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【市況】ダウ平均は一時400ドル超上昇 ソフトランディグへの楽観的な雰囲気が広がる=米国株前半

NY株式15日(NY時間13:30)
ダウ平均   34352.53(+373.20 +1.10%)
ナスダック   13718.58(+92.10 +0.68%)
CME日経平均先物 33500(大証終比:+90 +0.27%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅反発。上げ幅は一時400ドルを超えた。前日のFOMCを受けての利益確定売りの流れを引継ぎ、序盤は売り先行で始まったものの、直ぐに買戻しが入り、上値追いの展開を加速させている。

 FRBは利上げを一時停止したものの、年内にあと2回の追加利上げの可能があることを示唆した。市場では想定以上にタカ派色が強かったとの印象が広がっているが、パウエル議長の会見では利上げペースについては慎重さも覗かせていた。これまでは毎会合ごとに急速な利上げを実施してきたが、利上げサイクルも8合目まで来ており、この先は経済指標を確認しながら、慎重に頂上にアプローチして行きたいといったところなのかもしれない。

 市場も7月については0.25%ポイントの利上げの可能性を有力視しているものの、それ以降については未知数といった状況で、2回目の追加利上げを積極的に織り込む動きまでは見られていない。

 市場からは、「今回のFOMCはFRBが金利サイクルの上昇段階から調整段階への移行が示されたが、追加利上げを行う用意があることに疑いはない。しかし、今後の動きは、より制限的な金利スタンスが正当化されることを示すデータに基づいて、より断続的に、より小幅に行われる」との指摘が出ていた。

 そのような中でこの日発表の経済指標がまちまちの内容で、米小売売上高は予想外の増加を示した一方、米新規失業保険申請件数は米労働市場の緩和を示す弱い内容となった。

 米株式市場には楽観的な雰囲気が広がっている。追加利上げは可能性が高いが、終了に近づいている一方で、実体経済は底堅く推移しており、ソフトランディグへの期待も高まっている状況で、株式市場を支えているようだ。

 「現在の市場にとって重要なのはバリュー株や景気循環株がIT・ハイテク株といった成長株に追いつくことができるかということだ。もしそうなれば、その勢いは市場全体を上昇させる力を持つことになる」とのコメントも出ている

 取引開始前にスーパーのクローガー<KR>が決算を発表し、株価は軟調な動きが見られている。1株利益は予想を上回ったものの、期待ほどではなかったほか、通期の1株利益の見通しも据え置いたことが嫌気されている模様。

 マイクロソフト<MSFT>が6日続伸し、IT・ハイテク企業としてはアップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>に次いで今年3番目の終値べースでの最高値更新となる。ここ数カ月、AIブームに乗って同社株には買いが膨らんでいる。

 なお、引け後にはアドビ<ADBE>が決算を予定している。

クローガー<KR> 45.80(-1.41 -2.98%)

アップル<AAPL> 185.17(+1.22 +0.66%)
マイクロソフト<MSFT> 345.20(+7.86 +2.33%)
アマゾン<AMZN> 126.19(-0.23 -0.18%)
アルファベットC<GOOG> 124.57(+0.19 +0.15%)
テスラ<TSLA> 256.83(+0.04 +0.01%)
メタ・プラットフォームズ<META> 279.99(+6.64 +2.43%)
AMD<AMD> 124.22(-3.11 -2.44%)
エヌビディア<NVDA> 429.83(-0.14 -0.03%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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