【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):セブン&アイ、飯田GHD、平和不
セブン&アイ <日足> 「株探」多機能チャートより
セブン&アイ・ホールディングス<3382>は後場に入り、下げ幅を拡大させた。この日午後、セブン&アイの定時株主総会で井阪隆一社長の続投が決まったと複数のメディアが報じた。井阪氏の退任を求めていた米投資会社バリューアクト・キャピタルの株主提案が否決されたことから、これを嫌気した向きの売りが出たようだ。
■飯田GHD <3291> 2,458円 -42 円 (-1.7%) 本日終値
飯田グループホールディングス<3291>が3日続落した。SMBC日興証券が24日、飯田GHDの投資評価を「2」から「3」に引き下げた。目標株価は2300円から2200円に見直している。地方圏を中心にインフレによる消費マインドの低迷や住宅価格の上昇の影響もあり、住宅需要は力強さに欠ける状況が続いていると分析。戸建住宅販売戸数は増加しても市中在庫に過剰感が残ることから、戸建分譲の粗利率の回復には至らないと予想する。同証券は飯田GHDの24年3月期の営業利益予想を1217億円から1122億円に引き下げた。
■平和不動産 <8803> 3,795円 -45 円 (-1.2%) 本日終値
平和不動産<8803>は軟調。SBI証券が24日、平和不の目標株価を3750円から3550円に引き下げた。投資判断は「中立」を継続する。平和不の23年3月期決算発表を受け、同証券は今期以降の業績予想を修正した。内幸町平和ビルでは、23年冬に外資系ホテルがリブランドオープンを予定。空室期間の賃料逸失の発生が見込まれるなかでも、インバウンド需要の取り込みが注目されるとした。ビルディング事業の物件売却益の増加などを見込み、同証券は平和不の24年3月期営業利益を123億円(従来は125億円)と予想した。
■高島屋 <8233> 1,896円 -19 円 (-1.0%) 本日終値
高島屋<8233>と三越伊勢丹ホールディングス<3099>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>が逆行安。中国での新型コロナウイルスのオミクロン株「XBB」系統の感染拡大への警戒感がインバウンド関連株の下押し要因となっているが、これに並行して、政府による訪日客に対する免税制度の見直し懸念もくすぶっており、百貨店株の重荷となっているようだ。共同通信は22日、「政府が訪日客の土産品に対する免税制度を抜本的に見直す検討に入ったことが22日、分かった」と報じた。これまで商品購入時には消費税の負担を求めていなかったが、税を先払いしてもらい、免税条件を満たしていることを確認したうえで、事後的に還付する方式を導入する方向という。不正転売の防止につなげるのが狙いで、早ければ2024年度から実施するとしている。
■ソフトバンク <9434> 1,493円 -11 円 (-0.7%) 本日終値
ソフトバンク<9434>は小動き。24日の取引終了後、1200億円を上限に今年度中に社債型種類株式を発行すると発表した。調達資金は通信・IT技術の高度化や次世代社会インフラに関連した成長投資に充てる予定。ただ、株式市場での反応は限定的となっている。今年度に第1回社債型種類株式は公募により発行する。また、東証プライム市場への上場申請を予定する。社債型種類株式は議決権や普通株式への転換権がなく、議決権の希薄化が発生しない仕組み。会計上は調達額の全額、格付け上はその50%が資本となる商品設計を想定している。発行から5年後はソフトバンクによる取得が可能となっている。優先配当については、発行後おおむね5年は固定配当とし、配当年率は2%以上4%以下を想定する。その後は、変動配当とする。引受証券会社は野村証券。第2回以降に関しては、第1回と同様の商品性と規模を想定するものの、具体的な発行内容に関しては、今後の資金需要や市場動向などを勘案して決めるという。
■ヤマトホールディングス <9064> 2,544円 -11 円 (-0.4%) 本日終値
ヤマトホールディングス<9064>がしっかり。この日、宇宙空間向け汎用作業ロボットを開発するGITAI Japan(東京都大田区)への出資を実行したと発表。宇宙関連という話題性もあって、投資家の買いを集める要因となったようだ。GITAIは宇宙ステーションなどで宇宙飛行士に代わって作業をする自律移動型ロボットアームや、月面作業用ロボットローバー(探査車)を開発するスタートアップ企業。ヤマトHDは「KURONEKO Innovation Fund」にGITAIを組み入れ、難易度の高い作業の自動化や効率化に関する最先端の知見を深めることなどを目指す。
■ヤマシナ <5955> 95円 +30 円 (+46.2%) ストップ高 本日終値
ヤマシナ<5955>が後場急動意。この日、半導体や電子部品の販売を手掛けるヤマヤエレクトロニクス(東京都足立区)の株式を取得し、子会社化すると発表。これを材料視した買いが集まり、上げ幅を拡大した。成長性が期待できる半導体事業を加えることが、多角化戦略に合致すると判断した。販路拡張などの事業の相乗効果も見込む。24年3月期の業績への影響は現在精査中で、公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示するとした。
■エム・エイチ・グループ <9439> 281円 +80 円 (+39.8%) ストップ高 本日終値
エム・エイチ・グループ<9439>がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は24日取引終了後、子会社のライトスタッフが理美容業界初の包括的なBtoBクレジット決済サービスの提供を開始すると発表。これが材料視されているようだ。ライトスタッフは理美容業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)化促進のリーディングカンパニーを目指し、美容サロン向けソリューション商品の販売で相互協力関係を築いているSCAT<3974>とともに新サービスの開発及び提供を開始し、普及に努める構え。なお、同サービスは23年秋ごろからの提供開始を予定している。
■ウェルライ <9565> 3,350円 +500 円 (+17.5%) ストップ高 本日終値
ウェルプレイド・ライゼスト<9565>がストップ高。24日の取引終了後、国内最大級のポーカールーム「ROOTS」を運営するPOKER ROOM(東京都世田谷区)と業務提携を締結したと発表した。前日には政府が「eスポーツ」の五輪採用に向けて強化支援に乗り出す検討に入ったと伝わり、ウェルライ株はストップ高の水準まで買われたが、今回の発表を新たに材料視した買いが集まったようだ。大阪でのIR(統合型リゾート)の整備計画が認定され、カジノ業界の盛り上がりが予想されるなか、プレーヤー人口が増加するポーカーへの注目度も高まっているという。両社の経営資源やノウハウの有効活用などを通じ、企業価値の向上などにつなげるとしている。
■ベクター <2656> 297円 +32 円 (+12.1%) 一時ストップ高 本日終値
ベクター<2656>が一時ストップ高。24日の取引終了後、太陽光発電事業を展開するネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ケ根市)との間で、再生可能エネルギー発電所などに関する売買基本契約の締結を決めたと発表。これを材料視した買いが集まったようだ。再生エネルギー発電所(卒FIT太陽光発電所)などの施設及び権利や、再生エネルギーに関連する部材を対象商品として予定する。具体的な商品内容や金額は、別途締結される個別契約で定める方針。24年3月期の業績に与える影響については、今回の契約に基づき実績を積み上げたうえで、重大な影響を与えることが判明した場合は速やかに開示するとした。
株探ニュース