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【市況】海外投資家による日本株買いへの思惑は根強く、約1年半ぶりに29500円を回復【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

15日の日経平均は続伸。238.04円高の29626.34円(出来高概算14億4000万株)と2021年11月以来約1年半ぶりに心理的な節目である29500円を上回って取引を終えた。円相場が1ドル=136円台前半と円安が進んだため、輸出採算改善期待から買いが先行。日経平均は29500円を上回って始まり、寄り付き直後には29629.47円まで上げ幅を広げた。また、海外ヘッジファンドとみられる先物買いも断続的に入ったため、先物高を受けた裁定買いも支援材料になった。ただし、その後はこう着感が強まったものの、海外投資家による日本株買いへの思惑は根強く、日中の高値圏でのもみ合い展開が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、保険、その他金融、証券商品先物、食料品など28業種が上昇。一方、精密機器、石油石炭、パルプ紙など5業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、KDDI<9433>、セコム<9735>、資生堂<4911>が堅調だった半面、オリンパス<7733>、東エレク<8035>、住友不<8830>が軟調だった。

前週末の米国市場は、5月の米ミシガン大学消費者調査で、長期期待インフレ率は3.2%と市場予想を上回ったことなどから、米国の利上げ継続観測が重荷となった。ただし、米国市場の影響は限られた。一方で、東証の掲げる株価純資産倍率(PBR)1倍割れ是正への期待もあり、海外勢が日本株を買い増すとの思惑も投資マインドの改善につながった。さらに、好決算や株主還元策へ積極的な企業への資金シフトも続いた。

きょうで国内企業の決算発表も一巡するため、決算を手掛かりにした買いも峠を越えそうだ。このため、投資家の目線は再び各国の景気動向に向かうと想定される。今週は15日にニューヨーク連銀製造業景況指数、16日に中国の小売売上高および鉱工業生産指数、米小売売上高、18日にはフィラデルフィア連銀製造業景況指数などの発表が予定されている。再び米国のインフレ傾向が強まるのかどうかを確認したいと考える向きが多い。

《CS》

 提供:フィスコ

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