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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 権利行使価格の3万1875円~3万2250円のレンジを想定、ヘッジ対応のショートカバーが強まりやすい


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 31970 +420 (+1.33%)
TOPIX先物 2215.0 +31.5 (+1.44%)
シカゴ日経平均先物 31965 +415
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 2日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦政府の債務上限法案が1日までに上下両院で可決され、デフォルト(債務不履行)が回避されたことでリスク選好の流れが強まった。また、5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比33万9000人増と市場予想(19万人増)を大きく上回った。一方で、失業率は予想を上回ったほか、平均時給の前年同月比の上昇率は市場予想を下回った。この結果を受けて、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを見送るとの見方につながり、一段と相場を押し上げた。NYダウは今年最大の上げ幅を記録、ナスダックが昨年4月半ば以来となる1万3200ポイントを回復。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、資本財、素材、自動車・同部品の上昇率が3%を超えた半面、電気通信サービス、半導体・同製造装置の2セクターが下落した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比415円高の3万1965円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比60円高の3万1610円で始まり、寄り付きを安値に上げ幅を広げ、3万1740円~3万1860円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを切り上げると一時3万2010円まで買われた。終盤にかけては3万1940円~3万2000円処で推移し、3万1970円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。日経225先物は、ナイトセッションで一時節目の3万2000円を回復しており、週末に先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えるなかで水準を切り上げていることから、ヘッジに伴うショートカバーが強まることになりそうだ。

 テクニカル面では、ボリンジャーバンドの+1σと+2σに沿った推移を継続している。先週は一時3万790円まで急落し、+1σを一時下回る場面も見られたが、翌日の日中取引で3万1000円を回復し、3万1000円割れ水準での押し目買い意欲の強さが確認された。2日の取引終了後の上昇で5月29日の高値3万1670円を突破して+2σを捉えてきた。

 +2σは3万2190円辺りまで切り上がっており、3万2000円回復によるピーク感は出にくいだろう。加速度的に+3σを突破してくるような局面があればピーク感が意識されるだろうが、+3σは3万3180円まで上昇している。過熱は警戒されるものの、ピーク感が出にくいなかで、断続的なショートカバーによって指数が押し上げられそうだ。そのため、積極的な上値追いは避けつつ、調整を見せる場面ではロングでの対応になろう。オプション権利行使価格の3万1875円から3万2250円のレンジを想定する

 VIX指数は14.60に下落し、2020年2月半ば以来の15.00を下回った。短期VIXは11.90に低下しており、リスク選好に向かいやすい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.44倍に低下した。東証プライムの9割超の銘柄が上昇した一方で、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]が上げ一服となった影響から、TOPIX優位だった。本日は米国市場の流れを受けて景気敏感株などで買い戻しが強まりやすく、NT倍率はやや低下を想定しておきたい。ただし、NTショートに傾けるというよりは、NTロングの利益確定に伴うリバランスが中心とみられ、ボリンジャーバンドの+1σが位置する14.38倍辺りに接近する局面では、NTロングの組成で対応したいところだ。

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