【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:ユーザーロカ、近鉄GHD、ファストリ
ユーザーロカ <日足> 「株探」多機能チャートより
ユーザーローカル<3984>が約12%の急騰で2400円台まで浮上、4月12日につけた年初来高値2318円を大幅に更新した。値上がり率は午前11時現在、プライム市場で第2位にランクされている。米国株市場に追随する形で、ここにきて東京市場でも人工知能(AI)関連株への物色人気が本格化しており、その流れに乗っている。同社はAI関連株の中でも業績成長トレンドが顕著で、実態面からの評価が高い。ビッグデータ解析やAI技術を活用した業務支援ツールが、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を捉え、23年6月期は営業利益が前期比15%増の11億7800万円予想と2ケタ成長を見込むが、株式公開後の17年6月期から数えてこれで6期連続の過去最高更新となる。生成AI分野への展開も抜かりなく、企業向け生成AIプラットフォーム「ユーザーローカルChatAI」を開発し、今後の需要獲得が期待されている。
■クリアル <2998> 6,550円 +700 円 (+12.0%) 11:30現在
クリアル<2998>が急騰し、上場来高値を連日で更新した。前週末2日の取引時間中に、同社が運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL(クリアル)」において、5月に約24億円のファンド組成を完了したと発表した。4月の組成額を上回ったことを好感した買いが続き、株高に弾みがついたようだ。組成したファンドは「第85号『(仮称)Hmlet CREAL 銀座築地』ファンド」など3件。4月の組成件数は4件で、組成額は約21億円だった。また、同社は2日の取引終了後に、クラウドファンディングで組成したファンドに関する販売用不動産の売却についても発表した。売却を決めたのは東京都足立区の「CREAL ロジスティクス東京鹿浜」と、神奈川県綾瀬市の「CREAL ロジスティクス綾瀬」。いずれも物件の用途は倉庫で、24年3月期の業績予想には織り込み済みとしている。
■近鉄GHD <9041> 4,821円 +156 円 (+3.3%) 11:30現在
近鉄グループホールディングス<9041>は続急伸。前週末2日の取引終了後、2021年5月に公表した中期経営計画の目標経営指標を見直したと発表。このなかで、24年度の営業利益目標について、これまでの650億円以上から860億円以上に引き上げており、好感されたようだ。24年度までの2年間は、鉄道事業の運賃改定やグループ各事業のアフターコロナからの回復戦略により、経営基盤の更なる強化を図る。更に、大阪・関西万博や、大阪での統合型リゾート(IR)の開業に向けてグループを挙げて取り組むほか、事業基盤の拡充に向けた戦略投資なども想定しているとし、次期経営計画以降に営業利益を1000億円以上とする「目標イメージ」も示した。近鉄GHDは今期の業績予想も公表した。営業収益は前期比16.6%増の1兆8200億円、営業利益は同25.1%増の840億円となる見通し。年間配当は前期と横ばいの50円とした。連結子会社のKNT-CTホールディングス<9726>において新型コロナ関連業務を巡る過大請求が判明したことを背景に、近鉄GHDは期末後50日を超えての決算発表となった。
■ファーストリテイリング <9983> 33,850円 +960 円 (+2.9%) 11:30現在
ファーストリテイリング<9983>が3日続伸している。前週末2日の取引終了後に発表した5月度の国内ユニクロ売上速報で、既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比4.4%増と6カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。前年に比べて休日が1日少ない影響もあり、客数は同3.7%減となったものの、夏物商品やトレンドを捉えた商品の販売が好調だったことで、客単価が同8.4%増となったことが牽引した。
■フェローテク <6890> 3,145円 +60 円 (+1.9%) 11:30現在
フェローテックホールディングス<6890>が5日ぶりに反発している。前週末2日の取引終了後、半導体製造装置用の金属ベローズ(じゃばら)や真空バルブの開発・製造を行う入江工研(東京都千代田区)と、中国の半導体製造装置メーカー向け真空バルブ製品などの製造・販売を行う合弁会社を設立したと発表しており、好材料視されている。新会社「安徽入江富楽徳精密機械」は、入江工研が有する高度な半導体製造装置用の金属ベローズや真空バルブの開発・製造技術と、フェローテクの中国子会社が有する最新の金属加工設備や中国大手半導体製造装置メーカーなどの顧客基盤のリソースを組み合わせることで、中国の半導体製造装置の真空機器関連市場におけるフェローテクグループの市場シェアとブランド力の向上を図るのが狙い。なお、同件による24年3月期業績への影響は軽微としている。
■アダストリア <2685> 2,831円 +47 円 (+1.7%) 11:30現在
アダストリア<2685>が続伸し年初来高値を更新している。前週末2日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比11.2%増と15カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。昨年に比べて休日が1日少ない影響が2ポイントあったと試算されるものの、ゴールデンウィーク中に天候に恵まれ、前年以上に人流が回復したことや、月を通して気温が高く推移したことで夏商品の販売が順調だった。ブランド別では、グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム、スタディオクリップなどが堅調だった。なお、全店売上高は同13.6%増だった。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,069円 +98 円 (+1.6%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>がカイ気配スタートで3連騰、2月上旬以来約4カ月ぶりとなる6000円台に乗せてきた。前週末の米国株市場ではNYダウが700ドルあまりの大幅高となったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も上値指向が鮮明で、週間では6週連続の続伸となった。これを受け東京市場でもリスクオン相場が加速している。そのなか、同社株は先物主導のインデックス買いを追い風に、空売りの買い戻しも加わり上げ足を強めている。日米で人工知能(AI)関連株への物色人気が高まるなか、傘下のファンドを通じて世界のAIベンチャーに積極投資している同社株は、その象徴株の一角としてもマーケットの視線を集めている。
■日本製鉄 <5401> 2,841.5円 +44.5 円 (+1.6%) 11:30現在
日本製鉄<5401>、JFEホールディングス<5411>など鉄鋼株への買いが目立つ。前週末の米国株市場ではNYダウが今年最大の上げ幅を記録し、ハイテク系グロース株だけでなく景気敏感株への買い戻しが顕著だった。前週の東京市場では、中国景気減速懸念などを背景に鉄鋼株などの景気敏感株に大きく売りが先行する場面があったが、目先は米株市場の地合いを引き継ぎ買い直される動きとなっている。なお、東証が低PBR是正に向けた経営改善要請を行うなかで、日本製鉄のPBRは0.6倍台、更にJFEはPBR0.5倍前後と、指標面からの割安感も株高修正要因として引き続き意識されている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,033円 +23.5 円 (+1.2%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>が3日続伸と上値追い態勢を明示している。前週末に大陽線で年初来高値を更新したが、きょうも買いが続き新値街道を走る展開。世界的なリスクオン相場が続いており、そのなか相対的に割安な日本株への買いに弾みがついている。直近では米長期金利が上昇傾向にあり、日米金利差拡大の思惑から外国為替市場ではドル高・円安が進行、再び1ドル=140円台に入っており、輸出採算改善への期待から同社株には追い風が強い。独ダイムラートラックとの商用車で提携を報じられたことも株価を刺激している。
■ユナイテッドアローズ <7606> 2,353円 +16 円 (+0.7%) 11:30現在
ユナイテッドアローズ<7606>が続伸している。前週末2日の取引終了後に発表した5月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比10.5%増と6カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。前年に比べて休日が1日少ない影響がマイナス1.5%程度あったものの、ビジネス、カジュアルとも夏物衣料の動きが活発化したことが寄与した。ジャケット、パンツ、ワンピースに加え、半袖衣料全般、スニーカー、サンダルなどが好調だった。なお、全社売上高は同10.6%増だった。
■アインホールディングス <9627> 5,128円 -712 円 (-12.2%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
アインホールディングス<9627>が急反落している。前週末2日の取引終了後に発表した24年4月期連結業績予想で、売上高3750億円(前期比4.5%増)、営業利益156億6300万円(同2.1%減)、純利益82億5000万円(同10.7%減)と増収減益を見込むことが嫌気されている。調剤薬局の新規開発やコスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」の好立地への継続的な出店、M&Aの積極活用などにより売上高は伸長を見込むものの、原材料価格や燃料価格の高騰及び諸物価の上昇継続やシステム投資、人員増に伴う人的コストの増加などが利益を圧迫する。なお、23年4月期決算は、売上高3587億4200万円(前の期比13.4%増)、営業利益160億400万円(同5.7%増)、純利益92億3400万円(同30.2%増)だった。
■ハイレックス <7279> 1,115円 -43 円 (-3.7%) 11:30現在
ハイレックスコーポレーション<7279>が急反落した。前週末2日の取引終了後、23年10月期第2四半期累計(22年11月~23年4月)の連結決算発表にあわせ、今期の業績予想の修正を発表した。最終利益の見通しをこれまでの36億円から13億円(前期は71億2000万円の最終赤字)に下方修正しており、嫌気されたようだ。今期の売上高予想は2880億円から2851億円(前期比11.5%増)に引き下げた。北米地域での価格改定効果の出現が想定よりも遅れる見通しとなったほか、中国での労務費の増加や主要顧客による影響などもあり、業績予想に反映した。
■ニトリホールディングス <9843> 17,215円 -370 円 (-2.1%) 11:30現在
ニトリホールディングス<9843>が反落している。2日の取引終了後に発表した5月度の月次国内売上高で、既存店売上高が前年同月比4.5%減と2カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気されている。テレビCMの効果やエアコンキャンペーンなどで寝具寝装品、家電製品の売り上げが好調に推移した一方、前年に比べて気温の低い日が続いたことなどが響いた。なお、全店売上高は同1.9%減だった。
■カナモト <9678> 2,148円 -19 円 (-0.9%) 11:30現在
カナモト<9678>が反落した。前週末2日の取引終了後に発表した23年10月期第2四半期累計(22年11月~23年4月)の連結決算は、最終利益が前年同期比35.6%減の29億2400万円だった。大幅な減益となったほか、通期の計画に対する進捗率は約35%にとどまっており、業績の下振れを警戒した売りが出たようだ。売上高は同3.8%増の972億6800万円だった。建設機械のレンタル需要は底堅く推移したものの、減価償却費や販管費が増加した。
■ニデック <6594> 7,364円 -7 円 (-0.1%) 11:30現在
ニデック<6594>が冴えない。前週末2日の取引終了後、23年3月期の中間配当(1株35円)に関し、会社法及び会社計算規則により算定した分配可能額を超過していたことが判明したと発表。これが株価の重荷となったようだ。株主に配当金の返還を求めるものではないという。22年9月1日以降、23年3月31日までに信託契約にもとづいて信託銀行が実施した同社株式の取得についても、分配可能額を超過していた。会計監査人のPwC京都監査法人も見落とし、指摘できていなかったという。23年3月期の期末配当決定額(同35円)については、前期の分配可能額の範囲内であることを確認しており、これまでの開示の通りに実施する。同社は2日付で、外部調査委員会を設置した。調査の結果は判明次第、速やかに公表するとしている。
■アクセルマーク <3624> 349円 +80 円 (+29.7%) ストップ高 11:30現在
アクセルマーク<3624>が急反騰してストップ高の349円に買われている。同社は2日、同社が取り組む動画NFTトレーディングカードサービスについて、プレイシンク(東京都新宿区)と連携し、メディアミックスプロジェクト「HIGH CARD」の世界初のデジタルコレクションサービス「HIGH CARDデジタルトレカコレクション」を開始したとしていることが好感されている。同プロジェクトは、「アニメなどの映像作品IPの動画をNFTトレーディングカードとして発行するサービス」の提供を目指したもの。今回開始した「HIGH CARDデジタルトレカコレクション」では、ライセンス許諾獲得の取次業務を担当している。
■フィーチャ <4052> 726円 +100 円 (+16.0%) ストップ高買い気配 11:30現在
フィーチャ<4052>がカイ気配。同社は車載用を主力に画像認識ソフトの開発を手掛けるが、前週末2日取引終了後、自動車部品で世界最大手の独ボッシュと資本・業務提携することを発表、これがポジティブサプライズとなり投資資金が集中している。ボッシュを割当先とする29万3937株の第三者割当増資と29万3936株の売り出し(譲渡)を実施する。発行・売出価格は619円だが、今後の業容拡大効果に期待する買いを呼び込む格好となった。
●ストップ高銘柄
Arent <5254> 6,840円 +1,000 円 (+17.1%) ストップ高 11:30現在
マキュリRI <5025> 697円 +100 円 (+16.8%) ストップ高 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース