【市況】株価指数先物【寄り前】 需給イベント通過で押し目待ち狙いのロング対応
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32310 +170 (+0.52%)
TOPIX先物 2250.0 +11.5 (+0.51%)
シカゴ日経平均先物 32270 +130
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁など3人の当局者が年内2回の利上げが必要との見解を示すなか、売りが先行して始まった。ただし、売り一巡後は自律反発狙いの買いが景気敏感株などに入り上昇に転じた。S&P500業種別指数は消費者サービス、耐久消費財・アパレル、商業サービス・用品が上昇した一方で、電気通信サービス、自動車・同部品、メディアが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比130円高の3万2270円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比40円安の3万2100円で始まり、寄り付きを安値にリバウンドを見せて一時3万2370円まで買われた。買い一巡後は3万2200円~3万2320円辺りで保ち合い、3万2310円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになりそうだ。米国市場は主要な株価指数が反発したが、自律反発の域は脱しておらず、手掛かり材料に欠ける面がある。また、アップル<AAPL>やアマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>など大型テック株の一角が売られた半面、キャタピラー<CAT>、ウォルマート<WMT>、ホームデポ<HD>など出遅れている銘柄が買われており、リバランス中心の商いにとどまっていた。
日経225先物はパッシブ型ETFの決算に伴う需要イベントを通過したことで、下値の堅さは意識されるものの、積極的なロングは期待しづらいところであろう。ボリンジャーバンドの-1σが3万2320円辺りに位置しており、まずは同水準を明確に突破し、支持線に変えてくるかを見極めたい。戻りの鈍さが意識される局面では、短期筋のショートが入りやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万2250円を中心とした上下の権利行使価格となる3万2000円~3万2500円のレンジを想定する。不安定な展開が続く可能性はあるが、パッシブ型ETFの決算に絡んだ需給要因がなくなったことで、3万2000円に接近するようであれば、押し目狙いのロングでの対応に向かわせそうだ。また、-1σを上回って底堅さが意識されてくるようであれば、レンジ上限を想定した強めのロング対応としたい。
VIX指数は15.07に上昇した。75日移動平均線に上値を抑えられているが、足もとではやや下値を切り上げてリバウンドを見せてきており、ボトム圏での推移とはいえ、市場心理を神経質にさせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に低下した。一時14.30倍まで下げており、ボリンジャーバンドの-3σに接近する場面も見られた。米国市場の流れからNTショートに傾きやすいと考えられるものの、これまで-3σから反転を見せてきた経緯から、そろそろNTショートの巻き戻しが意識されよう。
株探ニュース