【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:カプコン、シーユーシー、JFEシステ
カプコン <日足> 「株探」多機能チャートより
カプコン<9697>が急騰。26日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比73.8%増の438億5800万円、最終利益が同2.0倍の181億6300万円と大幅な増収増益となった。通期計画に対する最終利益の進捗率は約45%と順調な滑り出しとなっており、業績の上振れを期待した買いが集まったようだ。6月に発売したシリーズ最新作「ストリートファイター6」の販売が好調で業績拡大に大きく貢献した。3月発売の「バイオハザードRE:4」なども収益を押し上げる要因となったほか、アミューズメント施設事業も増収増益となった。同社はあわせて、ゲーム開発における3DCG制作などを手掛けるソードケインズスタジオ(東京都千代田区)の株式を取得し、完全子会社化したと開示している。
■シーユーシー <9158> 3,100円 +351 円 (+12.8%) 一時ストップ高 11:30現在
シーユーシー<9158>が一時ストップ高となる前営業日比501円高の3250円に買われる場面があった。26日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上収益が前年同期比24.4%減の76億6300万円、最終利益が同47.3%減の4億8200万円となった。減収減益となったものの、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援サービスの縮小の影響を除き、医療機関支援やホスピス、居宅訪問介護などの既存サービスの売上成長率は28%となった。ホスピス施設数を今後更に拡大する計画なども示されており、中期的な収益拡大を期待した買いを呼び込んだようだ。
■JFEシステムズ <4832> 2,811円 +248 円 (+9.7%) 11:30現在
JFEシステムズ<4832>は急伸。26日の取引終了後に発表した4~6月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比12.1%増の151億6900万円、営業利益が同46.0%増の17億8500万円だった。あわせて、記念配当の実施を発表しており、これを好感した買いが膨らんでいる。鉄鋼部門の製鉄所システムリフレッシュの進展をはじめ、各部門での事業が堅調に推移したことが業績を押し上げた。記念配当については中間期末に10円を実施する。これにより、年間配当は102円(前期97円)となる見通し。
■未来工業 <7931> 2,960円 +187 円 (+6.7%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
未来工業<7931>が大幅高。26日の取引終了後に24年3月期第1四半期(3月21日~6月20日)の連結決算を発表。最終利益は前年同期比99.2%増の10億4200万円と大幅な増益となった。中間期の計画に対する進捗率は56%と順調な滑り出しとなったほか、プライム市場における全ての上場維持基準に適合する見込みとなったと同時に開示しており、これらを評価した買いが入ったようだ。売上高は同14.6%増の110億6400万円だった。電材及び管材部門では、建築工事現場での作業の省力化につながる商品など多種多様な製品展開を推進。電線管類及び付属品が好調に推移し、大幅な増収増益となった。半面、配線器具部門では高付加価値製品の売上比率が上昇したものの、原材料高や人件費の増加が響き、増収減益となった。同社はこれまでプライム市場の上場維持基準のうち、「1日平均の売買代金」に関する基準に適合していなかったが、6月末時点で適合した。
■ジャムコ <7408> 1,643円 +100 円 (+6.5%) 11:30現在 東証プライム 上昇率4位
ジャムコ<7408>が3日ぶりに急反発した。米ボーイング<BA>が26日に第2四半期(4~6月)の決算を発表した。1株損益は赤字となったが、商用機部門は持ち直しが続いた。フリーキャッシュフロー(純現金収支、FCF)が黒字化したことに投資家の注目が集まったほか、737型機の生産ペースを引き上げる方針を示したとあって、同日の米国市場でボーイングの株価は急伸。ボーイングの旅客機に厨房設備などを供給するジャムコに対しては、今後の受注拡大への思惑を広げる格好となり、買いが集まったようだ。航空機向けチタンを手掛ける大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>や東邦チタニウム<5727>も堅調に推移している。
■弁護士ドットコム <6027> 3,920円 +230 円 (+6.2%) 11:30現在
弁護士ドットコム<6027>が大幅高で4連騰。26日の取引終了後、「マイナンバーカード署名」サービスの開始を発表した。また、弁護士向け実務サービスにおいて、生成AIを活用したリサーチ支援サービスを今年秋から提供開始するとも公表し、これらのサービス拡大を期待した買いを集めたようだ。マイナンバーカードに搭載された電子証明書を用いて、文書へ電子署名を付与することができる機能を、同社の契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」で提供する。電子契約サービスでのこうした機能の提供は日本初という。高額商品の売買契約や賃貸借契約、金銭消費貸借契約など、実印を利用する契約での利用を見込む。提供開始にあたり、同社は6月21日に総務省から公的個人認証サービスを利用するために必要な一定の基準を満たす事業者としての認定を受けた。弁護士向けの生成AI活用のサービスでは、特に時間と手間のかかるリサーチ業務の効率化につながるサービスを第1弾として開始するとともに、更なる事業拡大に向け検討を進める方針。同時に発表した24年3月期第1四半期(4~6月)の単体決算は、売上高が前年同期比22.1%増の23億9200万円、経常利益が同78.1%増の2億4600万円だった。なお、同社は27日、相続の相談・トラブル解消に特化した弁護士検索サイトの公開も発表している。
■JCRファーマ <4552> 1,373.5円 +56.5 円 (+4.3%) 11:30現在
JCRファーマ<4552>が3日続伸となっている。同社は26日取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比34.5%増の20億6600万円となり、通期計画56億円に対する進捗率が36.9%となっていることが好感されているようだ。売上高は同12.5%増の108億800万円で着地。遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」をはじめ、主力製品の販売が好調に推移したことなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■川崎汽船 <9107> 4,290円 +98 円 (+2.3%) 11:30現在
川崎汽船<9107>が4300円台を回復し年初来高値更新を目前に捉えているのをはじめ、海運株が軟調地合いのなか総じて強さを発揮している。業種別騰落で「海運」は値上がり率のトップ。前日の米国株市場ではFOMC通過後に景気敏感株中心に買いが続いたが、半導体関連などハイテク系グロース株は値を下げる銘柄も多かった。足もとではバリュー株優位の地合いとなっている。そのなか低PBRで高配当利回りの海運セクターが投資資金の受け皿となっている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数はここ再び1000の大台を割り込んで推移しているが、バルチック指数への影響が大きいとされる中国経済については中国政府当局の景気刺激策への期待感が高まっており、海運株への買い戻しを誘発している。
■ABEJA <5574> 5,450円 +110 円 (+2.1%) 11:30現在
ABEJA<5574>が大幅続伸、株価は14日にストップ安で下放れ、その後はザラ場5000円台割れまで売り込まれる場面もあったが、5000円近辺では押し目買いも活発で安値圏でのもみ合いを続けてきた。人工知能(AI)を活用した企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)導入支援ビジネスで時流を捉え、業績は成長局面に突入している。23年8月期の業績予想は営業利益段階で3億9000万円の黒字(前期は1億6300万円の赤字)を予想しているが、第3四半期(22年9月~23年5月)時点で進捗率は97%に達しており、上振れの可能性も意識されるところ。株式需給面では貸株調達による証券会社経由の空売りが急増していたことから、この買い戻しが株価に浮揚力を与えているもようだ。
■大塚商会 <4768> 5,761円 +114 円 (+2.0%) 11:30現在
大塚商会<4768>が続伸。システムインテグレータ大手でシステム開発から保守まで一気通貫で手掛けており、業績も絶好調に推移している。26日取引終了後に23年12月期通期業績予想の上方修正を発表した。売上高は従来予想の9010億円から9540億円(前期比11%増)に営業利益は586億円から622億円(同14%増)に増額した。売上高、営業利益ともに4期ぶり過去最高を更新する見込みとなった。これが評価される形で投資資金を呼び込んでいる。
■三菱UFJ <8306> 1,074.5円 +6 円 (+0.6%) 11:30現在
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社がいずれも頑強な値動きで目を引いている。あすに日銀金融政策決定会合の結果が公表されるが、今のところ大規模金融緩和策の現状維持が濃厚との見方が強い。しかし、市場では「業界関係者でも意見が分かれており、株関係者の見方は政策変更なしでほぼ一致しているが、債券関係者の一部ではイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を行うという見方が浮上している。微妙に雰囲気が変わっており、銀行株は売りポジションを取っていた向きが一部買い戻してポジションを軽くしている形跡がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれ、メガバンクの強調展開に反映されているようだ。
■トプコン <7732> 1,693円 -372 円 (-18.0%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
トプコン<7732>はマドを開けて売られる。26日の取引終了後に4~6月期(第1四半期)決算を発表し、最終損益は前年同期の黒字から1億9900万円の赤字に転落して着地した。通期で黒字を見込んでいるだけに、これが嫌気されている。人員増やインフレ影響に伴う経費の増加、一過性の減損損失が響いた。各事業が堅調だったことや円安の影響もあり、売上高は前年同期比5.7%増の496億9500万円だった。なお、通期見通しは据え置いた。
■サイバーエージェント <4751> 906.9円 -127.6 円 (-12.3%) 11:30現在 東証プライム 下落率2位
サイバーエージェント<4751>は年初来安値更新。26日の取引終了後に23年9月期業績予想の修正を発表。営業利益を前期比63.8%減の250億円とし、従来予想のレンジ(400億~500億円)から大幅に引き下げたことが嫌気されている。スマートフォンゲームの周年イベントの重なりなどで第2四半期に大きく伸びたゲーム事業の反動が想定よりも大きかった。メディア事業や広告事業が順調なことから、売上高については従来予想(前期比1.3%増の7200億円)を据え置いた。同時に発表した第3四半期累計(22年10月~23年6月)決算は、売上高が前年同期比0.1%増の5349億7300万円、営業利益が同66.1%減の189億6600万円だった。
■日東電工 <6988> 9,781円 -519 円 (-5.0%) 11:30現在 東証プライム 下落率6位
日東電工<6988>が大幅安。26日の取引終了後に4~6月期(第1四半期)決算を発表し、営業利益は前年同期比41.8%減の224億1100万円だった。通期で小幅ながらも増益を見込んでいるだけに、第1四半期時点での大幅減益がネガティブ視され売られている。円安による増益効果があったものの、販管費の増加や新型コロナワクチン向け核酸アジュバントを手掛けるヒューマンライフ部門の赤字が響いた。売上高は同3.7%減の2084億5500万円だった。なお、通期の小幅増収増益見通しは据え置いている。
■キヤノン電子 <7739> 1,790円 -91 円 (-4.8%) 11:30現在 東証プライム 下落率8位
キヤノン電子<7739>は大幅続落。26日の取引終了後に発表した23年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算は、売上高が前年同期比6.7%増の484億8900万円、営業利益が同4.5%減の24億7900万円だった。直近3カ月間の第2四半期では減収で、営業利益の減益率は40%台となった。業績のモメンタム鈍化を懸念した売りが膨らんだようだ。第2四半期累計では、ドキュメントスキャナーが部品の納期遅延による生産調整や需要の減少を背景に、欧米や中国、日本での販売が落ち込んだ。関係会社のスペースワンでは小型ロケット打ち上げサービス開始に向けた準備費用が引き続き発生した。
■フジオーゼックス <7299> 3,975円 +700 円 (+21.4%) ストップ高買い気配 11:30現在
フジオーゼックス<7299>がストップ高カイ気配。同社は26日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想と年間配当計画を上方修正したことが好感されているようだ。今期の売上高は前期比7.4%増の232億円(従来予想は220億円)、営業利益は同95.6%増の17億円(同10億円)になる見通し。国内での自動車メーカーのバックオーダー解消の取り組みなどによる生産回復や北米向けの受注増加が主な要因だとしている。また、年間配当については、中間配当と期末配当をそれぞれ従来計画比10円増額の75円とし、年間配当は150円(前期は130円)となる。
●ストップ高銘柄
フジオーゼックス <7299> 3,975円 +700 円 (+21.4%) ストップ高買い気配 11:30現在
以上、1銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース