【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日野自、エクサWiz、Sansan
日野自 <日足> 「株探」多機能チャートより
日野自動車<7205>が急騰。30日の取引終了後、三菱ふそうトラック・バス(川崎市中原区)と、経営統合することで基本合意を締結することを決めたと発表した。日野自はエンジン認証に関する不正行為の発覚後、業績が悪化し、23年3月期まで3期連続で最終赤字を計上していた。今回の発表をポジティブサプライズと受け止めた買いが集まったようだ。24年3月に最終契約を締結し、同年12月末までの経営統合の実施を目指す。日野自と三菱ふそうが、統合会社の完全子会社となる予定で、統合会社の株式は東証プライム市場及び名証プレミア市場への上場を想定する。トヨタ自動車<7203>と、三菱ふそうの親会社である独ダイムラートラックは、統合会社の持ち分比率を別途決める。経営統合実施後、トヨタは日野自の親会社ではなくなる見込み。日野自と三菱ふそうは商用車の開発、調達、生産分野で協業する。
■サンアスタ <4053> 1,255円 +78 円 (+6.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
Sun Asterisk<4053>が急反発した。SBI証券が30日、サンアスタの目標株価を1400円から1600円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続する。外注費の適正化やエンジニア単価の上昇を背景に、23年12月期第1四半期の売上総利益が前四半期比で大きく改善したと指摘。エンタープライズ顧客の獲得も順調との見方を示し、利益率の改善要因には持続性があるとの見方も示す。同証券はサンアスタの23年12月期の営業利益予想を13億5000万円から16億円に引き上げた。
■エクサウィザーズ <4259> 486円 +24 円 (+5.2%) 本日終値
エクサウィザーズ<4259>は大幅高。30日の取引終了後に日鉄ソリューションズ<2327>との業務提携を発表しており、これを好感した買いが集まった。今回の提携を通じて、両社顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や、エクサWizが手掛ける新サービスのローンチに向けた販売・提供強化に関する包括的なパートナーシップを構築する。また、中長期的に更に協業や連携を拡大させていく。
■Sansan <4443> 1,709円 +62 円 (+3.8%) 本日終値
Sansan<4443>が大幅続伸。30日の取引終了後、インボイス管理サービス「Bill One」のオプションサービスとして、「Bill Oneビジネスカード」を6月1日に提供開始し、決済領域に参入すると発表したことが好感された。「Bill Oneビジネスカード」は、Bill One契約中のユーザーは利用手数料なしで利用できるほか、カード利用明細と証憑の自動照合が可能になり、アナログな法人カード業務を効率化できることなどが特徴。同社によると、既に200社が導入を決定しているという。
■京セラ <6971> 7,926円 +245 円 (+3.2%) 本日終値
京セラ<6971>に強気評価が出ている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は30日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」を継続するとともに、目標株価を7400円から8400円に引き上げた。同社株のエクイティストーリーは「半導体関連の増産と電子部品のシナジー発現を背景とした成長局面」としている。中期経営計画を初めて発表し、積極投資により成長へ舵を切る姿勢と、同時に資本政策の進展に期待。KPI(重要業績評価指標)を定め、目標達成に向けキャッシュを振り向け、資本効率向上を図る戦略を評価している。
■第一実業 <8059> 5,920円 +170 円 (+3.0%) 本日終値
第一実業<8059>が大幅高で上場来高値を更新。30日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表し、あわせて株式分割に伴い100円を予定していた24年3月期の期末配当予想を34円にするとした。株式分割による流動性の向上に対する期待や、前期に対しては実質増配となることが好感された。
■UBE <4208> 2,255円 +58 円 (+2.6%) 本日終値
UBE<4208>は切り返し急。同社がこの日朝方に開示した定時株主総会の招集通知で、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが大株主に浮上したことが明らかとなった。持ち株比率は1.82%となっている。これを手掛かりに同社株は買われた。
■東洋水産 <2875> 6,090円 +150 円 (+2.5%) 本日終値
東洋水産<2875>が4日続伸。SMBC日興証券が30日付で投資評価「1」を継続し、目標株価を6850円から7200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、北米即席麺の競争環境は健全であり悲観する必要はないこと、今期も1ケタ台後半の強い需要の伸びが見込めることを会社取材で確認したという。24年3月期は北米が牽引役となることでガイダンスの上方余地が大きいとして、営業利益予想を510億円から533億円へ引き上げた。
■ウエストHD <1407> 2,837円 +58 円 (+2.1%) 本日終値
ウエストホールディングス<1407>が反発。SMBC日興証券が30日付で新規に投資評価「1」、目標株価4200円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券によると、同社の強みである長年培ってきたコスト競争力・提携先とのリレーションを生かすことで、高い収益性を維持しつつ案件を獲得し、24年8月期に過去最高益更新という力強い成長を実現できると予想。特に、再生可能エネルギー事業に属する産業用太陽光請負(自家発電)事業、ウエストFIT事業の両事業が、非FIT型太陽光発電所の建設需要増加を背景に業績を大きく拡大させると見込んでいる。
■共英製鋼 <5440> 1,842円 +26 円 (+1.4%) 本日終値
共英製鋼<5440>が逆行高。25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を維持している。日本製鉄グループに属する電炉大手で、鉄筋コンクリート用棒鋼では業界シェアトップに位置する。グローバル展開に強みを持っているのが特長で、カナダのアルタ・スチールの買収により世界3極体制を確立しており、トップラインは前期に過去最高を更新した。株価指標面ではPER6倍台で、PBRは0.4倍台と超割安圏に放置されている。現状で配当利回りは3.7%前後と高いが、東証の低PBR改善要請を背景に今後の株主還元策のほか、海外での成長戦略推進に向けた期待も大きい。
株探ニュース