【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 節目の3万1000円回復し、5月23日の3万1360円が意識されてくる
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 31070 +240 (+0.77%)
TOPIX先物 2163.5 +15.5 (+0.72%)
シカゴ日経平均先物 31100 +270
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。債務上限問題を巡る協議に進展がみられず、格付け会社フィッチ・レーティングスが米国債の格付け見通しを引き下げた。6月1日にも米政府の資金繰り策が行き詰まるなか、リスクポジションを圧縮する流れとなり、NYダウの下落幅は一時200ドルを超えた。その後、バイデン米大統領が「交渉は進展している」との考えを示したことが伝わり、売り一巡後は下げ幅を縮めた。そのなかで、エヌビディア<NVDA>が急伸し、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>など他の半導体株のほか、生成AIの成長期待からマイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>が買われた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、運輸が上昇した半面、電気通信サービス、エネルギー、公益事業が下落。
シカゴ日経平均先物 (6月限)清算値は、大阪比270円高の3万1100円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比変わらずの3万830円で始まり、直後に付けた3万710円を安値にリバウンドを強め、米国市場の取引開始直前に3万1000円を回復。米国市場の取引時間中は3万870円~3万1070円辺りのレンジで推移し、終盤にかけて3万1100円まで上げ幅を広げ、3万1070円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。エヌビディアの上昇は既に織り込まれているものの、米国ではアップルなど大型テック株に買いが波及していることから、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均株価をけん引することになりそうだ。日経225先物は節目の3万1000円を回復し、ボリンジャーバンドの+2σに接近する動きを見せてきており、5月23日に付けた3万1360円が意識されてくる。ショートカバーが入りやすく、押し目待ち狙いの買い意欲は一段と強まりそうだ。
米国の債務上限問題への警戒から買い一巡後はこう着感が強まりやすく、3万1000円辺りでは強弱感が対立するだろうが、デフォルト(債務不履行)は避けられるとの見方が根強いこともあり、積極的にはショートは仕掛けづらいだろう。短期的なショートに押される局面では、その後の切り返しを狙ったロングで対応したいところである。オプション権利行使価格の3万875円~3万1375円のレンジを想定しておきたい。
VIX指数は19.14に低下した。前日には上値抵抗線として機能していた75日移動平均線を上回り、一時20.81まで上昇した。再び20.00を下回ってきたことから、ショートカバーに向かわせそうだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。ハイテク株が日経平均を押し上げる半面、債務上限問題により金融株は手掛けづらく、日経平均型優位の展開になろう。そのため、NTロングでのスプレッド狙いの資金が入りやすく、昨年8月高値の14.58倍を意識したトレンド形成になりそうだ。
株探ニュース