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【市況】株価指数先物【寄り前】 米利上げ長期化への警戒は和らぐも、円高が重荷となる可能性


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32030 +90 (+0.28%)
TOPIX先物 2226.0 +3.0 (+0.13%)
シカゴ日経平均先物 32035 +95
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 12日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を決定する上で重要なインフレ指標である6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.0%上昇(5月は4.0%上昇)、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは同4.8%上昇(同5.3上昇)と伸びが鈍化した。いずれも市場予想を下回ったことで、利上げ長期化への過度な懸念が和らいだ。

 CPIの伸びが市場予想ほどではなかったことを受け米長期金利が低下し、大型テック株やハイテク株の一角が買い戻された。NYダウの上げ幅は一時300ドルを超す場面も見られたが、6月の米卸売物価指数(PPI)の発表を13日に控えていることもあり、終盤にかけて伸び悩んだ。ナスダックは年初来高値更新で昨年4月以来の水準を回復。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、公益事業が上昇した一方で、ヘルスケア機器・サービス、保険、資本財が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比95円高の3万2035円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比変わらずの3万1940円で始まり、一時3万1810円まで売られた。売り一巡後はショートカバーが強まり、米国市場の強い値動きを受けて、3万2250円まで買われる場面も見られた。ただし、買い一巡後は戻り待ちの売りに押されて軟化し、終盤にかけては3万1980円~3万2110円処での保ち合いを継続。こう着感が強まるなか、3万2030円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや買い先行で始まることになりそうだ。米国市場がCPIの結果を受けてハイテク株主導でのリバウンドを見せたことから、日経平均型の買い戻しが入りそうだ。ナイトセッションで3万2000円を上回って終えたこともあり、同水準が心理的なサポートとして意識されやすいだろう。

 しかし、円相場は1ドル=138円台と円高に振れており、円安を手掛かりとしたこれまでのポジションで利益確定が強まる可能性があり、ショートを仕掛けてくる動きは警戒されやすい。日経225先物は足もとでボリンジャーバンドの-1σ(3万2380円)と-2σ(3万1840円)によるレンジ内で推移しており、-1σ接近で戻りの鈍さが意識される局面では、下へのバイアスが強まりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万1875円~3万2375円のレンジを想定する。

 VIX指数は13.54に低下した。6営業日ぶりに14.00を下回り、25日移動平均線を割り込んできた。リスク選好に向かいやすくショートカバーが先行すると考えられるが、日経225先物が-1σ水準を明確に上放れてくるのを見極めたいところであろう。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。ボリンジャーバンドの-1σと-2σによるレンジ推移だった。下向きのトレンドは継続しているが、米国市場の流れを受けて、日経平均型の重荷となっていた東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きいハイテク株の買い戻しにより、NTショートの巻き戻しに向かいそうである。

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