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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):四国電、SBテク、川崎汽

四国電 <日足> 「株探」多機能チャートより
■四国電力 <9507>  963円  +13 円 (+1.4%)  本日終値
 四国電力<9507>は上値追い継続。30日の取引終了後、従来未定としていた24年3月期業績予想について、最終損益を前期の赤字(228億7100万円の赤字)から285億円の黒字に転換する見通しを発表。あわせて、配当予想を30円で2期ぶりに復配する計画を明らかにしており、これらを好感した買いが入った。売上高予想については前期比5.0%増の8750億円とした。規制料金の値上げ認可時期を見通すことが難しい状況にあったため未定としていたが、5月19日に経済産業大臣の認可を受けたことから業績予想を公表した。

■SBテクノロジー <4726>  2,409円  +16 円 (+0.7%)  本日終値
 SBテクノロジー<4726>がしっかり。午後1時20分ごろ、農作業記録アプリ「agmiru(アグミル)」を提供する子会社リデンが、農林水産物に関する生産者・卸売業者・バイヤーをマッチングするシステム「agreach(アグリーチ)」を提供している流通経済研究所(東京都千代田区)と、農業分野におけるDX化促進・作物取引機会創出を目的に連携協定を締結したと発表しており、好材料視された。今回の提携により「agmiru」と「agreach」の相互システムの連携を開始する。これにより、生産者と作物を買い取る企業(買取企業)のマッチングを推進し、生産者はビジネス機会の拡大、買取企業側は農産物取引の効率化を実現するのが狙いとしている。

■川崎汽船 <9107>  3,135円  -165 円 (-5.0%)  本日終値
 川崎汽船<9107>と日本M&Aセンターホールディングス<2127>は軟調。12日に国際的な株価指数であるMSCIの定期入れ替えで、川崎汽が新規採用され日本M&Aが除外されることが発表された。きょうの引けにかけMSCI入れ替えに伴うリバランス売買が発生する見通しだが、全体相場が下落するなか、新規採用に伴う買い需要が期待される川崎汽も軟調な値動きとなった。

■日本製鉄 <5401>  2,715.5円  -121.5 円 (-4.3%)  本日終値
 日本製鉄<5401>が下げ幅を拡大した。この日、中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と、前月(49.2)から低下。市場予想も下回った。中国景気の減速懸念が広がるなか、世界的な鋼材市況に及ぼす影響が懸念され、鉄鋼株の重荷となったようだ。神戸製鋼所<5406>やJFEホールディングス<5411>も軟調に推移

■INPEX <1605>  1,480円  -47 円 (-3.1%)  本日終値
 INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が安い。30日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前週末比3.21ドル安の1バレル=69.46ドルと急反落した。米債務上限問題での議会審議を巡り警戒感が台頭していることが、原油相場の重しとなった。また、6月4日の「OPECプラス」会合では追加減産が見送られるとの観測が出ていることも上値を抑える要因となった。

■日経レバ <1570>  18,030円  -520 円 (-2.8%)  本日終値
 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が全般地合い悪のなか大幅反落。足もとで5日移動平均線を下回ってきた。日経平均株価に連動するETFで価格変動率が2倍に基本設定されており、全体相場のボラティリティが高まる場面では個人投資家を中心とした短期筋の売り買いが活発化する傾向が強い。最近は日経平均の高値警戒感から売り残が増加し、直近信用倍率は0.81倍と売り長状態にある。ただ、直近データでは売り残、買い残ともに減少しピーク越えの様相をみせていた。一方、日経平均とは逆方向に連動し価格変動率がマイナス2倍に基本設定されたNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>は5日ぶりに反発、こちらも直近データで売り残、買い残ともに減少傾向を示している。

■カナモト <9678>  2,177円  -60 円 (-2.7%)  本日終値
 カナモト<9678>が続落。30日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(22年11月~23年4月)連結業績予想について、営業利益が従来予想の62億円から53億2000万円(前年同期比25.0%減)へ、純利益が36億円から29億2000万円(同35.7%減)へそれぞれ下振れて着地したようだと発表したことが嫌気された。公共投資が底堅さを維持し、民間設備投資も緩やかな回復傾向が継続していることから、売上高は967億円から972億6000万円(同3.8%増)へやや上振れて着地した。ただ、各種プロジェクト工事などへの対応強化に向けて、需要の見込まれるレンタル用資産への先行投資を行い、営業拠点を新設するなど体制構築に努めるなどしたことや、将来を見据えた人財投資、グループ内での吸収合併などによる減価償却費や販管費の増加もあり、利益面は下振れた。

■レーザーテック <6920>  21,650円  -565 円 (-2.5%)  本日終値
 レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連は売りに押される展開。前日の米国株市場ではNYダウは軟調だったものの、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が大きく買われたことで、ナスダック総合株価指数は上昇して引けたほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら上値追い基調を維持した。東京市場でも半導体セクターの主力銘柄は、生成AIに絡む需要拡大をはやし、ここにきて物色人気が活発化している。ただ、きょうは全体相場が軟調で外国為替市場でも1ドル=140円台を下回るなど円高方向に振れていることもあり、目先利食い圧力が表面化している。

■トヨタ自動車 <7203>  1,908.5円  -31.5 円 (-1.6%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が軟調。30日の取引終了後、同社傘下の日野自動車<7205>と三菱ふそうトラック・バスの経営統合に向けた基本合意とともに、三菱ふそうの親会社である独ダイムラートラックとトヨタが水素をはじめ、電動化や自動運転などCASE領域で協業すると発表した。日野自と三菱ふそうを子会社に持つ統合会社を設立し、トヨタとダイムラートラックが同じ割合で出資。統合会社は株式公開を目指すという。日野自はトヨタの連結対象から外れる見込み。エンジン排ガス不正問題で業績が低迷していた日野自に対し、トヨタが新たな決断を示したことに対しては、一定の評価を示す向きもある。一方で、外国為替市場ではドル安・円高の流れとなっており、トヨタ株の重荷となった。

■三菱UFJ <8306>  932.5円  -1.4 円 (-0.2%)  本日終値
   全体相場が軟調ななか、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が底堅い。日銀の植田和男総裁はこの日、日銀・金融研究所が主催する「国際コンファランス」の開会にあたりあいさつした。英語で行われたが、その日本語訳を日銀は公開している。このなかで植田総裁は、高インフレ期を経て、人々の物価観などが変化し、これまで続いてきたlow for long(長期的な低金利環境)の時代から変わっていくとの見方があるとしたうえで、「すでにlow for longとは異なる新しい常態(New Normal)に移行しているという可能性も一概に否定することは難しいように思う」と発言した。株式市場では、異次元緩和策の修正により国内金利が上昇し、金融機関の収益改善につながるとの思惑から、メガバンク株への買いが入ったようだ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>やみずほフィナンシャルグループ<8411>もしっかり。

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