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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 米CPIの発表を控え神経質になりそうだが、ショートは避けておきたい


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 29210 -30 (-0.10%)
TOPIX先物 2099.0 +0.5 (+0.02%)
シカゴ日経平均先物 29225 -15
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米地銀株が売られ、NYダウは一時100ドルあまり下押す場面が見られた。その後、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言を受けて地銀株が軒並み買い戻されたことで下げ幅を縮めたが、4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えるうえ、米政府の債務上限問題なども警戒されて、様子見姿勢の強い展開だった。S&P500業種別指数は小売、資本財、食品・生活必需品小売が上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、素材が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比15円安の2万9225円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円安の2万9220円で始まり、その後は2万9110円まで売られた。売り一巡後は2万9140円~2万9200円辺りで保ち合い、米国市場の取引開始後に一時2万9280円とプラスに転じる場面も見られた。終盤にかけてはこう着感が強まり、2万9210円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の展開になりそうだ。ただし、ナイトセッションでは概ねオプション権利行使価格の2万9125円~2万9250円での推移を継続しており、底堅さが見られていた。米CPIの発表を控えるなか米長期金利が上昇し、米債務上限問題なども市場心理を神経質にさせそうだが、現在の需給状況からはショートは避けておきたいところだろう。

 決算発表がピークを迎えるなか、任天堂 <7974> [東証P]が発表した2024年3月の営業利益は前期比10.8%減の4500億円を見込んでいる。主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の苦戦で減益が想定されていただけに、決算通過でリバウンド基調を強めてくるようだと、センチメントを明るくさせそうだ。また、ニトリホールディングス <9843> [東証P]や三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]、丸井G <8252> [東証P]などの今期計画はコンセンサスを上回っており、決算を手掛かりとした物色が中心となるなかでは、ややTOPIX型優位の展開になりそうだ。

 TOPIX先物はナイトセッションで一時2100ポイントを回復し、中心限月で2021年9月以来の水準を回復した。日経225先物の21年9月高値は3万0620円であり、いずれリバランスのタイミングを見極めることになるだろう。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σと+2σのバンド内での推移を継続しており、+1σは2万8940円、+2σは2万9430円辺りに切り上がってきた。そのため、オプション権利行使価格の2万9000円に近づく局面では、押し目待ち狙いのロングが入りやすいと考えられる。米CPIの発表を控えて上値追いの動きは入りづらいものの、下値を徐々に切り上げてきていることから、ショート筋によるヘッジ対応の動きは意識されよう。

 VIX指数は17.71に上昇した。ただし、25日移動平均線に上値を抑えられており、神経質ながらもリスク回避の流れは高まっていないようだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.93倍に低下した。75日線水準まで下げてきたことで、いったんはNTショートの巻き戻しが入りやすい水準である。TOPIX優位のなかではNTショートが入りやすいものの、ボリンジャーバンドの-3σまで下げていることもあり、リバランスを想定しておきたい。

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