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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「二番天井懸念、下値ポイントを注視」

株式評論家 富田隆弥

◆8月に入り、マーケットの雲行きがにわかに怪しくなってきた。FOMC(米連邦公開市場委員会、7月25日~26日)のあとは調整アノマリーがあり、高値圏にきている株式市場はバカンスを控えて注視が必要だったが、8月1日に格付け会社フィッチ・レーティングスが米国の外貨建て長期債格付けを最上位の「AAA」から「AAプラス」に1段階引き下げたことを契機に、「世界同時株安」の雲行きを呈している。

◆米国では経済のソフトランディング観測が台頭してリスクオンムードを高めていたが、発表される経済指標などにまだ一喜一憂しやすい状況にあった。主要企業の決算や4日発表の米雇用統計などで株式市場はまだ乱高下してもおかしくない。ただし、高値圏にきている株価にテクニカル面では注意信号が灯っていることは承知しておきたい。

日経平均株価は8月1日に3万3488円まで上昇して6月と7月に付けたダブルトップの3万3700円台に迫っていた。日銀金融政策決定会合のあった7月28日と週明け31日の東証プライムの売買代金は5兆7000億円、5兆1035億円と急増して活況を呈した。ところが、8月2日は768円安、3日は548円安と大幅続落して、一転して市場を調整リスクが覆っている。

◆日経平均株価のチャートは8月2時点で3万2000円台を維持しており、まだ往来圏にある。だが、ネックライン(7月12日安値の3万1791円)を割り込むと8月1日の二番天井が確定して、波動は「二段下げ」突入となる。その意味で「3万2000円」~「3万1791円」が当面の下値ポイントになる。

ナスダックは2日に310ポイント安と続落して25日移動平均線と7月24日の安値1万3997ポイントを割り込み、日足チャートは7月19日(1万4446ポイント)と31日(1万4370ポイント)の高値でダブルトップを形成した。米10年債利回りは4%台に上昇しており、ナスダックには調整懸念がつきまとう。その動きは日本株にも影響するので警戒が必要であり、日米とも高値圏で商いを膨らませてきただけにここからの調整には注意したい。

(8月3日 記、次回更新は8月12日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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