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【材料】昭和産業---23年3月期は2ケタ増収増益、全てのセグメントで売上高が増加

昭和産 <日足> 「株探」多機能チャートより

昭和産業<2004>は11日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比16.5%増の3,350.53億円、営業利益が同24.8%減の41.84億円、経常利益が同0.8%減の65.25億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同94.1%増の77.76億円となった。

製粉事業の売上高は前年同期比11.8%増の873.73億円、営業利益は同8.0%増の38.40億円となった。マーケット分析力を生かし、ターゲット業態別での提案型営業の強化を行ったことにより、業務用小麦粉の販売数量は、前年同期を上回った。業務用プレミックスの販売数量は、惣菜、デザート等中食市場への取り組みを強化してきたが、前年同期を下回った。ふすまの販売数量は、前年同期を上回った。販売価格については、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に平均17.3%(税込価格)引き上げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施した。なお、昨年10月には輸入小麦の政府売渡価格は緊急措置として昨年4月の政府売渡価格が適用された(実質、据え置き)ことにより、小麦粉製品価格を据え置きとした。 営業利益は、業務用小麦粉の販売数量増加や焼成パン事業の収益改善などにより前年同期を上回った。

油脂食品事業の売上高は同19.4%増の1,199.26億円、営業利益は同4.4%増の10.64億円となった。製造コストの上昇に伴い、油脂製品については一昨年から本年にかけて7度にわたる価格改定を発表し、販売価格の改定を最優先に取り組んできた。 業務用については、油脂とプレミックス、パスタのシナジー効果を生かし、提案型の営業活動を強化してきた。製粉・糖質事業等との連携に加え、グループ会社であるボーソー油脂との共同提案等による新たな販路開拓に取り組んだ。しかし、業務用油脂の販売数量は、製品価格の大幅な上昇に伴う需要減退等により、前年同期を下回った。一方、業務用食材の販売数量は、主要販売先である外食向けの売り上げが回復し、前年同期を上回った。家庭用では、内食需要を喚起するために食用油とプレミックス、パスタとを関連させた販売の強化に取り組んできた。家庭用食用油、小麦粉、プレミックス、パスタについては適正価格での販売を優先したため、販売数量は前年同期を下回った。

糖質事業の売上高は同23.2%増の632.53億円、営業損失は10.12億円(前年同期は5.50億円の利益)となった。製造コストの上昇に伴い、昨年は複数回にわたる価格改定を発表し、適正価格での販売に取り組むとともに、子会社である敷島スターチやサンエイ糖化との連携を図り、提案型営業の強化による低分解水あめ、粉あめなどの独自性のある商品群の拡販に努めてきた。糖化品の販売数量は、飲料用途等の需要が増加し前年同期を上回った。コーンスターチおよび加工でん粉の販売数量は、工業用途等の需要が減少し前年同期を下回った。営業利益については、適正価格での販売に努めてきたが、原料穀物相場の高騰や円安ドル高進行、エネルギーコスト上昇等、急激な製造コストの上昇を吸収することができず前年同期を大幅に下回った。

飼料事業の売上高は同12.5%増の594.26億円、営業利益は同21.1%減の3.82億円となった。昨年10月に感染が確認された鳥インフルエンザの感染拡大が配合飼料の販売に影響を及ぼし、配合飼料の販売数量は、前年同期を下回った。鶏卵の販売数量については、前年同期を上回った。売上高は、配合飼料の価格改定により前年同期を上回った。また、配合飼料価格安定基金の負担増により販売費及び一般管理費が増加となった。

その他の売上高は同3.8%増の50.72億円、営業利益は同2.8%減の15.00億円となった。 倉庫業は、貨物獲得競争が激化する中、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努め、貨物取扱量は前年同期を上回った。

2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比7.4%増の3,600.00億円、営業利益が同79.2%増の75.00億円、経常利益が同31.8%増の86.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.3%減の55.00億円を見込んでいる。

《AS》

 提供:フィスコ

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