【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):日東電、キヤノン電、アドテスト
日東電 <日足> 「株探」多機能チャートより
日産車体<7222>が大幅続落した。26日の取引時間中に、同社を子会社とする日産自動車<7201>が仏ルノーと資本関係などについての最終契約を締結したと発表した。このなかでルノーが欧州で設立するEV(電気自動車)の新会社アンペアに、日産自が最大6億ユーロ(約930億円)出資することを決定した。日産車体の足もとで時価総額は約1200億円。かねてから親子上場解消に向け、日産自が日産車体を完全子会社化するとの思惑があったが、アンペアの出資負担により、こうした可能性が低下したと受け止めた一部の投資家が売りを出したようだ。
■日東電工 <6988> 9,832円 -468 円 (-4.5%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
日東電工<6988>が大幅安。26日の取引終了後に4~6月期(第1四半期)決算を発表し、営業利益は前年同期比41.8%減の224億1100万円だった。通期で小幅ながらも増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での大幅減益がネガティブ視され売られている。円安による増益効果があったものの、販管費の増加や新型コロナワクチン向け核酸アジュバントを手掛けるヒューマンライフ部門の赤字が響いた。売上高は同3.7%減の2084億5500万円だった。なお、通期の小幅増収増益見通しは据え置いている。
■キヤノン電子 <7739> 1,805円 -76 円 (-4.0%) 本日終値
キヤノン電子<7739>は大幅続落。26日の取引終了後に発表した23年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比6.7%増の484億8900万円、営業利益が同4.5%減の24億7900万円だった。直近3カ月間の第2四半期では減収で、営業利益の減益率は40%台となった。業績のモメンタム鈍化を懸念した売りが膨らんだようだ。第2四半期累計では、ドキュメントスキャナーが部品の納期遅延による生産調整や需要の減少を背景に、欧米や中国、日本での販売が落ち込んだ。関係会社のスペースワンでは小型ロケット打ち上げサービス開始に向けた準備費用が引き続き発生した。
■日産自動車 <7201> 637.5円 -19.3 円 (-2.9%) 本日終値
日産自動車<7201>が続急落した。26日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益の見通しをこれまでの3150億円から3400億円(前期比53.2%増)に引き上げた。一方で、グローバルでの小売販売台数の見通しは下方修正しており、これをネガティブ視した売りが膨らんだようだ。売上高の見通しは12兆4000億円から12兆6000億円(同18.9%増)に上方修正した。中国の販売減少を見込み、今期のグローバルでの小売販売台数見通しを400万台から370万台に引き下げた。ただし、日本や北米、欧州では販売台数の見通しを引き上げている。想定為替レートはこれまでの1ドル=130円、1ユーロ=135円から、1ドル=132円、1ユーロ=139円にそれぞれ円安方向に見直した。第1四半期の売上高は前年同期比36.5%増の2兆9176億6000万円、最終利益は同2.2倍の1054億7500万円だった。
■アドバンテスト <6857> 19,835円 -325 円 (-1.6%) 本日終値
アドバンテスト<6857>は続落。26日の取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比25.5%減の1012億5100万円、最終利益は同74.8%減の92億200万円だった。通期の業績予想は据え置かれたものの、為替の影響を除いた販売数量の下振れリスクが意識される内容となり、買い持ち高を解消する目的の売りを促した。SoC(システム・オン・チップ)半導体用の試験装置は、スマートフォン市況の停滞を背景に、先端プロセス品関連の販売が落ち込んだ。設備の余剰感の解消にはなお時間を要するとしたうえで、同社は23年のSoCテスター市場の推定規模について、4月時点の約34億~38億ドルから、約32億~35億ドルにレンジを引き下げた。メモリー半導体用試験装置も市況悪化のあおりを受け低調に推移した。今期の業績予想は据え置いたものの、第2四半期(7~9月)以降の想定為替レートを1ドル=135円、1ユーロ=150円とし、期初時点の想定の1ドル=130円、1ユーロ=140円からそれぞれ円安方向に修正した。未定としていた中間配当予想は前期と同額の65円とした。
■フジオーゼックス <7299> 3,975円 +700 円 (+21.4%) ストップ高 本日終値
フジオーゼックス<7299>がストップ高。同社は26日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想と年間配当計画を上方修正したことが好感されたようだ。今期の売上高は前期比7.4%増の232億円(従来予想は220億円)、営業利益は同95.6%増の17億円(同10億円)になる見通し。国内での自動車メーカーのバックオーダー解消の取り組みなどによる生産回復や北米向けの受注増加が主な要因だとしている。また、年間配当については、中間配当と期末配当をそれぞれ従来計画比10円増額の75円とし、年間配当は150円(前期は130円)となる。
■明治海運 <9115> 662円 +67 円 (+11.3%) 本日終値
明治海運<9115>が後場急伸。同社はきょう午後1時ごろ、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.7倍の28億1400万円となり、上半期計画40億円に対する進捗率が70%強に達したことが好感されたようだ。売上高は同29.0%増の155億200万円で着地。前期に竣工・取得した船舶の稼働増に加え、タンカー1隻の新規稼働、円安の効果などを背景に、主力の外航海運業部門が大幅な増収増益となったことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■櫻護謨 <5189> 3,710円 +270 円 (+7.9%) 本日終値
櫻護謨<5189>が続伸。26日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。効力発生日は10月1日。
■正興電機製作所 <6653> 1,091円 +50 円 (+4.8%) 本日終値
正興電機製作所<6653>が大幅続伸し、年初来高値を更新した。26日の取引終了後に発表した23年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、経常利益が前年同期比15.9%増の9億4800万円だった。これまでの計画(8億2000万円)を上回って着地したことが買い安心感につながったようだ。売上高は同2.1%減の125億5600万円だった。前年同期に太陽光発電所向けの大口案件があった反動が出た。一方、環境エネルギー部門の国内公共分野で、水処理関連施設向け設備などが堅調に推移。電子制御機器分野の利益率改善も寄与した。
■エヌエフHD <6864> 1,241円 +42 円 (+3.5%) 本日終値
エヌエフホールディングス<6864>が急動意、25日移動平均線をマドを開けて上に抜けてきた。電子計測器の開発・製造を手掛け、量子コンピューター研究向け電子デバイスなどにも展開。蓄電池分野にも展開し、子会社を通じ伊藤忠商事<8001>とは家庭用蓄電池システムの共同開発を進めている。足もとの業績も改善色を強めている。26日取引終了後に発表した23年4~6月期決算は営業損益が1億6500万円(前年同期は7500万円の赤字)と黒字に転換、これを手掛かり材料に投資資金が攻勢をかけている。
■エアークローゼット <9557> 527円 +80 円 (+17.9%) ストップ高 本日終値
エアークローゼット<9557>がストップ高。正午ごろ、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京都港区)とライセンス契約を締結し、ディズニーアイテムのファッションレンタル「Disney FASHION CLOSET」を今秋から提供すると発表したことが好感された。新サービスは、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」の新たなラインアップとなる都度課金型サービスで、秋の第1弾以降サービスの順次拡大を予定している。また、サービス開始に先駆け、7月27日からティザーサイトを公開し、事前登録受付を開始した。なお、24年6月期業績への影響は精査中としている。
●ストップ高銘柄
日本テレホン <9425> 379円 +80 円 (+26.8%) ストップ高 本日終値
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース