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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 6月4日版

日経平均は週明け後1~3営業日程度で本年の最高値をつける公算
1. NYダウの2日の反発は一時的な動きで終わる公算
 前回の本コラムでは、 NYダウの5月の月足が陰線引けして、6月が陽線引けする場合、6月は「上値を試す動きになって、5月の高値での上値の重さを確認する作業になる(1998年、1999年パターン)」、「ジグザグの下降の流れの中で、6月が上値を試す動きになる(2004年パターン)」、「5月中、一気にその時点での下値の限界まで下げる動きを経過して、6月上旬に押し目をつける(2012年、2019年のパターン)」という3通りの動き方になっている、と述べました。
 本年は「前半が上値重く推移している経緯から、年初から上昇の流れを作り、それまでの最高値を確認する作業となっている1998年、1999年のケースとは異なる」と紹介しました。
 6月1日の安値3万2704ドルが押し目になった後の反発は、ジグザグの下降の流れの中での一時的な反発か、3万3000ドルが現時点での下値の限界となった後の上昇局面のどちらかだと推測できます。
 図1は、NYダウの6月の値動きを示しています。月足が陽線引けした年が「〇」、陰線引けした年が「●」となっています。6月は陽線確率が42%となっていて、1990年から2022年の期間では、最も下げ傾向の強い月です。
 1990年から2022年の期間で、年足が陰線引けした年は、1990年、2000年、2001年、2002年、2005年、2008年、2015年、2018年、2022年の9回あります。この中で、6月の月足が陽線引けした年は、1990年の1度だけです。
 1990年は、6月が保ち合いの動きとなって、たまたま2ドルだけ始値よりも高く引ける動きになっただけです。
図1 NYダウの6月の値動き
【タイトル】
 過去の経験則を考慮すると、本年が1年を通じて弱気に推移するなら、6月は前述の2004年のパターンとなってもみ合いの動きとなるか、陰線引けするという見方ができます。
 一方で、本年が年の後半に上昇の流れを作り、昨年12月の高値3万4712ドルを超える動きになるなら、2012年、2019年のパターンも考えられます。
 米連邦準備制度理事会(FRB)は、景気過熱を抑えるために金融引き締め政策を継続しています。最近話題となっていた米国債務上限引き上げ問題では、歳出削減を主張する共和党の意見を取り入れて、債務上限の適用を2025年1月1日まで停止する法案が成立しました。
 今年後半、明らかに現状よりも投資環境が悪くなっていると推測できる状況ですから、6月はもみ合いの動きとなるか、陰線引けするという見方が有力になります。
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