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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ボリンジャーの+1σと+2σのバンド内で推移、2万9000円近辺では押し目狙いのスタンス


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 29130 +10 (+0.03%)
TOPIX先物 2085.0 +3.0 (+0.14%)
シカゴ日経平均先物 29130 +10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 11日の米国市場は、NYダウ S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。米地銀のパックウェスト・バンコープ<PACW>が、約1割の預金額が流出していたことを明らかにしたことで、金融システム不安が再燃し、他の米地銀株に売りが広がった。また、米連邦預金保険公社(FDIC)が、大手行に数十億ドルの追加負担を求める計画が伝えられたことも重荷となって、NYダウの下落幅は一時400ドルを超えた。ただし、4月の米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことで金利先高観が後退してハイテク株が買われ、ナスダックは続伸。S&P500業種別指数はメディア、自動車・同部品、小売が上昇した半面、エネルギー、公益事業、不動産が下落した。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比10円高の2万9130円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円安の2万9110円で始まり、その後2万9200円まで上昇する場面も見られた。買い一巡後は軟化し、米国市場の開始直後は2万9000円を挟んだ保ち合いを継続するなか、一時2万8950円まで下げ幅を広げた。終盤にかけてショートカバーが優勢となり、2万9130円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、こう着感の強い相場展開になりそうだが、引き続き2万9000円水準での底堅さは意識されそうだ。ボリンジャーバンドの+1σは2万9030円まで切り上がっており、支持線として機能している。また、+1σと+2σのバンド内での推移が継続しており、+2σは2万9550円辺りまで上昇していることから、レンジ下限では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。SQ値(特別清算指数算出)は2万9000円を上回って決まると考えられるため、より同水準での底堅さがみられそうだ。

 米地銀株の不安定な値動きや米債務上限問題を巡る不透明感から、次第にこう着感が強まると考えられるものの、SQ通過で需給が軽くなるうえ、海外投資家の日本株選好への思惑からショートは仕掛けづらい。米アルファベット<GOOG>が自社サービスでAIの活用を拡大する方針を発表し、4%を超える上昇でナスダックをけん引したことは、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になろう。

 また、前日の引け後に決算を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]は、PTS(私設取引)で2%程度売られたが、ADR(米預託証券)では小幅な下げにとどまっている。売り一一巡後にアク抜け的な動きとなれば、日経平均型優位の流れになりそうだ。

 VIX指数は16.93に低下した。引き続き25日移動平均線に上値を抑えられており、神経質ながらもリスク回避の流れは高まっていない。なお、NT倍率は先物中心限月で13.98倍に上昇した。前日に支持線として意識されていた75日線までの調整を経て、NTショートの巻き戻しに向かわせていた。東京エレクトロンの動向次第では、25日線が位置する14.01倍から200日線水準の14.10倍辺りをターゲットとした、NTロングでのスプレッド狙いにシフトする可能性もありそうだ。

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