【市況】いったん達成感が意識される可能性も景気敏感株などへの出遅れ修正に/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
5日の日本株市場は、ギャップスタートになりそうだ。2日の米国市場はNYダウが701ドル高と今年最大の上げ幅となったほか、ナスダックは139ポイント高だった。債務上限を停止させる「財政責任法案」が上院でも可決し、デフォルト(債務不履行)が回避されたことで安心感が広がった。また、5月の雇用統計では強弱入り混じる内容を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るのではとの見方につながり、相場を一段と押し上げた。シカゴ日経225先物は大阪比415円高の31965円。円相場は1ドル140円00銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップから始まりそうだ。日経225先物は、ナイトセッションで一時32010円まで買われ、節目の32000円を回復した。先週はボリンジャーバンドの+1σを一時下回ったものの、翌日には31000円を回復するなど、31000円割れでの押し目買い意欲の強さが意識された。週末の上昇で5月29日の高値に接近していたが、本日の上昇でバブル後の戻り高値を更新することになろう。
ボリンジャーバンドの+1σ水準からのリバウンドによって+2σとのレンジを継続。+2σは32017円まで切り上がっており、同水準を上放れてくる局面においては、いったん達成感が意識される可能性はありそうだ。ただし、バンドは切り上がりを見せていることもあり、バンドに沿った上昇が見込まれる。過熱感が警戒されるなかで積極的な上値追いは限られる一方で、ショートカバーが日経平均を押し上げている需給状況であることから、ピーク感は出にくいと考えられる。そのため、過熱感からのショート対応は避けておきたいところだろう。
物色の流れとしてインデックスに絡んだ商いが中心となるが、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などは、これまで指数を押し上げてきた反動からリバランスの動きが入りやすく、やや景気敏感株などへの出遅れ修正に向かわせやすいだろう。そのため、出遅れ感のある中小型株を見直す動きなども意識されやすくなりそうだ。
《AK》
提供:フィスコ