ギャランティックははやくて10日にも商業宇宙旅行を開始する計画で、実現すれば同社の収益増期待につながりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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