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【市況】株価指数先物【寄り前】 ショートカバーが強まりやすい需給状況、こう着感が強まる局面では押し目狙いのロング対応


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 33400 +370 (+1.12%)
TOPIX先物 2289.0 +26.0 (+1.14%)
シカゴ日経平均先物 33415 +385
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。金融政策の判断材料として注目されていた5月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比4.0%上昇と前月の4.9%から伸びが鈍化。食品とエネルギーを除くコアCPIも同5.3%上昇と、同5.5%から伸びが鈍った。この結果を受けて、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの見方が改めて強まった。また、中国が金利引き下げに加え、広範囲にわたる景気刺激策を検討しているとの報道も材料視された。S&P500業種別指数は自動車・同部品、素材、半導体・同製造装置が上昇した一方で、電気通信サービス、公益事業、テクノロジー・ハード・機器が小幅に下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比385円高の3万3415円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比40円高の3万3070円で始まり、直後に付けた3万3060円を安値に切り返し、3万3270円まで買われた。買い一巡後は3万3120円~3万3230円辺りでこう着したが、米国市場の取引開始後にレンジを切り上げると3万3540円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては3万3370円~3万3470円辺りで保ち合い、3万3400円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになりそうだ。米国ではCPIの結果を受けて、FOMCで利上げが見送られるとの観測が一段と強まり、景気敏感株などが買われた。また、エヌビディア<NVDA>が3.9%の上昇と半導体株も強い動きを見せ、SOX指数は1.15%の上昇となっており、指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均株価をけん引する展開が見込まれる。

 日経225先物は3万3280円辺りに位置するボリンジャーバンドの+2σを上回り、上昇ピッチが加速してきており、過熱感が警戒されやすい。FOMC後に公表される参加メンバーらの政策金利見通しやパウエルFRB議長の会見内容を見極めたいとする市場参加者は多く、積極的な上値追いのロングは限られそうだ。しかし、ダブルインバースの建玉は高水準であり、ショートカバーが強まりやすい需給状況である。買い一巡後にこう着感が強まる局面では、押し目狙いでのロング対応に向かわせよう。

 日経225先物は節目の3万3500円を回復したことで、オプション権利行使価格の3万3250円~3万3500円のレンジを明確に上放れてくる可能性がある。ボリンジャーバンドの+2σ水準での攻防が意識されるとみられるが、+3σは3万4360円まで切り上がってきており、過熱感からのショートは避けておきたい。

 VIX指数は14.61に低下し、再び15.00を下回った。ただし、主要な株価指数が上昇するなかで直近の安値水準までの低下とはならず、FOMCの結果待ちといったところであろう。とはいえ、ボトム圏での推移を継続しているため、リスク選好に傾きそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.59倍に上昇し、2022年8月高値の14.58倍を超えてきた。指数インパクトの大きい値がさ株がけん引するなか、日経平均型優位の状況である。とはいえ、いったんは達成感からNTロングの巻き戻しが入りやすい水準と考えられる。米景気の先行きに対する懸念が後退しているため、景気敏感株への物色も広がりやすく、ややNTショートに向かわせそうだ。なお、同水準を明確に上放れてくると、21年2月高値の15.68倍に向けたトレンドが意識されやすいため、中長期目線ではNTロングでの対応となろう。

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