【市況】日米長期金利が引き続き攪乱要因/後場の投資戦略
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
日経平均 : 32244.08 (-463.61)
TOPIX : 2274.99 (-26.77)
[後場の投資戦略]
本日の日経平均は一時500円を超えるなど、大幅に続落。引き続き日米の長期金利の上昇が警戒されているようだ。前日2日の米10年債利回りは4.09%と1日の4.03%からさらに上昇。7月ADP民間雇用者数が前回6月分に続き市場予想を大幅に上振れたことで米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ懸念が再燃。また、米財務省による財政赤字の補填を目的とした中長期債の発行規模引き上げによる需給の緩みが警戒されている。さらに、1日には格付け会社フィッチ・レーティングスが米国債の格付けを引き下げた。格下げ自体が大きな影響力を持つことはないだろうが、米国債の発行規模が引き上げられるタイミングでの発表となり、時期が悪かった。今後の米国債の入札に向けてタームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)の上昇と利回り曲線のスティープ化を指摘する声が聞かれている。
また、引き続き日本国内の金利動向も気掛かりだ。10年利付国債(第371回)は本日午前の本稿執筆時点で0.65%まで上昇。前日の終値0.625%からさらに上昇している。長期国債先物の価格も続落しており、国内長期金利の上昇圧力がじわじわと高まっている様子が窺える。前日、日本銀行が臨時オペでの国債買い入れ額を前回から増額しなかったこともやや警戒感を高めさせているようだ。なお、本日、日銀は午前の金融調節で臨時買い入れオペの通知を見送った。
国内では来週が決算発表のピークであるため、決算を手掛かりとした個別株物色が相場を下支えしてくれることに期待したいが、米国は今週が決算発表のピークで、来週は発表数が前週比で半減する。決算を材料とした物色が後退するなか、4%を超えてきた米10年債利回りが一段と上昇するようであれば、株価指数が高値圏にあるなか利益確定売りを誘いやすいだろう。
米ダウ平均や米S&P500種株価指数は依然として上向きの25日移動平均線上を維持しているが、米ナスダック総合指数は前日に25日線を割り込んだ。日本も個別株物色に期待したいところだが、米国株がここから一段と大きく崩れてしまうようだと影響は免れないだろう。25日線を既に下回っている日経平均に対して、東証株価指数(TOPIX)は辛うじて同線を維持しようとする動きが見られているが、TOPIXも同線を大きく下放れてしまうと、調整色が強まりそうだ。長期金利の上昇が警戒され、為替相場の動向にも不透明感が漂うなか、これらの影響が相対的に小さい内需系セクターなどに注目したい。(仲村幸浩)
《AK》
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