【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ディスコ、Jマテリアル、神戸物産
ディスコ <日足> 「株探」多機能チャートより
ディスコ<6146>が急伸、年初来高値を更新した。20日の取引終了後に発表した23年3月期連結決算が、売上高2841億3500万円(前の期比12.0%増)、営業利益1104億1300万円(同20.7%増)、純利益828億9100万円(同25.2%増)となり、営業利益が従来予想の1032億円を上回り過去最高益となったことが好感された。スマートフォンやパソコンなどの消費者向けデバイスの需要減退などで、量産用途の装置は需要の減退が見られたものの、世界的な電気自動車(EV)シフトや脱炭素化の進展を背景にパワー半導体向けは強い需要が継続しており、精密加工装置のグラインダを中心に高水準の出荷が継続した。同時に24年3月期第1四半期業績予想を発表しており、売上高533億円(前年同期比10.8%減)、営業利益165億円(同23.6%減)、純利益116億円(同27.7%減)を見込む。パワー半導体向けは引き続き高水準の出荷を見込むものの、量産用途の装置需要は引き続き低調を見込むほか、為替想定を円高に見積もっていることにより出荷額の水準が低下する見通しだ。
■東映アニメーション <4816> 13,620円 +740 円 (+5.8%) 本日終値
東映アニメーション<4816>が3日ぶりに急反発した。前日、中国においてバスケットボール漫画「スラムダンク」の映画「THE FIRST SLAM DUNK」が公開された。前売り券の売り上げが19日までに20億円を超え、中国で上映される海外アニメ作品における過去最高額を更新したと伝わっていた。現地のファンの熱狂ぶりは21日にも相次いで報じられており、業績への好影響を意識した買いが入ったようだ。
■ジャパンマテリアル <6055> 2,156円 +107 円 (+5.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ジャパンマテリアル<6055>は切り返す動き。同社は半導体向け特殊ガス供給装置を手掛け、主要顧客にキオクシアグループを持つ。顧客工場の設備投資継続を背景に業績は好調に推移しており、23年3月期は売上高、営業利益とも過去最高を更新する見通し。年間配当も前の期比増額を見込んでいる。東海東京調査センターが20日付で新規格付けを開始しており、きょうはこれを手掛かりに買われた。
■神戸物産 <3038> 3,905円 +165 円 (+4.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
神戸物産<3038>が3日ぶりに反発し、年初来高値に接近した。20日の取引終了後に3月度の単体業績を発表した。売上高は前年同月比9.6%増の398億4500万円、営業利益は同8.0%増の22億2200万円となり、堅調な業況を評価した買いを集めたようだ。3月度は「業務スーパー」で6店舗の新規出店があり、店舗数は前年同月比54店舗増の1018店舗となった。冷凍野菜が好調だったほか、セール対象品も売り上げに貢献したという。一方、円高進行に伴う評価損の計上があって、経常利益は同36.7%減の18億3000万円となった。
■東京ガス <9531> 2,660円 +110 円 (+4.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
東京ガス<9531>が後場に上げ幅を拡大した。この日、23年3月期の連結業績に関して、最終利益が計画の2360億円から2800億円(前の期比2.9倍)に上振れて着地したようだと発表し、好感されたようだ。ガス事業での費用抑制が奏功したという。一方、売上高はこれまでの予想の3兆3770億円から3兆2890億円(同52.6%増)と下振れて着地した見込みとしている。
■フリュー <6238> 1,184円 +40 円 (+3.5%) 本日終値
フリュー<6238>が続伸。20日の取引終了後、3月度の月次速報を発表した。売上高は前年同月比10.1%増と増収基調を継続しており、これを評価した買いが入ったようだ。増収は4カ月連続で、前年比の伸び率は2月(5.4%増)を上回った。「キャラクタMD」の売上高が前年同月比21.3%増、「ゲーム」の売上高が同70.8%増と大きく伸びた。「プリントシール」と「コンテンツ・メディア」は減収となった。
■イオンモール <8905> 1,851円 +46 円 (+2.6%) 本日終値
イオンモール<8905>が続伸。SBI証券が20日、イオンモールの目標株価を2250円から2370円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続する。国内と中国でのモールの専門店売上高が足もとで回復基調にあるほか、今後は海外での積極的な出店や、住宅・収益不動産開発を得意とするマリモ(広島市西区)との資本業務提携の効果などが注目されると指摘。中期経営計画の最終年度となる26年2月期の営業利益目標850億円の達成は可能だとの見方を示している。
■日本管財HD <9347> 2,553円 +55 円 (+2.2%) 本日終値
日本管財ホールディングス<9347>が4日続伸。20日の取引終了後、9月30日時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、好材料視された。毎年9月30日及び3月31日時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、ギフトカタログに掲載された商品(保有期間3年未満で2000円相当、3年以上で3000円相当)を年2回贈呈する。
■アイドマHD <7373> 3,095円 +65 円 (+2.2%) 本日終値
アイドマ・ホールディングス<7373>が7日ぶりに反発した。20日の取引終了後、大株主の三浦陽平氏からのレター受領について発表した。三浦氏が保有株式60万株を処分したことに関する補足説明として、流通株式比率の向上や株主の多様化が株式処分の目的だとした。アイドマHDは東証プライム市場の上場基準である流通株式比率35%以上を目指す方針を示しているが、今回の大株主の保有株売却によって、東証プライムへの市場変更に前進したと受け止められて、買いを集めたようだ。三浦氏は、今後も安定株主として長期保有する方針には変わりがないとしている。
■Jフロント <3086> 1,444円 +21 円 (+1.5%) 本日終値
J.フロント リテイリング<3086>が5日続伸。この日、ブロックチェーンを活用したトークン発行型のクラウドファンディングサービス「FiNANCiE」を展開するフィナンシェ(東京都渋谷区)に出資したと発表しており、好材料視された。フィナンシェと協業することで、メタバース・web3.0領域におけるトークンを活用したビジネスの開発や、eスポーツなどのファン活性化によるコミュニティービジネスの実現、地域名品の発掘・育成を支援するトークンを活用した新たな地方創成モデルの創出などの実現性やスピードが高まるものと期待しているという。今後両社は、具体的な業務提携に向けて連携を強化するとしている。
株探ニュース